濱井です。
2001/09/17 16:32:14 +0900にhkikuchi@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。
>「お金を生み出すものは資産と考えるべき」の定義でよいので
>はないでしょうか?
書き方が悪かったのかもしれませんが、ソフトウェアが資産である
ことを否定してるわけではありません。ソフトウェアを資産と考え、
多ければ多いほどいいと錯覚するよりも、ソフトウェアを負債と
考え、必要最小限(小さくてシンプル)にすべき、過大にならない
ようにすべきと考える方がいいということです。
>不動産1 →維持にはお金がかかるが、それを人に貸してもうけている→資産
バブル崩壊後の地価の暴落は、多少の賃貸料収入ではほとんど
補えなかったでしょう。つまり、現金や預金などでもっている方が
よかったということです。
>不動産2 →自分が住んでローンを払っている→負債
バブルの時期などでは、ローンの金利より地価の値上がり分の方が
多かったりしました。
「お金を生み出すものは資産と考えるべき」という定義では、結果
でしか資産か否か区別できないということになりそうです。
>円もドルに比べれて価値が下がったりするし、価値が下がらない資産なんてあるの
>かな?
ソフトウェアは変更のためのコストを払わないかぎり価値が下がり
続けます。そこが資産として大きな問題なのです。価値が下がり
続けるということは、長く保有すればするほど、多く保有すれば
するほど価値の低下による損を被るということになります。
被る損を少なくするため、リファクタリングにより価値の低下を
緩やかにするべきということになります。
もちろん、ソフトウェアを利用することによる利益は得ている
わけですが、損が少ないほどいいのは当然です。
価値が急激に低下するため、資産でありながら広く実質的な負債
として扱われているものがあります。在庫は資産でありながら、
負債であるかのように扱われています。まともな企業ならどこでも
在庫が必要最小限になるように努力しています。
週刊ダイヤモンド9月15日号に特集が組まれた『ザ・ゴール』でも、
登場人物が、在庫は実質負債だが会計上は資産として扱われる
という会話がでてきます。