濱井です。
2002/01/14 03:53:28 +0900にhoriuchi@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。
私がソフトウェアの生産量に関して言いたいのは、概ね以下の3点です。
(1)ソフトウェアの生産量については、一般には売り上げや利益、付加価値
などの金額ベースで計るべき。
(2)ソフトウェア自体をどのように計っても、生産量は計れない。
(3)ソフトウェアの規模があらわしているのは、生産量ではなくコストである。
それは、現在までのコストのみでなく将来のコストも暗示する。
>もっともな話ですが、濱井さんはどのような指標で「生産性」を計るべきだ
>と考えているのでしょうか?
(1)で書いているように、一般には売り上げや利益、付加価値などの金額
ベースで生産量を計るべきだと考えています。一部のソフトウェアに
ついては、コピー部数でもかまわないと思います。
投入量については、工数で計ろうと、費用で計ろうと大きな違いはないと
思います。
>その中である程度比例する傾向のある項目を見つけて便宜的に「推測」する
>わけです。したがって既存の項目を否定する点に力点を置くのではなく、既
>存の項目より優れた方法を考え出す点に力点を置くのでなければ、単に上記
>の当たり前のことを繰り返し述べるだけで終わってしまうのではないです
>か。
(2)で述べているように、ソフトウェア自体からソフトウェアの生産量を導き
出すことはできません。
そして、規模を生産量として扱うのは、有害ですらあります。それくらいなら
計らない方がましです。生産量なら大きい方がいいのですが、コストですから
それだけをみるならば規模は小さい方がいいのです。
>「価値」を「規模」のみで考えられないのであれば、「質」を議論に加える
>必要があると思いますが、濱井さんはそれは生産量とは無関係だと述べてい
>ます。濱井さんが主張される「生産量=コピー数(=販売数?)」に従えば、そ
>のとおりです。しかしその一方で濱井さんが「生産性」を述べるときの分子
>がいまひとつわかりません。分母はコスト(人件費)として、分子は「ソフト
>の単体の価値」*「生産量(販売数)」ぐらいしか思いつきませんが、「質」
>も「規模」も抜きで「ソフトの単体の価値」をどう議論するのでしょうか。
>それともソフトの生産性は定義できないのだから一切言及すべきではない、
>と主張されているのでしょうか。
売り上げや利益は正確に計れますし、コピー部数も正確に計れますが……。
開発中には正確な推定ができないというだけです。実績値は正確に計れます。
[XP-jp:02993]でふれているように、組み込みソフトウェアやサポート用に
無償配付するデバイスドライバなどの場合、ソフトウェア部分の生産量を
分離できないという問題はありますが、それと同様の問題は、工場の製造
プロセスの各工程についてもいえることです。