Date:  Wed, 16 Jun 2004 12:31:56 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2004-21 号】

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                           No.49 2004/06/16
 
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 ┣【Topics】納涼イベント参加者、好評受付中です。
 ┣【PM】プロジェクトマネジメント入門[14]
 ┣【書評】新着書籍!「なぜオブジェクト指向でつくるのか」
 ┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
 
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  〇  納涼イベント参加者、好評受付中です。
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 7月9日(金)に開催します、オブジェクト倶楽部納涼イベント!遂に開催まで1ヶ
 月を切りました。参加受付してくださった皆さん、ありがとうございます。参
 加を迷ってる皆さん、絶対に損はさせません。積極的にこのイベントに参加し
 てみませんか。参加後には、実践的なオブジェクト指向とは何か、きっと皆さ
 んの中で新たな知識が芽生えているはずです。イベント事務局では、オリジナ
 ルグッズの作成に向けて大忙し。こちらもご期待ください。
 詳細はこちら:http://www.ObjectClub.jp/event/2004summer
  
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 ┗【PM】プロジェクトマネジメント入門[14]
 
 今回のお話しは、前回に引き続き「リスクマネジメント」についてです。
 
 プロジェクトの計画段階で、プロジェクトに対するリスクについて検討する必
 要があります。繰り返しになりますが、このリスクへの対応でプロジェクトの
 成否を決めることとなります。更に、これは筆者の考えですが、このリスクに
 対する検討は、計画段階以降のプロジェクト実施段階でも定期的に検討した方
 がいいと思います。計画段階で検討した内容がプロジェクトの進捗に伴い、内・
 外的要因が変化し「発生確率」や「影響度」が変化すると思われますし、一番
 は、プロジェクト実施段階に入ると日々の作業に終われ、リスクに対する備え
 が疎かになってしまいます。プロジェクトのメンバーにリスクに対する備えを
 喚起する意味もあります。「天災は忘れたころにやって来る」「備えあれば憂
 いなし」ということわざはこれらを表していると思います。
  
 前置きが長くなりましたが、今回はリスクに備える方法についてお話します。
 基本的には、プロジェクト計画の段階で「リスク分析」を行います。その後、
 プロジェクト実施段階で「リスク事象を見極め」、その「リスク事象の対策」
 を取ります。
 
 ではまず、「リスク分析」についてお話します。このリスク分析には、3段階
 のステップがあります。はじめに、「リスク事象の洗い出し」、次に「リスク
 事象の原因と評価」、最後に「リスク事象の対策」を行います。
 
 「リスク事象の洗い出し」は、プロジェクトでどのようなリスク事象があるか
 をスケジュール、リソース(人・物・金)、スコープ、品質などの観点から洗
 い出します。しかし、洗い出せと言われてもそう簡単に洗い出せるものではな
 く、苦労するのは確かです。そのため、今までの類似したプロジェクトで洗い
 出したリスク事象や経験を参考にプロジェクトの特性から追加もしくは、削除
 する方法もあります。
 
 続いて、この洗い出したリスク事象に対して、それぞれ「リスク事象の原因と
 評価」、「リスク事象の対策」を行っていくことになります。
 
 これらの説明に関しては、次回にしたいと思います。(事務局長)
 
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 ┗【書評】新着紹介!「なぜオブジェクト指向でつくるのか」
 
 ● 書名: なぜオブジェクト指向でつくるのか
 ―知っておきたいプログラミング、UML、設計の基礎知識―
 ● 著者名: 平澤 章
 ● 発行: 日経BP
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822281957/xp-jp22/
 
 久しぶりの新着紹介です。
 
 オブジェクト指向を学び、実践していく過程で、誰もが突き当たる壁がありま
 す。最初に「くだもの」や「動物」の話から始まり、オブジェクト指向が現実
 世界をうまく表現できる、という話を聞き、いったんは納得します。しかし、
 どうもすんなり頭に入らない、なんだかこじつけのような気がする、すぐに使
 える感じがしない、現実の自分のプロジェクトには関係ないように思える…。
 こんな感想を持ったことはありませんか?大丈夫です。そう感じるあなたは極
 めて正常。実は、過去にオブジェクト指向を聞きかじった人は、みんなそう思っ
 てきました。これが原因で、「オブジェクト指向なんて使えない」と結論付け、
 そこから遠のいてしまった人もたくさんいます。このような現象は、オブジェ
 クト指向を学ぶ側に問題があるのではありません。実際は、オブジェクト指向
 を伝えるやり方の問題、教える側の問題なのです。
 
