Date:  Wed, 04 Aug 2004 12:47:56 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2004-28 号】

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                          No.56 2004/08/04

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┣【Topics】ロボ・キャンプ開催のお知らせ
┣【見積もり手法】実践!ソフトウェアの見積もり手法[2]
┣【ツール】Mavenではじめるプロジェクトドライブ - 番外編
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

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 〇 ロボ・キャンプ開催のお知らせ 
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今年もロボ・キャンプを開催しています。ロボ・キャンプではレゴ・マインド
ストームを使って、ロボット作りとプログラミングを体験できます。8月のロボ・
キャンプはいずれも小・中学生対象です。興味のある方、お子さんと一緒にい
かがですか?

■ロボ・キャンプin大阪
8月7日(土) 大阪科学技術センター

■ロボ・キャンプin金沢
8月11日(水) 石川県立工業高等学校

■ロボ・キャンプin新潟
8月21日(土) 新潟市立小針中学校
8月22日(日) シティーホールジョーナイチョー

■ロボ・キャンプin科学技術館
8月28日(土),29日(日)
科学技術館(東京都千代田区北の丸公園)
・主催:WRO Japan実行委員会 
・共催:株式会社永和システムマネジメント 

詳しくはこちら⇒http://with.esm.co.jp

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┗【見積もり手法】実践!ソフトウェアの見積もり手法[2]

見積もりの重要性について知ろう!

ソフトウェアの見積もりには「開発規模」、「開発工数」および「金額」があ
りますが、本連載では、開発規模および開発工数の一般的な見積もりにフォー
カスした話題を扱うことにします。

筆者や読者の方々がいるIT業界には、見積もりに関して「厳密にやっても意味
がない」、「PMがうまくやってくれれば済むこと」という意識がいまだに根強
く残っているように思えます。経験豊かなPMが「だいたいこんなもんだろう」
と開発規模や開発工数の見積もりを行い、プロジェクト上のリスク分を上乗せ
してお客様に提示するというのが、実態ではないでしょうか。

一昔前によく言われた、プロジェクトマネジメント=KKD(勘、経験、度胸)
という考えで見積もりをやっているときは、見積もりにそれほど精度を求めて
も意味のないことでした。つまり、見積もり作業はお客様に対して“開発費用
の根拠を示す”ための作業にすぎないからです。
しかしながら、プロジェクトマネージャにプロジェクトの成功要因を尋ねると、
必ずと言ってよいほど挙がってくるのが「見積もりの精度」なのです。これは
一方で、従来の“KKD”のプロジェクトマネジメントを卒業し、モダンプロジェ
クトマネジメント(*1)の導入が進んでいることの表われと言えます。

   ☆   ☆   ☆

(*1)モダンプロジェクトマネジメント
開発チームに与えられた目標を達成するために、人材・資金・設備・物資・ス
ケジュールなどの様々な観点からバランスよくプロジェクトを調整・管理しな
がら、プロジェクトを把握し推進していく手法です。従来型の「QCD」(品質・
コスト・納期)の3つに着目したマネジメント手法と区別されています。
現在、モダンプロジェクトマネジメントのデファクトスタンダードとなりつつ
あるのが、アメリカの非営利団体PMI(Project Management Institute)が
「PMBOK(ピンボック)」としてまとめた知識体系です。

※「PMBOK」については、メルマガ50号参照
http://www.ObjectClub.jp/ml-arch/magazine/53.html

   ☆   ☆   ☆

モダンプロジェクトマネジメントでは、まず計画を策定し、その計画を基準に
してプロジェクトを推進していきます。ここでの計画とは、詳細な開発作業、
予算およびスケジュールなどを規定したものとします。もし計画と実績との間
でズレが生じた場合は、計画を是正(修正)して新しい計画のもとでプロジェ
クトを進めていきます。
つまり、プロジェクトの中核には常に計画があるのです。そして、計画の質は
見積もりの精度で決まってくるのです。いくら計画に従いプロジェクトを推進
しようとしても、見積もりの精度が低くければ計画の質が悪くなり、計画とし
ての意味がなくなるわけです。また反対に、見積もりの精度が高ければ、計画
の質も良くなり、プロジェクトをコントロールしやすくなり、プロジェクトを
成功に導く可能性がより高くなります。

見積もりの重要性について理解いただけたでしょうか。モダンプロジェクトマ
ネジメントにおける見積もりの精度は、開発作業計画、工数・スケジュール計
画、予算計画など計画プロセスと、進捗管理、計画変更管理などのコントロー
ルプロセスの質を決定する重要な役割を持っているのです。

次回以降から、いよいよ「見積もり手法」のご紹介をしていきます。「ファン
クションポイント法」「デルファイ法」「COCOMO(COnstructive COst MOdel)」
「WBSによるボトムアップ見積もり法」「ユースケースポイント法」を中心に
ご紹介する予定です。(中村)

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┗【ツール】Mavenではじめるプロジェクトドライブ - 番外編

Mavenではじめるプロジェクトドライブ - 番外編 Maven-1.0リリース!

