At 2001/09/03 11:48 no name <hamai@....jp> wrote:
>この資料の4ページ目、「時間-コストカーブ」の図の左側の方を
>見ていて思ったのですが、変更コストが時間の経過とともに
>上昇していく原因の一つに、時間の経過とともに時間当たりの
>変更件数が減少していくということもあるのではないでしょうか。
>最近ではあまり聞きませんが、ずっと以前には、「後になれば
>なるほどバグ1件当たりの修正コストが高くなるので、なるべく
>早くバグを摘出するべき」と言われていました。それに対して、
>「後になればなるほど摘出されるバグが少なくなるので、バグ1件
>当たりの修正コストが高くなる」という反論がなされました。
この場合の「バグ1件あたりの修正コスト」という指標自体の意味が怪しいと
思うのですが・・・
バグ1件あたりの修正コストをあげてしまう原因として
・後になればなるほど修正が困難になるのでコストがかかる
というのもあるとは思いますが、
1件あたりの修正コスト =
(保守に必要な固定費用+修正費用の合計) / バグ件数
なので、後になればなるほど、別の意味でも費用が増大してみえるということ
ですね。
でも、「修正にかかる総費用」という観点で考えればこの議論自体意味がない
ものに見えます。
>早めにバグを摘出すればするほど後になって摘出されるバグは
>少なくなるのでそのソフトに対して不慣れとなり、いざバグが
>見つかった時の修正コストは増大するため、無理をして早めに
>バグを摘出しても効果が薄いことになります。
バグ/不具合を早期に摘出することによって将来発生するであろう費用(修正
費用)をある程度予測しやすくすることが出来るという点が見逃されているよ
うな。
後まわしになればなるほど、残っている不具合の修正にかかる費用/期間の予
測の精度は低くなるとおもいます。しかも誤差の影響も馬鹿にならないでしょ
うし。
>この一種の数字のトリックが変更コストについても成り立っている
>のだと思います。
「慣れ」というパラメータが定量化出来ないし、後になればなるほど、要員が
交代する場合も考えられるし、忘却してしまう事等もあるでしょう。そうした
場合「早めに不具合を摘出しても効果がない」という論理には、あまり説得力
を感じません。
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安楽 啓之
インフォテック株式会社
産業公共システム統括部 産業公共第5グループ
mail:hi.anraku@....jp