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Date:  Mon, 16 May 2005 17:41:32 +0900
From:  "Kei Sugimoto" <keis@....jp>
Subject:  [modeling-dojo:00406] Re: 32番リベンジモデル公開
To:  <modeling-dojo@....jp>
Message-Id:  <002a01c559f3$102ce5b0$0200a8c0@SOTECNOTE>
References:  <200505151345.j4FDjjRH017821@....jp>
X-Mail-Count: 00406

清野さん、

杉本です。

余計かも知れませんが、少しコメントさせてください。

>実際の世界では、品物が一点づつ返却されることだけではないと思います。
>「1回の預かりで受け取った複数の品物を同時に返却する」、
>「複数の預かりで別々に受け取った複数の品物を同時に返却する」、
>など様々なパターンがありそうです。
>「現実世界」を忠実に表現すると、返却は複数の品物を持つ
>1(返却)対多(品物)の構造となります。
>
>ところが、実際のシステム運用の場面では、
>「個別の品物(預かり伝票など)に返却の印をつけるだけにしたい」、
>という要求だったとします。
>(要求に依存しますので、1対1となるように勝手に設定します。)
>「システム」では1(品物)対1(返却)の構造となります。
>#SadManさんのご指摘の通りで、単なる状態の変更ですね。
>
>つまり、「現実世界」と「システム」で乖離が発生することになります。


これは、「『現実世界』と『システム』で乖離が発生」しているのではなくて、
ひとつの現実に対して2つのモデルがありうる、ということではないでしょうか。
「正しいか誤っているか」であれば、両方とも正しいように私には見えます。

だから、ここでの判断基準は正誤ではなく、ビジネスにヨリ大きな価値を提供
できるのはどちらかとか、価値が同じなら必要最小限なのはどちらか、
といったことになると考えます。

「実際のシステム運用の場面では、『個別の品物(預かり伝票など)に返却の
印をつけるだけにしたい』」という表明が、「返却」エンティティを設けても
価値がさほど増えない、ということを暗に意味しているのであれば、
この場合は、「返却」エンティティを設けない案の方が適切だ(「正しい」のではな
く)
ということなんだと思います。

「モデル」は「現実」のひとつの側面のあらっぽい写像なので、モデルから
抜け落ちる情報はかならずある筈です。むしろたぶん、うまく情報を削ることに
よってこそ、「ごちゃごちゃした現実を抽象化し、本質にせまる」という、
モデル作成のそもそもの目的にかなう結果がだせるのではないでしょうか。

ただ、情報を削ったり抽象化するにあたっては、ファクトを十分に収集し、
理解し、また、出来上がったモデルをファクトに照らして検証しなければ、
誤った方向に行ってしまいます。
そうした意味で、私はファクトにこだわりつづける清野さんのアプローチに
好感を持っています。


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杉本 啓
有限会社 ウォーターマーク・アプリケーションズ
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