Date:  Wed, 09 Mar 2005 12:31:00 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2005-09号】

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                          No.84 2005/03/09

■ I N D E X
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┣【Topics】モデリングコンテスト第2回開催決定!
┣【PF】朝会ガイド[3]
┣【XP】継続的結合 再入門[4]
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

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 〇  モデリングコンテスト第2回開催決定!
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大盛況に終わりましたモデリングコンテストですが、早くも3月16日に第2回を
開催することが決定しました。詳細はまだ調整中ですが、第1回以上に楽しめる
企画になるよう頑張っています。実施については、モデリング道場メーリング
リストで追っておしらせします。
http://www.ObjectClub.jp/community/modeling/

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┗【PF】朝会ガイド[3]

今回は、全員が気を付けるポイントについて書きます。特に、リズムよく朝会
を行なうことが一番重要です。

・定時刻
開始時刻をチームで決めます。朝9:00とか10:00とかが一般的です。会社によっ
てはフレックス制度との関係で、なかなか全員が集まる時間が定めにくい場合
もあります。その場合は、(あくまで例外ですが)昼会にしたり、夕会にした
りすることもあります。とにかく、「リズム」の原則にあるように、時間を定
めることがチームのハートビートづくりに重要です。場所と開始時刻を決めた
ら、その場所に「毎朝9時に朝会開始!」と書いて張り出すのが分かりやすい方
法です。

・短時間
原則として、15分を時間の目安とします。この程度の短時間であれば、気軽に
始めることができますし、忙しいときでもチームへの負荷的な影響も少ないで
しょう。チームによっては20分というのもありますし、たまに時間オーバーと
いうのはOKですが、常時30分を超えるようではいけません。短くおさめるため
に、全員話すことを事前に考えて参加しましょう。

・定位置
朝会は、毎回同じ場所で行うようにします。場所と時間を決めてしまえば、事
前通知は不要となり、朝会がチームのリズムになります。もっともよい場所は、
チームの進捗が張り出されている場所です。進捗の貼りだし方については、
「バーンダウンチャート」 や「かんばん」 を参考にしてください。「スケ
ジュール表」やよく使う「ホワイトボード」の前でもかまいません。

・3点のみ
各自が話すことは、「昨日やったこと」、「今日やること」、「問題点」の3点
のみが基本です。昨日やったことなどを忘れている場合があります。朝会に出
席するまえに、簡単なメモを各自書いて参加するとよいでしょう。今日やるこ
とが不明な場合、その旨をリーダーに告げます。

・立ったままで
朝会は、別名「スタンドアップミーティング」と呼ばれます。短時間におさめ
るために、そして、全員のテンションを上げるために、立ったままで行ないま
す。

・挨拶
開始時は、リーダーの「おはようございます」の挨拶で始まり、終了時は、リー
ダーの「では、今日もよろしくお願いします」で終わります。挨拶には、全員
で返事をしましょう。挨拶によって全員が「朝会モード」に入り、挨拶によっ
て「朝会モード」から出ます。特に、いつ終わったのかが分からないような、
三々五々解散のようにしてはいけません。かならず挨拶の合図で解散とします。

・大きな声でテンポよく
全員にはっきり聞こえる大きな声で話すようにします(リーダーは小さな声の
人には大きな声で話すように伝える必要があります)。朝会のムードとテンショ
ン作りのためにも、時間短縮のためにも、大きな声で、テンポよく、早口で話
すくらいをお勧めします。

・輪になって
チームは、全員の顔が見えるように、輪になって並びます。朝、全員の顔を見
ることが重要です。開始前の待ち時間に「昨日、飲みすぎたな」などと冗談を
言い合う雰囲気をつくることができます。(平鍋)
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┗【XP】継続的結合 再入門[4]

■ CIツールの話

前回までの連載では、継続的結合(Continuous Integration、略してCI)という
作業それ自体の説明や、なぜ継続的結合が必要なのか、どのような種類がある
のか、というWhat、Whyを中心に進めてきました。今回からは実際にツールを用
いてCIを行うためのHowについて話を進めてゆきます。

ここでは、AntやCronなどの単体のツールを組合せて実現するケースは除き、CI
を目的として開発されたツールを対象として話を進めます(以降CIツールと呼ぶ)。
まず手始めに、CIツールが最低限備えているべき機能として次の3点を挙げてみ
ます。

・ソフトウェア構成管理ツールとの連携

ソフトウェア構成管理ツール(CVSやSubversion、VSSなどの、Software 
Configuration Management(SCM))と連動して最新ソースの取得や、変更判断な
どを行います。

・結合の自動実行

指定したスケジュールに基づき自動的に結合を実行します。決められた時間に
実行するスケジュールビルドや、ソフトウェア構成管理リポジトリの変更をト
リガーにして結合を開始するトリガービルドがあります。

