渋川@東工大です。
中部電力主催の原子力発電所、地下変電所、中央給電司令所の見学会に参加して
きました。いくつかかいつまんで報告します。見学したのは浜岡原子力発電所で
す。一号機と二号機は事故の影響で止まっていて、三号機は定期点検で止まって
いて、動いていたのは四号機のみでした。
原発の制御は僅か6人で行われます。制御室でXPと同様にファシリティ戦略にも
気を使っているところに興味を引かれました。具体的には、「2重天井と間接照
明による圧迫感を与えない空間デザイン」と「休憩用のスペース確保」「自然光
の採光」です。最後のは、外からファイバーか何かで自然光を引いてきて、観用
樹の照明に使う、というものです。原発には窓がないのですが、心理的効果をね
らって自然光を使用しているそうです。
中央給電司令所ですが、電力がライフラインということもあり、バックアップ体
制、制御士の訓練がしっかりしていたのが印象的でした。ここも確か4〜6人程
で制御していました。中央給電司令所には大きなパネルがあり、電力系統、天気
予報、雷予報、不快指数などの情報が一覧になっていました。説明では、司令所
にいるすべての人のコンピュータにも同じ情報があるとのことでしたが、「共有
のために」大きいパネルもおいてある、とのことでした。つまり大きい「ホワイ
トボード」ということになると思います。例えタスクカードなどをWeb化して
も、共通の情報パネルとしてのホワイトボードというのは重要ということでしょ
うか?
司令所の日常業務に「訓練」が入っているところもXP的だと思いました。実機と
同様の機械を使って訓練することにより、制御士の技能を(XPで言うところの顧
客の)満足するレベルに保つと考えられますからね。実行時環境と同じ環境で行
う受入テストですね。補足ですが、訓練用のシステムはメインシステムがダメに
なったときのバックアップとして使用することも可能らしいです。かっこいいで
す。
また、当然といえば当然ですが、送電中の問題などに関するリスク管理が徹底さ
れているように思われました。問題が起きてもリスクを最小にしたり、問題があ
ればすぐに問題の解決を行える体制になっていました。コードの共同所有に近い
体制です。また、屋内送電線とかもすぐにチェックできるように、人がいつでも
立ち入れるようになっているところも同様ですね。地下変電所ではケーブルの引
き回しだけで1フロア、という所もありました。
また、火力発電所自体も、今までの「一度止めたら動かすのには時間がかかる」
というのから改良され、稼働にかかる時間が短くなり、細かい制御が可能になっ
ているそうです。これにより、雷が近づいた地域はオフにして、他のエリアの発
電所をオンにして安全に電力を確保する、ということが可能になりました。発電
所のリファクタリングを行って変化に強くなったということですかね?
以上です。
# 中部電力が電力9社の中で一番火力発電の効率が高い
# というのには驚きました。
-----
東京工業大学 電気電子工学科 3年
_/_/_/ しぶかわよしき JA6HFA/1
_/ mailto: shibu@....jp / ja6hfa@....jp