上手さん:
小野です。
>> Regarding [XP-jp:01460] Re: XP 変奏曲; Yutaka Kamite <y-kamite@....jp> adds:
> お疲れ様でした。早速面白く読ませていただきました。
> ところで「蒙(もう)を啓(ひら)く」が読めなかったので広辞苑で調べました。
> 「道理にくらいのを教え導く。啓蒙」。
> なるほど。
他の訳文でもそうですが、いろいろと遊んでいます :->
#ちなみに「蒙を啓く」は、「美味しんぼ」の海原雄山のセリフで知りました...
広辞苑で調べて頂いて恐縮です。まあ、大目に見てやって下さいまし。
> あと、tailoring を調整と訳されていますが、ISO9001の規格ではこの単語は修
> 整と訳しています。ご参考まで。
情報ありがとうございます。"tailor/tailoring" って、実は昔から訳出に
悩んでいた単語です。本義としては「仕立て屋が服を仕立てること」ですが、
ソフトウェア関係のことを話している文脈で「仕立て(る)」という訳語は
使えないですよね...
「修整」はいいですね。ただ「特定の目的のために、最初に裁断をする」と
いう感じが、「修整」「調整」だとちょっと弱い感じがします。技術関係
の文章だと、
[a software component] tailored to [a specific application]
e.g, "an SAP package tailored to Philip's plant management needs "
"a math library tailored to graphic applications"
と言ったコンテクストで現われることが多く、これを「調整した」「修整し
た」だとパンチが弱いな(?)、と悩んでいるところです。
# 修整・調整は、ハンドルさばきと同様、いつでも可能な感じ(like driving)。
# 「仕立て」は、最初の体型に合わせて一回だけ裁断するところを指して
# いる感じ(like configuring once)
私の周りだけかもしれませんが、ソフトウェア関係者どうしの会話で、「作り
込み」といういい方をよくしています。
例: 「小野くん、この機能って、サーバープログラムの中に作り込んじゃっ
たの?ダメじゃんフレームワーク切っておかなきゃ」「だって、時間
が無かったから」「そういう問題じゃねぇっての(蜂の頭)」
私は、これが 'tailor' に近いのかなと考えています。ソフトウェア関係の
文章で瀕出するこの 'tailor' を「作り込み」と訳したことがあります。
e.g, フィリップス社の工場管理目的のために、作り込みを行った SAP パッケージ
グラフィック・アプリケーションのために、作り込みを行った数値演算ライブラリ
みなさんの周りでは、「作り込み」って言葉、頻繁に使うでしょうか?
// Tsuyoshi ONO //
e-Communications Div, CSNC / SONY Corporation
email: ono@....jp
"In computer programming we say that a project will always run
out of time but never run out of excuses."
-- Eliyahu M. Goldratt, 'Critical Chain' p26