> (1)ソフトウェアの生産量については、一般には売り上げや利益、付加価値
> などの金額ベースで計るべき。
> (2)ソフトウェア自体をどのように計っても、生産量は計れない。
> (3)ソフトウェアの規模があらわしているのは、生産量ではなくコストであ
> る。それは、現在までのコストのみでなく将来のコストも暗示する。
どれもそれ自体は間違っていないように思いますが、売り上げや
利益をベースにするのは、ことさら改めて述べなくても会社なら
どこでもやってることではないでしょうか。他の項目も私には既
知のことばかりです。規模が大きくなればコストがかさむのは、
私には当たり前だと思います。
問題は(1)の基準ではあまりにも大雑把過ぎて、そこから導き出せ
る有益な事実が少ないことです。より細かな分析をするために、
濱井さんが有害でさえある、と述べているような他の項目を(その
リスクを承知で)使うわけです。
> 売り上げや利益は正確に計れますし、コピー部数も正確に計れますが……。
> 開発中には正確な推定ができないというだけです。実績値は正確に計れま
> す。
売り上げや利益は、販売力や宣伝力にも依存しますが、それらと
ソフトの開発分をどう分離するのでしょうか。分離せずに予算配
分などをどう決めるのでしょうか。ようするにそれだけの指標で
は不十分なので、他の指標をあれこれ考えるのです。
> [XP-jp:02993]でふれているように、組み込みソフトウェアやサポート用に
> 無償配付するデバイスドライバなどの場合、ソフトウェア部分の生産量を
> 分離できないという問題はありますが、それと同様の問題は、工場の製造
> プロセスの各工程についてもいえることです。
だから分離できなくてよい、という結論でしょうか。濱井さんの
一連の主張の帰着点は、ソフト(に限らず)開発の工程は分析不可
能である、ということになると思います。実際分析は非常に困難
なのですから、その主張自体は間違っていないわけです。また、
見当違いな分析が開発にとって迷惑千万なのも、開発者なら日常
的に感じることでしょう。
そういったリスクや困難さにもかかわらず、ある規模以上のソフ
ト開発では細かな分析を必要性に迫られ、やむなくあれこれソフ
ト自体や開発工程自体を分析するわけですが、そういった背景に
対する濱井さんの考察が、これまでの濱井さんの文章からは見え
てきません。
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Michitaro Horiuchi / Access Co.,Ltd.
horiuchi@....jp / horiuti@....jp