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Date:  Wed, 19 Dec 2001 13:27:36 +0900
From:  k-hamai@....com
Subject:  [XP-jp:02912] Re: CMM と XP
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <200112190427.NAA25853@....jp>
In-Reply-To:  <20011219105300.AB74.MAKOTAN@....jp>
References:  <20011219105300.AB74.MAKOTAN@....jp>
X-Mail-Count: 02912

濱井です。
2001/12/19 10:59:46 +0900にmakotan@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。

>>>>手段は目的をかなえるためにどれだけ役立っているかで評価されます。
>>>>目的からの観点のない評価はほとんど無意味です。
>>>>CMMには、この「目的からの観点」が抜け落ちています。
>>>
>>>工場がどれ位の品質の商品を作れる可能性があるのか。
>>>と、商品がどれ位役立つのか。
>>>を比べてどうするのですか?
>>
>>そんなことは言っていませんが?
>>ソフトウェア開発は、その目的のためにどれだけ貢献しているかで
>>評価されなければならないと言っているだけです。
>
>では、
>工場がどれ位の品質の商品を作れる可能性があるのか。
>と、商品がどれ位役立つのか。
>の基準を一つにする必要がどこにあるのですか?

ですから、そんなことは言っていません。

工場であろうと、ソフトウェア開発であろうと、どれだけ作ったか、どれ
だけ開発したかではなく、どれだけ売れたか、どれだけ儲かったかでまず
評価されるべきだと言っているのです。
[XP-jp:02591]でもこう書いています。

hamai>この本で最も重要な指標としてあげられているのは、「スループット」
hamai>であり、その定義は以下のようになっています。
hamai>
hamai>    スループットとは、販売を通じてお金を作り出す割合のこと
hamai>                                            (pp.97)
hamai>
hamai>このように工場でも、どれだけ売れたかが最も重要であり、どれだけ
hamai>製造したか、どれだけ作ったかではありません。どれだけ製造しても、
hamai>売れなければ在庫が増えるだけでありコストが無駄になるだけです。
hamai>ソフトウェアも同じで、開発しただけではコストがかかるだけです。
hamai>それなのに現状では、開発で費やした規模ばかり計っています。


>>CMMの基準からすると、全く売れないパッケージソフトをコストや開発期間
>>が予定どおりに開発したケースの方が、爆発的売れ行きのパッケージ
>>ソフトをコストや開発期間が予定を大幅に超過して開発したケースより
>>評価が上ということになります。会社が儲かるかどうかより、開発コストや
>>開発期間が予定どおりかどうかの方が重要なのです。
>>これでこのまま突き進むと、会社は潰れてしまいます。
>
>「全く売れないパッケージソフト」と「爆発的売れ行きのパッケージソフト」
>があったとして何を作るかはCMMの基準で判断するのではないですよね

斬新な機能の追加は、ソフトウェアの売れ行きにプラスの影響を与える
可能性が高いですが、開発工数の見積もりの精度にはマイナスです。
このように、CMMの基準とソフトウェアの売れ行きとには両立しがたい
点が少なくありません。
CMMの基準に従うと、かってのビジカルクのような革新的なソフトの開発
プロセスは最低の評価になります。


>まったく同様なパッケージソフトを作るときに
>「その組織がどれくらいの品質で作れるか」が重要なんだと思いますが?

コピーにより、全く同じソフトができるわけですから、「まったく同様な
パッケージソフトを作る」ことを考えるのはほとんど無駄です。
それは、「車輪の再発明」に通じます。