平鍋です.
On Mon, 28 May 2001 08:55:56 +0900,
"Tuyoshi Ushio" <t-ushio@....com> said:
> ■総合テストに関して
> ウォータフォール型で実践するときの総合テスト
> の話になり、他のメンバーから、以下の質問が
> でて、
> Q1.各ストーリ毎の機能テストはわかったが、
> 各ストーリを複数動かさないと発生しない
> ロックなどの問題の発見はどうするのか?
> Q2.従来の総合テストのような実データの入った
> テストはどうするのか?
難しいですね.平鍋ならこんな風に答えて見ます.
A1. 機能テスト(受け入れテスト)は顧客が定義します.顧客は自分
が欲しいと思ったものが手に入るはずだ,という仮定をしないもの
です.つまり,欲しいと思ったら,それを保証できるテストを用意
します.XPでは,仕様は,「ストーリーカード」と「受け入れテス
ト」の2つで定義されます.よって,顧客が複数のテストを組み合
わせたテストが必要だと考えれば,そのテストを受け入れテストと
して定義します.
まあ,上は建前で,実際そのようなテストの必要性は開発側が気付
く場合が多いようです.また,顧客がテストを定義する,とはいっ
ても,日本での実践の場合はやはり開発側がリードしないと難しい
ケースも多いでしょう.
基本的に,顧客と開発はチームなのですから,誰かがそれが欲しい
と気付いたら,それはミーティングに持ち出さねばならず,そして
全員で解決を考えて行くのが実際的な気がします.
> A2.XPのイテレーションの終わりには物件をリリースする
> が、それは本番リリースである。
> #つまり、本番データがある状態と思われる。
は私の考えと同じです.「本番」という 5m のバーを一気に越える
のでなく,1m, 2m, 3m と越えて行きます.しかも,越えるのが開
発側だけでなく顧客からも見えることが必要です.これは1つの
「期待管理手法」と言えます.
> と答えたのですが、PJがスタートした当初から本番データ
> が開発環境に入っていることは今まで殆ど無かったですし、
> 実際に本番データをすべて想定する機能テストを書かないと
> いけないのかな?とふと疑問に思いました。
リリースの計画を顧客と共に立て,各リリースでは,顧客に「ビジ
ネス価値」を提供するようにします.少しでも使ってもらえる部分
はないか,と考えます.
以上