■今回の内容

第4回の連載の後から今日までで、Mavenは2回のリリースを行いました。そし
てついに待望のバージョン1.0の正式リリースがありました!今回は番外編と
して、Maven-1.0についての記事に急遽変更しました。

■ Maven-1.0の変更点

Maven-1.0の変更点についてリリースノートを元に紹介しますが、本連載では
1.0-rc3を対象としていたため、それ以降の変更点を記述します。なお、Maven
のリリースに関して日本語の記事がありますので参考にしてください。
( 本家リリースノート *[1] 、ITMedia *[2] )

1.0-rc3 -> 1.0-rc4

・ リモートリポジトリへのNTLM認証がサポートされました。NTLM認証は
 WindowsNT系のOSで利用できる認証方式です。プロキシを利用する際に使
 用します。 *[3]
・ ローカルプラグインの読み込みが、maven.plugin.upnacked.dirではなく、
 maven.plugin.user.dirから行われるようになりました。
・ リモートリポジトリからのhttpダウンロードの際にcommons-httpclient
 を使用するようになりました。
・ deployプラグインは artifactプラグインに統合されました。
・ artifactプラグインは全ての成果物の配備に使用されています。複数の
 リポジトリの登録が可能になりました。
・ 高圧縮率を誇るrar形式を扱うRARプラグインが追加されました。

1.0-rc4 -> 1.0

・ ビルドやプラグインで便利に使えるJelly XMLタグライブラリが同梱され
 ました。
・ Jarファイルのダウンロード時の進捗表示が変更されました。
・ 最新のプラグインがリリースに含まれました。

■過去ML記事のWeb化

本連載の過去のML記事(Vol.1〜3)をオブジェクト倶楽部のサイトにWeb化しま
した。今後の連載は全てWebベースで進めますので今後ともよろしくお願い致
します。
http://www.objectclub.jp/technicaldoc/tools/maven/maven_top/

■今回のまとめと次回予告

Maven-1.0のリリースを記念して1.0の特集をしました。次回は当初の予定を
変更して、Mavenの重要な機能の1つであるマルチプロジェクトについて解説
します。その他のサイトレポートプラグインについては回を改めて紹介する
予定です。(懸田)

[1] : 本家リリースノート - http://maven.apache.org/start/release-notes-1.0.html

[2] : ITMedia - http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0407/16/news057.html

[3] : http://www.cool-r32.com/myserver/tips03.html

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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「アテネオリンピック、どうやって楽しみますか?」のホントのところ。

スポーツとは程遠い生活をしている方も多かったりするのではないかとも思う
のですが、もうすぐオリンピックが始まります。みなさんにとってのオリンピッ
クとは??投票お待ちしております。

寝不足覚悟で応援します!
  http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+21+0
注目の対戦だけはチェックする予定です。
  http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+21+1
時間があえばTVで見るかも。
  http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+21+2
ニュースで結果さえ分かればいいかな。
  http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+21+3
興味なし。
  http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+21+4
今年ってオリンピックだったんだー。しらなかったぁ。
  http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+21+5
それは秘密です。
  http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+21+6
ちょっと語らせて!
  editors@ObjectClub.jp まで詳細を!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「ひと月あたり、何冊の技術書を読んでいますか?」の結果は公開
中。是非ご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru
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┗編集後記

こんにちは、編集人です。
8月になりました。昨日のアジアカップ、すごかったですねー。試合は見れな
かった方、興味がない方も、すごかったんですって!!そして、いよいよオリ
ンピックですね。アテネとの時差はマイナス6時間だということですよ。アン
ケートにも、ご協力お願いしますね。

「オブジェクト倶楽部カレンダー」9月の電子データを公開します。9月の挿絵
のテーマは「19のプラクティス」です。なお、10月のカレンダーは、9月最初
のメルマガ発行日に公開予定です。お楽しみに。
http://www.ObjectClub.jp/special/

今週の強引な一言
*** 空き樽は音が高い(ことわざ)***
声の大きい人の一声で設計が決まってしまうこともありますが、もっとよい意
見を持っている人がいるかもしれません。意見をいってくれない人からも意見
を引き出すことも考えて見ましょう。
(めぐみ)

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● ご意見、ご感想は         ⇒このメールに返信ください
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〇 免責事項、過去の記事は   ⇒http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/
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■ 編集代表:平鍋  健児
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