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Date:  Fri, 04 Feb 2005 21:59:23 +0900
From:  kiminobu-kodama@....jp (児玉公信)
Subject:  [modeling-dojo:00076] Re: 前回の黒帯稽古の投稿
To:  modeling-dojo@....jp
Message-Id:  <200502041259.AA01136@....jp>
In-Reply-To:  <42031B342BF.E558YUTAKA@....jp>
References:  <42031B342BF.E558YUTAKA@....jp>
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 こんにちは,児玉@(株)エクサです。

岩上さん,

 「[modeling-dojo:00074] Re: 前回の黒帯稽古の投稿」のお返事させていただきます。

   >ちょうどアナリシスパターンの勉強をしていた頃でしたので
   >「シチュエーション」を知識レベル、キツネとブドウ&レモ
   >ンを結びつける「味覚」を操作レベルとして表現できないか
   >なと思ったのが今回のきっかけでした。「それらのオブジェ
   >クトがどのようなルールによってリンクされたのか」を決定
   >づける責務を「シチュエーション」に持たせるようにうまく
   >表現できれば(今回のお題の回答としてではなく 「シチュエ
   >ーション」に注目したモデルとしては) 良いと考えてよろし
   >いのでしょうか?

 オブジェクト生成に関わるルールは,知識レベルのオブジェ
クトで記述するというのが,アナパタの基本です。なのでシチ
ュエーションの考え方はよいと思いますが,なんでもシチュエ
ーションとして汎化してしまうと,なんでもそれにおさまって
しまいませんか。

 概念レベルのモデルの目的は,対象世界の解釈の共有なので,
汎化は理解できる程度にとどめておかないと。

 かく言う私も,なんでも汎化して,「もの」「こと」「量」
からなるモデルを書いたことがあります。これで世界が書ける
んだと。そりゃ書けますけどね。メタモデルだから。
 でも,これでは使えないんですね。

 汎化するなら制約を,制約を書かないのなら具体的な概念を。 

   >責任関係パターンの解説に良く出てくる「パーティ」として
   >汎化してしまうと組織階層上の制約が消えてしまうといった
   >ようなケースですね。

 はい,そうです。

   >ちなみに、汎化した結果として制約が必要になるようなケースにおいて
   >モデル安定性を重視し、知識レベルに相当するような階層を設けて表現
   >する選択と制約を書き加える選択のいずれを取るかはケースバイケース
   >と理解していますが、何かしらの基本的な指針などはあるのでしょうか?

 いえ,必要に応じてですよ。どっちをとるかとか,トレードオフ
とかではなくて。そういう意味では,ケースバイケースです。
 でも,知識レベルは至るところにありますし,知識レベルと操作
レベルは相対的な関係です。

 話を「ぶどう」に戻すと,「甘いぶどうは快感である」とか「す
っぱいぶどうは不快である」という知識は知識レベルとして表現す
ることになるのでしょうね。一方,現実に存在する「ぶどう」や
「そのときの気持ち」は操作レベルになります。

 「きつね」本人はモデルの所有者なので,モデルには出てきませ
ん。

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児玉公信@(株)エクサ
   エンタープライズソリューション事業部SPBOMソリューション部
 兼 技術部
 kiminobu-kodama@....jp kodamak@....org
         児玉流メール道 家元