平鍋です.
> 長谷川@テクノポートです。
> 平鍋さん、以下のレポートを読ませてもらいました。
> お忙しい毎日を送られているようですね(^^。
長谷川さん,おひさしぶりです.
> ☆ ☆ ☆
> 「ソフトウェア工学研究会」は、太田さんのレポートを読んで、
> 全体の輪郭がわかってきました。ただ、やはりこの討論には、
> ちょっとがっかりしました。全体性を視野を入れていないというか、
> 最後には、憤慨の一歩手前まできました。
> なにがと言うと、やたら既に提唱していたとか、やっていたとか、
> アメリカが追いついてきたといった発言です。思わず、それなのに
> 誰もついてこなかったのは、何は恨まれることでもしたんですか、
> と突っ込みたくなりました。
> #だめですね、こういう否定的反応しかできないのは(^^;。
恐らく,私がしゃべった時の聴衆としては,もっとも高年齢,アカ
デミック寄り,ですので,そういう発言は覚悟していましたが,3
名くらい同じ論調だったのはびっくりでした.もちろん,それでは
ダメで,ちゃんと工学として議論しよう,という話をされた方もあ
りました.
> 要は、全体性を見ないで、要素的に一致していれば同じものと判断する
> その辺りですね。そのせいで、XPの評価も何か間違っているように思えてきます。
> 「一人でやった時のプラクティス」とは、違います。XPからチーム性や
> コミュニティ性をとれば、XPではなくなります。プラクティスは、全体の光のあたる
> 一部に過ぎません。それを支える地の領域、構造が大切だと考えています。
GoF のパターンが出た時,「ああ,こんなのは俺もやっていたよ」
という発言がやはりありましたよね.でも大切なのは,それに名前
を付けたこと,カタログ化して形式知としたこと,コミュニティを
作ったことですよね.また,XP でも大切なのは,プロジェクトで
実証したこと,終了地点でなく出発地点として提示したこと,現代
のコンテクストでアーティキュレイトしたこと,そしてコミュニ
ティを作ったこと.
あと,当日,金澤さんから XP に対する非常に現実的なコメントを頂きました.
「現代の Web システム開発では,非常にうまくいくんじゃないかしら」
さすが.ぼくが求めているのもその現実的視点です.
> XPを全体性として見ようとすれば、何らかの外部からの力、たとえば
> 仕様変更でも、期間変更でもが通達された場合の、その組織の反応を見れば、
> 通常のリアクションと違ってくると想像しています。たとえば、通常なら、その部分が
> 自分の担当範囲かどうかを判断し、ほっとする人としかめっ面をする人に分かれます。
> しかし、XPでは、どうもそういうイメージが絵になりません。これは、組織、チームの
> 構造が、他と違っているひとつの徴だと思います。
まったく,その通りと思います.ぼくの XP のイメージは,「変化
の高速伝搬システム」です.変化の「ソース」として顧客要求を,
変化の「シンク」としてソースコードを捉え,その間の人間系を変
化の媒体と考えます.10人程度のチームで,最も高速に変更を伝搬
させるモデルとして XP のフォーメーションを捉えています.
> プラクティスの見方を逆にすると面白いかもしれません。
> まず、これらのプラクティスを実践できるような集団を構築すること。
> そうすれば、その地となる構造も次第に構築されていくだろう、と。
> 言いたいことは、プラクティスそのものではなく、そのプラクティスを通して、
> ソフトウェア開発として必要な人間の構造的基盤といったものを構築して
> いけるんじゃないかということです。
これもおもしろいですね.「よいプロダクトを得る為にはよいプロ
セスを」という思考の方向を,プロセスに最適用するとこうなる感
じです.
> ☆ ☆ ☆
> 最近こもりがちな状態でもあり、平鍋さんの案内のおかげで、
> いろいろと今回りで起こっていることについて考えることできました。
> #単なる反応に過ぎないのかもしれませんが(^^!。
> ありがとうございました。
こちらこそ.
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