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Date:  Fri, 10 Aug 2001 06:05:20 +0900
From:  Shigeru GOUGI <ANC04864@....COM>
Subject:  [XP-jp:02342] Re: Process in H/W
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <200108092105.GAA07085@....jp>
In-Reply-To:  <035701c120d1$f8951ca0$640aa8c0@g6x400m>
References:  <009c01c1208d$231cc490$640aa8c0@g6x400m>
X-Mail-Count: 02342


長谷川さん、
こんにちは、合木です。
お返事ありがとうございます。

On Thu, 9 Aug 2001 21:50:55 +0900
hasegawa-san wrote:

> 長谷川@テクノポートです。
:
> いいですね。こういうの、好きです。
> それとともに、自分の無知さ加減もちょっとわかったような(^^;。
> カンバン方式というのは知っていましたが、どこか単なる発想って
> とららえていました。でも、合木さんが紹介してくれた「言葉」を知って、
> 自分の理解が十分表層的であることがわかりました(^^;。

カンバンがインパクトがあるのでカンバン方式という呼び方がされる
ことがあるようですが、トヨタ生産方式というのが正式名のようです。

山田さんのもうひとつの著書である、「ズバリ 現場のムダどり辞典」
という本には、次のような言葉があります。

引用:p30
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
現場での失敗を恐れるあまり、たえず実践とか模擬テストが行われる。
そして、それら机上での反省が研究と称して、現場での作業よりも、
あたかも権威をもつことがまかり通る世の中が出来上がってしまった。
これでは、現場よりもスタッフが遇され、スタッフの支配のもとに現場
が動かされかねない組織が出来上がっている。
これでは、もはや現場を支配できる人間が、企業の中からいなくなった
ように思える。
とりわけ、大企業や伝統産業にこの傾向が強い。
もう一度、つくるよろこび、現ブツに触れる喜びが産業人には大切で
なかろうか。その中から、ムダを無くし、社会への貢献を一つひとつ
の動作の中に感じられる時こそ、仕事に対する満足感に酔える時では
なかろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「改善魂」の中で述べられている詩のような哲学は、この引用した文章の問い
と深く結びつくように思います。

トヨタ生産方式は、「Just in time」というビックピクチャーを実現しようと
する活動の中で作り出されたものであり、そのトヨタ生産方式を創っていると
きに現場の中で作られた言葉がこの「改善魂」の中で書かれている詩と思いま
す。

トヨタ系列のいくつかの工場を訪問させて頂いた中で感じたことでもあります
が、工場の中にも、その経営手法であるトヨタ生産方式の中にも、「改善魂」
の詩が住み着いています。この詩も改善とかカンバンという言葉も、素朴で決
してかっこよくもなくうまい表現でもないかもしれないけれども現場から作り
出されたものだから何か底知れぬ説得力があるようにも感じます。
 
:
> #こういう人は、どういう目で現場を見ているのか、
> #とても興味津々です。

僕も本当にそれを感じます。
こういう考えに至ったプロセスにとても興味を感じますし、そういった考えを
作り出すプロセスの重要さや、その考えを伝えていく難しさを感じます。

On  2001/08/09 13:38
hasegawa wrote:
(in :"[XP-jp:02338]", 2001/08/09 13:38)
> でも、こういうことを言うというのは、勇気がいるというか、
> 本当の実感がないと言えないんでしょうね。
 
勇気がいるということ、とてもわかります。

:
> #12日なんて数字がでてきました。...気長に待ってみることにします。

ということですので、もう少し引用を。(^^)

 
                       *             *             *

目次は、次のようになっています。パターンランゲージが作れそうな構成です。

どういう本にすれば現場の人に読んでもらえ、さらに、その詩にいたった根底
にある大切なものを伝えられるかを考え抜いてこういった詩のような本になっ
たんでしょうね。

こういうグランドビュー的な考えが揃った時点でアーキテクチャーとして抽出
できて、他の会社にも適した形で適用していけるようにも感じます。

■ 目次

o 今日こそ、俺はヤルゾ
  - 今日こそ、俺はヤルゾ
  - 明日
  - 早起き
o ムダとムダの発見
  - トヨタ生産方式とムダ
  - 現場におけるムダ(その1、2)
  - ムダを見る眼(その1、2,3,4,5,6)
o  ムダ排除と改善
  - 働く
  - モラール
  - 良い点、悪い点
  - 改善案
  - わかった と やる
  - 新しいこと
  - 今日が最低
  - 人を動かす
  - 現象
  - 改善の顔
o 工場経営
  - 工場経営
  - 現場の人
  - 多能工
  - 物置センター
  - 置き場所
  - 現場のモノ
  - スペース
  - コンベア−
  - 管理
  - 成化
  - 間締め
  - 引き取り方式
  - モノを積む
  - 造りすぎ
  - くりかえし
o 仕事と人生
  - 目標
  - 実績
  - 技術
  - 仕事
  - 仕事で光る
  - 世界一
  - 情報
  - 経営
  - 製造業
  - 名工 法隆寺 西岡棟梁
  - モノ造りの一番の幸せ
  - 授業料のいらない学校
  - 革新
  - 生産革新
  - 結果
  - 機会損失
  - 赤字会社
  - 大企業
  - 間接
  - 過剰教育
  - 本当の愛情
  - 人生
  - 健康
  - 良い環境
  - あと何日
  - 平均を上げる人間

                       *             *             *

● 情報

困った時に入ってくるのが、本当の情報
さもなければ、ただの教養番組

● 間接

ダレのために仕事をしているのかを
具体的に言えなくなっている

間接が、機能別になっているところは
お客様がわからなくなっている

● 良い環境

生き方に賛同してくれる仲間が多い
生き方をささえる衣・食・住がある

では。

p.s.
上記目次で出てくる西岡棟梁の本である「木のいのち木のこころ」も
お勧め。
--
Shigeru Gougi
E-mail :ANC04864@....jp
http://www.post.self.ne.jp/~gougi