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Date:  Mon, 02 Jul 2001 19:42:01 +0900
From:  Kenji Hiranabe <hiranabe@....jp>
Subject:  [XP-jp:02072] Re: ソフトウェア工学研究会での XP の
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20010702194201J.hiranabe@....jp>
In-Reply-To:  Your message of "Sun, 01 Jul 2001 22:02:19 +0900"	<200107011302.AA00468@....jp>
References:  <200107011302.AA00468@....jp>
X-Mail-Count: 02072

平鍋です.

 >  佐々木@ジャステックといいます。昨日入会させていただきました。

よろしくお願いします.

>> その時の参加者の方(SRA近藤さん)のレポートです.
>> 
>> http://www26.freeweb.ne.jp/diary/kondo_hi/2001/06/ipsj.html

 > を拝見しました。私も平鍋さんの話された、

 > 「C++での開発では、依存関係に気を配らないと、継続的インテグレーションな
 > どに耐えられない」

 > については、しっかりメモさせていただきました。

経験から,特に大規模C++開発には,依存性管理が大きな鍵を握る
と思います.うっかりしていると,layer1 <-- layer2 <-- layer3 
という具合に依存関係がなっていた場合,layer1 のインターフェ
イスを触ると layer3 までコンパイルが走ってしまう,ということ
が起こります.無神経にヘッダをインクルードするとこうなります
が,これを防ぐためのテクニックは,Lakos の本を読んでくださ
い.継続的インテグレーションは,少なくとも1時間で全コンパイ
ルが終らないときついでしょう.Smalltalk ではもともと依存関係
はランタイムにしか効きませんから,やりやすいと思います.Java 
も1段階で留められます.ただし,C++ での XP については,
Robert C. Martin がいくつか記事を書いています.できないとい
うことではありません.

 >  XPについては、特にテストに引かれて、オブジェクト倶楽部からのリンクなど
 > を読ませていただいています。私のまわりでの開発ではオブジェクト指向言語を
 > 利用したものは少ないのですが、ともすれば非創造的な作業に流されてしまう、

 > ・テスト
 > ・改造

 > の局面を、XPの言うテスティングやリファクタリングの姿勢を取り入れること
 > で、楽しい(^_-)作業に戻せないかとの思いから、社内有識者とも意見交換して
 > います。もちろんこのMLももちろん私たちの貴重な情報源です。今後ともよろし
 > くお願いいたします。

まったくです.ゲーム性をうまく利用してモチベーションをキープ
していますね.Beck/Gamma の"Test Infected" を読むと,実は
プログラマは自分のコードに自信を持ちたいと思っており,Unit 
テストツールがあればテストが好きになる,と書かれています.

そして,自分でやってみると,実際そうなり,まんまとテスト中毒
になってしまう訳です.

また,

On Mon, 2 Jul 2001 10:34:27 +0900,
"Kenichiro Oota" <oota_ken@....com> said:

 > ソフトウェア工学の挑戦
 > 内容
 >  XPとオープンソース開発を踏まえた新たなソフトウェア開発方法が議論の大半を占
 > めた。

XPとオープンソースには,共に,そこへの参加者をモチベートする
回路がビルトインされたプロセスである,ということができると思
います.それは,これまでのトップダウンに定式化されたプロセス
には見つからないものだと思います.

以上
--
 (株)永和システムマネジメント   □http://www.esm.co.jp/
 情報テクノロジセクション       □mailto:hiranabe@....jp
                                □tel: 0776-25-8494
 平鍋  健児 (Kenji Hiranabe)    □fax: 0776-25-8499