Index: [Article Count Order] [Thread]

Date:  Fri, 27 Apr 2001 16:02:24 +0900
From:  ichiyama ryoichi <ichiyama@....jp>
Subject:  [XP-jp:01854] Re: Kent Beck Seminar report
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <m3oftin7un.wl@....localdomain>
In-Reply-To:  <200104270144.AA00507@....jp>
References:  <012801c0cd71$8c01a350$3701a8c0@FIRO>	<200104270144.AA00507@....jp>
X-Mail-Count: 01854

平沢さん、はじめまして。市山です。

At Fri, 27 Apr 2001 10:44:40 +0900,
Akira Hirasawa wrote:
> そういう観点からすると、最初から2週間のイテレーションを回す
> という意味がよくわかりません。
> 「慎重で持続を考える」なら、最初はウォーターフォールっぽく
> 進めるべきではないでしょうか?

変化に対するメンバーが持つコスト感覚を下げる、
ということが重要だからではないでしょうか。

期間が長くなればなるほど、
自分たちが作った部分を変えるのが惜しいと感じ、
究極的には自分で見ても明らかに捨てたほうがよいと感じる場合でさえも
捨てられなくなるからだと思います。

その場かぎりで考えると捨てたらいいと感じるものは捨てられます。
ではなぜ捨てられないかというと、顧客や仲間との関係や自身の過去や
未来のことを視野に入れると「コストをかけたのに捨てる」ということが
自分にとって非常に大きな損失になりうると考えるからです。
つまり、大きな視野に立ったために逆に機会を逃すことがあります。

僕はウォーターフォールも同様の欠点を引き起こしやすいモデルだと
考えています。つまり、あたかも完全な視野で作っているかのような
錯覚を引き起こしやすいと考えます。また開発者に完全性が求められる気がし
ます(設計技法をすべて知らなくてはいけない等)。そういう意味では初めから
不完全で限定的な視野であることを前提にしている(そしてそれを意識させて
いる)XPは優れたモデルではないでしょうか。

-- 
ichiyama ryoichi
mailto:ichiyama@....jp