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Date:  Tue, 19 Dec 2000 12:43:12 +0900
From:  firo <firo@....jp>
Subject:  [XP-jp:01355] Re: XP 所感
To:  extremeprogramming-jp@....jp (extremeprogramming-jp ML)
Message-Id:  <3A3ED9A2.3DAEA9F6@....jp>
References:  <001a01c0690c$6f081aa0$0300a8c0@vaio>
Posted:  Tue, 19 Dec 2000 12:44:35 +0900
X-Mail-Count: 01355

矢崎です。

Akio Kawaiさん wrote:

> 最初に興味をいだいたのは"Embrace Change"という
> かなりインパクトのある旗印です。
> 「変化ヲ抱擁セヨ」という訳もまたいいですね。
> #平鍋さんの訳でしょうか?
>

これは平鍋さんの訳ですね。私もいい訳だと思います。

>
> ■『プログラマの復権』
>
> XPの目指すところはどうやら『プログラマの復権』の
>

私も、確かに「プログラマの復権」と思いますが、しかし
新しいプログラマ像としての、という断り書きをつけるかも
しれません。

つまり、アナリスト、デザイナ、プログラマという役割分担
があることを前提としてのプログラマの復権ではなくて、
アナリストでもあり、デザイナでもある、プログラマとしての
復権です。

逆にいえば、アナリストが、デザインもできるし、コードも
書くぞ!ということで、アナリストの鍛えなおし、のケース
もあるかもしれません(私なんか、どちらかといえば、こっち
のケース。。)

さらにいえばプログラミング言語の復権でしょうか?つまり、
単なるコンピュータを動かすための言語という位置付けでは
なくて、それを使って考える、設計する、コミュニケートする
ための言語、としてプログラミング言語を位置付けなおす。
#Thinking in C++って、本が確かありましたよね。読んでいない
ので内容は知りませんが。。。タイトルは好きです。
Thinking in Java...


> ようですね。ソフトウェア工学の進歩、構造化分析設計、
> DOA、OOA/D等上流工程に開発の比重が移り、
> 上流工程がきちんとできればプログラミングも
> きちんとできる−と考えられてきました。
>

私は、上流と下流が分かれていたのは、ある種時代の
必然だったとも思っています。極端にいえば、アセンブラ
の時代に自然言語によるドキュメントがなくてよかったか
というと、そうは思いません。その時代にはプログラムとは
別の *人間にやさしい* ドキュメントが必要だったと思う
のです。しかし、時は流れプログラミング言語は高水準化
し、自然言語を使わなければならない理由がだんだん
減ってきているのではないでしょうか?それでも使わなければ
ならないのは、顧客がプログラミング言語を読めないとか、
標準化がそうなっているからとか、本質的でない理由から
だと思います。

>
> ■『人間中心』
>
> システム開発においては開発要員を単なる人月の1単位
> として取り扱い、人間疎外につながっている場合が多い
> ように感じます。XPはそこから人間性を取り戻す運動
> であるように感じます。
>

そうですね。私もこの点が好きです。人間性を取り戻し、楽しく
仕事をする。

最近この点に関して思うのは、Simpleというのはあまり考えなく
てもいいのでは、、、ということです。
ひとりよがりのきたない複雑なコードになるのは駄目だと思い
ますが、だれもが納得できるような、ちょっと工夫のあるコード
は、ありなのではと、、やっぱり、パターンを使って、切れのよい
コードを書くのは(たとえその時点でまだ再利用が必要でない
としても)、書いていて楽しいですよね。


--
矢崎博英  firo@....jp