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Date:  Thu, 21 Dec 2000 13:29:05 +0900
From:  Hada Akihiro <Akihiro.Hada@....jp>
Subject:  [XP-jp:01378] Re: XP books Re:
To:  extremeprogramming-jp@....jp (extremeprogramming-jp ML)
Message-Id:  <4.2.0.58.J.20001221125343.02536dc0@....jp>
In-Reply-To:  <20001220053929H.ono@....jp>
References:  <Your message of "Tue, 19 Dec 2000 15:15:06 +0900" <200012190614.AA00111@....jp> <200012190614.AA00111@....jp>
Posted:  Thu, 21 Dec 2000 13:28:34 +0900
X-Mail-Count: 01378

うえださん

At 午前 05:35 00/12/20 +0900, ono@....jp wrote:
snip.
>了解しました。第三章までをとりあえず打ち込んだので、このML上で流します。

実に有り難いです。周りのメンバーが、邦訳で読み始めたので、ちょっと手にしてみ
て、
何かアクションを取らなければ、と思っていたところでした。

>番号:11-2
>訳文:利益率(利率)
>原文:interest rates
>コメント:プロジェクトの価値を測るには、機会費用を考慮する必要がある。資金
>をプロジェクトに投資しないで、他の投資対象(債権)に振り向けたり、また>貯金
>したりした場合は、その額に見合った金利が付く。interest rates
>が指しているのはその率のことであり、決してプロジェクトの「利益率」のことで
>はない。
>試訳:金利
訳は"金利"が適当と思いますが、コメントについて、ちょっと疑問があります。

多分、割引率を問題にしているのだと思います。
オプションの世界では、割引率としてリスク・フリー・レートを適用するので、リス
ク・フリー・レート即ち金利と言っていると思います。
なぜ、リスク・フリー・レートを適用するかですが、
馬目さんが触れられていた、金融オプションの世界と同様に、
変化を抱擁している(ボラティリティをキャッシュ・フロー計算モデルに組み込んで
いる)ので、
割引率にはリスクを加味しない、ということのようです。
非オプション(従来の規模の経済を狙い、変化を恐れる意思決定法)の場合、リスク
の計算方法として、
機会コスト(WACC:Weighted Average Cost of Change)を計算します。
ので、"コメント"の表現が気になりました。如何でしょう。

Diamond Harvard Business(AUG-SEP,2000) の
"オプション理論が高める経営の柔軟性"
"リアル・オプションが経営戦略を変える"
などは、オプション理論の分かりやすい解説だと思います(日本語です^^)。
まさに、xp の世界で、経営者のほうが、xp を素直に読めるのでは?とさえ思えます。

>番号:11-3
>訳文:遅く支払い、早く稼ぐ。使用した経費に対する利子を減らし、稼いだ売上げ
>に対する利子を上げる。
>原文:Spending later and earning sooner, so we pay less interest on the
>money we spend and we earn moer interest on the money we receive.
>コメント:誤訳ではないが、「使用した」「稼いだ」と完了形で述べると分かりに
>くいのでは。
>試訳:儲けを先に得て、支払いを後にする戦略。支出額に対する利払いを減らし、
>収入額に対する利息分を増やす効果がある。
最初の文は、元の訳文の方が近いと思いますが、如何でしょう。
私訳:稼ぎは早めて、支払いは遅らせる。

A 社から発注されたものの一部を、B 社に一部委託した場合で言えば、
A 社からなるべく早く金を貰い、B 社にはなるべく遅く支払うのが、
キャッシュフロー改善の常道策の一つで、それを指していると思いますので。
ボーナスの支払日を遅らせるとかも、この応用ですね。

はだ