長谷川@テクノポートです。
----- Original Message -----
From: "Kenji Hiranabe" <hiranabe@....jp>
Sent: Monday, July 02, 2001 8:17 PM
> 平鍋です.
>
> > 長谷川@テクノポートです。
> > 平鍋さん、以下のレポートを読ませてもらいました。
> > お忙しい毎日を送られているようですね(^^。
>
> 長谷川さん,おひさしぶりです.
本当に、久しぶりです。
#会えたと思っても、ゆっくり話せなかったり。
#また今度ゆっくりお話させてください。
> > なにがと言うと、やたら既に提唱していたとか、やっていたとか、
> > アメリカが追いついてきたといった発言です。思わず、それなのに
> > 誰もついてこなかったのは、何は恨まれることでもしたんですか、
> > と突っ込みたくなりました。
> > #だめですね、こういう否定的反応しかできないのは(^^;。
>
> 恐らく,私がしゃべった時の聴衆としては,もっとも高年齢,アカ
> デミック寄り,ですので,そういう発言は覚悟していましたが,3
> 名くらい同じ論調だったのはびっくりでした.もちろん,それでは
> ダメで,ちゃんと工学として議論しよう,という話をされた方もあ
> りました.
よくわかりませんが、いい年のとり方をしていないのか、
冷たい視線の中ですごしてきたせいなのか、推測不可能ですが、
このあたりは、もしかしてUSの方が成長していたりするかも。
でも、「工学として議論しよう」という人たちもいるわけですね、
こういう人がいるって、たとえ懐疑派の人であっても、XPにとって幸運ですね。
> > 要は、全体性を見ないで、要素的に一致していれば同じものと判断する
> > その辺りですね。そのせいで、XPの評価も何か間違っているように思えてきます。
> > 「一人でやった時のプラクティス」とは、違います。XPからチーム性や
> > コミュニティ性をとれば、XPではなくなります。プラクティスは、全体の光のあたる
> > 一部に過ぎません。それを支える地の領域、構造が大切だと考えています。
>
> GoF のパターンが出た時,「ああ,こんなのは俺もやっていたよ」
> という発言がやはりありましたよね.でも大切なのは,それに名前
> を付けたこと,カタログ化して形式知としたこと,コミュニティを
> 作ったことですよね.また,XP でも大切なのは,プロジェクトで
> 実証したこと,終了地点でなく出発地点として提示したこと,現代
> のコンテクストでアーティキュレイトしたこと,そしてコミュニ
> ティを作ったこと.
GoFについて、ようやく評価できる状況になったような気がします。
#これには、USと日本との時差はあまりないんじゃないかと思っています。
平鍋さんが対比された通り、GoFの場合も,「ああ,こんなのは俺もやっていたよ」
というのは、要素的な一致からだと思います。特に、マイクロアーキテクチャを
取り扱っているので、一致も確率的に高く、デジャブ的感覚にとらわれます。
#でも、少し変形して提示すると、たいてい困惑するか見解の一致を得ることが
#難しいような気がします。
ちょっと違うのは、パターンコミュニティはGoFとは分離して存在していましたが、
XPコミュニティは、やはりXPなしには存在しえません(^^。
> あと,当日,金澤さんから XP に対する非常に現実的なコメントを頂きました.
>
> 「現代の Web システム開発では,非常にうまくいくんじゃないかしら」
>
> さすが.ぼくが求めているのもその現実的視点です.
やっぱりNorikoさんは、私の思考回路と違っている(^^。
言われると、当たり前かと思いますが、恥ずかしながら、
私はぜんぜん思い浮かびませんでした(^^!。
でも、XPの世界では、WEBシステムの事例って発表されて
いないんですか?Javaと言えば、Webが浮かぶほどなんですが。
#それと、XPの事例って言うのも、ちょっと変かな?
#XPのやり方についての事例はありますが、対象に関する
#事例ってないんでしょうか?対象でXPのやり方が変わって
#くるということはないんでしょうか。
> > XPを全体性として見ようとすれば、何らかの外部からの力、たとえば
> > 仕様変更でも、期間変更でもが通達された場合の、その組織の反応を見れば、
> > 通常のリアクションと違ってくると想像しています。たとえば、通常なら、その部分が
> > 自分の担当範囲かどうかを判断し、ほっとする人としかめっ面をする人に分かれます。
> > しかし、XPでは、どうもそういうイメージが絵になりません。これは、組織、チームの
> > 構造が、他と違っているひとつの徴だと思います。
>
> まったく,その通りと思います.ぼくの XP のイメージは,「変化
> の高速伝搬システム」です.変化の「ソース」として顧客要求を,
> 変化の「シンク」としてソースコードを捉え,その間の人間系を変
> 化の媒体と考えます.10人程度のチームで,最も高速に変更を伝搬
> させるモデルとして XP のフォーメーションを捉えています.
うん、なんとなくわかってきました。
これって、生物モデルに近いですね。
フォーメーションなんかは、生物モデルにも、
集団スポーツにも通じるとところがありますね。
#集団スポーツおいて、何人が最大参加人数なんでしょうか(^^。
> > プラクティスの見方を逆にすると面白いかもしれません。
> > まず、これらのプラクティスを実践できるような集団を構築すること。
> > そうすれば、その地となる構造も次第に構築されていくだろう、と。
> > 言いたいことは、プラクティスそのものではなく、そのプラクティスを通して、
> > ソフトウェア開発として必要な人間の構造的基盤といったものを構築して
> > いけるんじゃないかということです。
>
> これもおもしろいですね.「よいプロダクトを得る為にはよいプロ
> セスを」という思考の方向を,プロセスに最適用するとこうなる感
> じです.
最近、この辺りの区別が気になっています。
安定構造のモデルを構築でき、その構造上で何らかの有効性を証明できたとしても、
その安定モデルをいかにして、そうでない状態から構築するか、
簡単に言えばブートストラップなんですが、ソフトウェアの場合は比較的
わかりやすいですが、こと生物的な性格を持つもの、たとえば集団も含まれますが、
この場合、非常に困難な気がしています。
#もろに「卵と鶏」ですか(^^;。
> > 最近こもりがちな状態でもあり、平鍋さんの案内のおかげで、
> > いろいろと今回りで起こっていることについて考えることできました。
> > #単なる反応に過ぎないのかもしれませんが(^^!。
>
> > ありがとうございました。
>
> こちらこそ.
また、関東方面に行く機会が増えそうなんで、
そのときはよろしく、お付き合いください(^^。
-- 長谷川(hasegawa@....jp)