・ビルドレポート

結合の結果をビルドレポートとして作成します。レポートの内容は、結合の成
功、失敗、失敗箇所の情報などです。もっとも基本的なレポートはWebベースに
なります。その他に、メールやシステムトレイを利用した通知などの方法もあ
ります。

ここまで挙げた3つの機能は、Javaの開発でいうところの一般的に使われてい
る組合せ(Ant+スケジューラ)でもある程度実現することは可能です。ただし、
実際に環境を整えたり、運用していく上で、専用のCIツールのほうが柔軟性に
富み使いやすくなっています。

■ CIツール群

日本では残念ながら、CIツールについての情報がほとんどといっていいほど存
在しません。一部の書籍で解説がある程度です。 [1] しかし海外では様々なCI
ツールが開発され、オープンソースで公開されています。CIツールのひとつで
ある、DamageControl [2] のWikiには、現在存在するCIツールの一覧及び機能
の比較表が掲載されています。 [3] この比較表では、先に挙げたCIツールとし
ての条件の他にも、セキュリティや複数プロジェクトへの対応、他のツールと
の連携などの観点から多角的な評価、比較がなされています。

■ 注目するCIツール

本連載では、 CruiseControl [4] とDamageControlについて注目し、次回以降
で取り上げます。CruiseControlは以前の連載の中でも紹介しましたが、Martin
Fowler氏の論文 「Continuous Integration」の中で取り上げられている、恐ら
く世界初のCIツールです。最近では、様々なデバイスとのやりとりで結合の失
敗を即座に通知する eXtreme Feedback Device (XFD) との連携でも注目されて
います。CruiseControl.NETなどの派生プロダクトも開発され、老舗ならではの
知名度を誇っています。

一方、DamageControlは多くのCIツールがJavaをベースに開発されている中で、
Ruby [5] で開発されている一風変ったプロダクトです。DamageControlはイン
ストーラで簡単にインストールできる点や、Webサーバ同梱 [6] のため、他の
環境が必要いらない、Webベースの設定画面を備えている、などの後発ゆえの特
徴を備えています。

両プロダクトともに、Martin Fowler氏の所属するThoughtWorksが開発元である
ことも特徴の一つだと言えます。

■ 今回のまとめと次回予告

今回はCIを実現するために使用できるCIツールの紹介として、CruiseControlと
DamageControlに特に注目して概要を説明しました。次回はCruiseControlの導
入と利用について解説する予定です。(懸田)
 
[1] http://amazon.co.jp/o/ASIN/4797325720/xp-jp22
[2] http://damagecontrol.codehaus.org/
[3] http://docs.codehaus.org/display/DAMAGECONTROL/Continuous+Integration+Server+Feature+Matrix
[4] http://cruisecontrol.sourceforge.net/
[5] メルマガにも連載されているあのRubyです
[6] WEBRickというRuby製のHTTPサーバが含まれています
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「モデリングしてますか?」のホントのところ。第2回のモデリングコン
テストもいよいよ開催決定。ところでみなさん、モデリングしてますか?

  業務でバリバリやってます。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol51/PlonePopoll_vote2?choice=0
  業務でたまにやってます。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol51/PlonePopoll_vote2?choice=1
  趣味でやってます。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol51/PlonePopoll_vote2?choice=2
  ちょっとだけ勉強したことがあります。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol51/PlonePopoll_vote2?choice=3
  興味はあるけどわかりません。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol51/PlonePopoll_vote2?choice=4
  まったく興味なし。。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol51/PlonePopoll_vote2?choice=5
  それは秘密です。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol51/PlonePopoll_vote2?choice=6
  ちょっと語らせて!
     editors@ObjectClub.jp まで詳細を!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「ひな祭りになにかしますか?」の結果は公開中。是非ご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru
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┗編集後記

こんにちは、編集人です。「気になるシステム業界 ホントのところ」のアン
ケートが50回を突破しました。過去のアンケートを振り返ってみて、実にいろ
いろなことを質問してきたなぁと感慨深いです。アンケートにご協力してくだ
さった皆さん、質問を提案してくださった皆さん、ありがとうございました。
今回からは、アンケートのしくみを変更しての登場です。これからも、ご協力
お願いします。

今週の強引な一言
*** 幸福な家庭はみな似たようなものだが、
    不幸な家庭はさまざまに不幸である(トルストイ)***
不幸なプロジェクトもさまざまに不幸です。画一的なやりかたではプロジェク
トを立て直せません。臨機応変に、そして問題をきちんと見極めて対策を考え
ましょう。 
(さとみ)

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■ 編集代表:平鍋  健児
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