船橋さん、
こんにちは、合木です。
On Sat, 08 Sep 2001 19:27:18 +0900
Mikio Funahashi <funahashi@....jp> wrote:
:
> # 済みません、暫く隠れていました。
> # というかペースについていけなかった...
ごめんなさい。f^^;
:
> 私は基本的に合木さんのおっしゃっている事に賛成の立場です。
基本的な所での、賛同を表明してくださってありがとうございます。(^^)
> が、1点だけ分からない所があります。
>
> それは、XPのメタファーは(合木さんが言う所の)コンセプトとしてのメタファー
> と違うのかという事です。
XPのメタファーは(僕が言う所の)コンセプトとしてのメタファー違いはあ
るのかとか、異なるものとして扱う必要があるのか、という所ですね。
> コードからフィードバックを得たり、メタファーを理解する事で(コードを)
> 洗練するために使われるメタファーってコンセプトとしての使い方ではない
> のでしょうか?
なるほど。
どちらも「メタファーってコンセプトとしての使われ方になるのではないか」
という事ですね。 .....(A)
> そうして、メタファとコードが十分に「成熟する」とそれがアーキテクチャ
> と呼べるほどピッタリ来る。という風に理解していたのですが..
考えられていることわかりました。
一つ質問させていただきたいのですが、
僕には、「メタファーが成熟する」というのがうまくイメージできませんでした。
メタファーは十分によければそのまま使われて、そうでなければ新たに検討され
るものと思っているので、「成熟する」というイメージができませんでした。
もし、何かイメージをお持ちでしたら教えてください。
> 一連のスレッドを拝見していても、他に「メタファー=ほぼアーキテクチャー」
> という事の具体的なイメージが浮かばなかったのです。
>
> # わかんないのが XP のメタファーの方なので落ち着かなくて。。
> # 割り込んでしまって申し訳ありません。
はい。具体的なイメージを求められているのですね。 ...(B)
#がんばってみます。f^^;
* * *
まず、(A)についてですが、僕も、おっしゃられるように、
どちらのメタファーもコンセプト的な使われ方をするものであると思います。 ...(a)
ただ、過去の僕の書いたメールを読み直してみると、そこら辺がうまく整理
して書くことができていなくて、ごちゃごちゃしてしまっていると思いまし
た。
いまさらながらに、整理していみると、
XPのメタファーは、そのアーキテクチャーの「作りや仕掛けなどの構造的な所
をイメージできるようなもの」が望まれているように理解しています。したが
って「このメタファーが持つ構造と似たシステムを作るというコンセプトでい
くぞ」ということででしょうか。
「知識創造企業」の中で言っているメタファーは、グランドコンセプトの様な
もので、作りや仕掛けをイメージできるようなものではなく、「どのようなも
のとして存在させるか」という所を表すものと理解しています。したがって、
XPのメタファーの考えのスーパークラスのような概念と考えます。
# う〜ん、あまり整理できていないなぁ。
* * *
(2)のために、二つのメタファーを使ったプロジェクトの例を書いてみたいと思
います。ただ、うまく書ける自信はありません。f^^;
文才がないので、簡単な寓話しかかけませんが、それがかえってよくわから
なくなくする心配があるかもしれず、不安ですが、トライしてみます。
* * *
Webサイト構築をしているA社が、B社の健康食品のショッピングサイトを構築
することになりました。A社では、ショッピングサイトは数多く作っており、B
社のサイトのアーキテクチャーは、大体どのように作れば良いかというイメージ
が頭の中にありました。
プロジェクトの開始時点で、まず、どういったイメージのサイトにするかを顧
客と話し合うことになりました。話し合いを進めているなかで、B社から「森
の中でキノコ取りをするようなイメージがいいなぁ」という意見ができました。
その理由を聞いてみると、「キノコ取りは、キノコを取ることだけが目的でな
くて、森の中で過ごすことにより癒される事も目的となっているからです。私
達のサイトも買い物だけでなく癒しを与えられるようなものになればと思うの
です」と言われました。そのあと色々意見交換をしたのち、このプロジェク
トのコンセプトとして「森の中のキノコ取り」というメタファーを与えました。
これが決まったことにより、今後の議論の中で行われる決定事項は、すべてこ
のメタファーと馴染むかどうかが審査されることになりました。
次に、B社のサイトコンテンツをメンテナンスしていくことになる方とお話し
ました。その彼は、サイトコンテンツをメンテナンスしていく事にとても不安
を抱えていることがわかりました。古くなったコンテンツや不要となったコン
テンツを取り除きながら、価値のあるコンテンツが生きてくるように世話をし
ていく必要があります。色々話をするなかで、「キノコの森」の世話をする人
なので、「キノコの森の番人」ですねという話になりました。
そこで、「キノコの森の番人」としてサイトをメンテナンスをしやすくなる
ような道具を提供したり、そのきっかけを与えてくれるような支援をシステム
がしてくれるようなものにしてはどうかという話になりました。そして、その
コンセプトとして「キノコの森の番人が住む森」(安直だ〜)というメタファ
ーをつけました。
このメタファーができたことで、ショッピングサイト自体は何度も作っている
A社ですが、一般的なアーキテクチャーの中に、「キノコの森の番人」が快適
に活動できるような仕掛けや道具を用意していくことになりました。これによ
りあらゆる判断が、その「キノコの森の番人」になる人にとって過ごしやすい
ものであるかどうかについて審査されることになりました。
次に、ほげほげな人とあいお話をしました。..... (と続く)
<けれども、次回へ、続かない>
なんとなく理解していただくことができたでしょうか。(汗)
* * *
以下は、蛇足。(練れていない。f^^;)
基本的に、グランドコンセプトとしてのメタファーだけでは不十分で、その後の
展開として、そのシステムに関わる人たちそれぞれに対してその人が過ごしやす
いものにするようなものであるにはどうあるべきだろうかを考えメタファーを作
くり、作り出されたいくつかのメタファーが溶け込むことで、より良いアーキテ
クチャーやシステムにすることができるではないかなとか思っていたります。
例えば、ミドルウェアを開発する場合は、それを利用するという観点から見ると、
関わる人は一人でよいかもしれません。そして、この場合は、どういった仕掛け
や作りにするかということについてのメタファーは一つだけになるように思いま
す。
多くの人が関わるシステムであれば、その関わる場所毎にメタファーがあっても
よいのではないかなとか思います。もちろん全体を一つであらわせればそれはそ
れでいいと思いますが、必ず一つでなくてはいけないということもないのではな
いかと思うのです。
こういうことって、メタファーを見つけて名づけることはしていなかったかもし
れませんが、コンセプトの箇条書きとかいうレベルでは一般的にやっているよう
に思います。
ここら辺を考えていると、パターンランゲージとの類似点や関係性について目が
行くようになりました。
例えば、類似点としては今まで名前を付けなかったけれどつけることでコミュニ
ケーションが促進されるとかであったり、関係性についてはコンセプトを考え出
して(複数人で作りこむためにメタファーが生きてきて)作り込むことで質が作
られてあとからみるとパターンランゲージが抽出できるようなものになりえるの
ではとか。
--
Shigeru GOUGI <gougi2@....jp>