 本書は、オブジェクト指向の技術書の中でこれまで曖昧にされてきた、あるい
 はうまく説明されてこなかった部分に焦点を当てています。
 
 「オブジェクト指向は、実際何がうれしいの?」
 「どうして、オブジェクト指向を使うの?」
 「オブジェクト指向は、誰の役にたつの?」
 
 そして、
 
 「オブジェクト指向って、いったい何なの?」
 
 こういった視点は、過去の理論一辺倒のオブジェクト技術書や、逆に読みやす
 さばかりを求めて直感的な説明に終始している入門書にはなかったものです。
 本書は、これまでのオブジェクト指向本が偏っていた「理論の視点」と「直感
 の視点」、この2つの視点のギャップを論理的かつ現実的な第3の視点で埋め
 ようとしています。すでに、オブジェクト指向は理想論でもおとぎばなしでも
 なく、現場の実践的な考え方です。このギャップを埋めない限り、「使えるオ
 ブジェクト指向」にはならないのです。
 
 その鍵は、ソフトウェアの歴史と大きな関係があります。本書では、オブジェ
 クト指向という考え方が、どのようにしてソフトウェア開発という大きな活動
 領域で必須の考え方になってきたのか、という歴史を踏まえて解説しています。
 プログラミング言語の一技術に過ぎなかった思想が、設計活動に影響を与え、
 さらに分析活動に波及し、そして、ソフトウェア開発の全体をカバーする開発
 プロセスにまで発展していった過程です。現在の「オブジェクト指向」という
 言葉の全体像は、このような歴史の集大成として理解するのが最もよい方法だ
 と思います。
 
 著者である平澤さんとは、私がオブジェクト指向を学ぶ過程で多くの密度の高
 い会話を共にし、価値観を共有しました。特に、オブジェクト指向設計を「パ
 ターン」という形に結晶化して自分の経験を表現・再利用していく活動におい
 て、お互いのパターンをレビューしあったことは重要で楽しい経験でした。さ
 らに、解決しようとする現実の問題を、うまく理解できる形に整理、表現する
 ために「モデリング」が重要であること、そして、どんなに難しいプロジェク
 トであっても、人と人とのコミュニケーションを重視するプロセスが重要であ
 ることを、平澤さんから教わりました。平澤さんが常にキープしているのは、
 「現実的に使えるか」という視点です。本書の随所にうかがえるのは、かっこ
 よい技術用語や魅惑的な甘い言葉よりも、それが実際に使えるのか、そして、
 それはなぜなのか、という現実的な評価なのです
 
 最後に、私自身、この「なぜ?」シリーズのファンなのです。一見、本書は入
 門書のようですが、実は中級者から上級者にとっても大きな示唆を含んでいま
 す。本書を理解することで、JavaやUMLといったオブジェクト指向の一時のかっ
 こよい「うわべ」から、ちょっと泥臭い「ほんとのところ」のところにたどり
 着けるはずです。うわべの理解では、現実の問題解決の役にはほとんど立たな
 いでしょう。あなたもぜひ、本書を読み進め、足腰の強いエンジニアへと自ら
 の一歩を踏み出しましょう。
 
 なお、本書の内容は、7月9日の「オブジェクト倶楽部納涼イベント
 『オブジェクト指向実践者の集い』」にて、著者の平澤章さんをお招きした、
 講演会があります。(http://www.objectclub.jp/event/2004summer)
 ご期待ください!
 
 (平鍋)
 
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 ┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
 
 今週は「御自身のWeb Site、またはホームページをお持ちですか?」のホント
 のところ。
 
 個人でWeb Site、またはホームページを持っていることも最近では珍しくなく
 なってきましたが、システム業界で実際に自分のWeb Site、またはホームペー
 ジを持ってる人は、どれくらいなのでしょうか。みなさんの投票、お待ちして
 おります。
 
   もちろん!仕事でもプライベートでも活用しています。
      http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+14+0
   仕事用のもののみ持っています。
      http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+14+1
   プライベートで持ってます。
      http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+14+2
   プライベートで作ろうとは思ってますが、まだ持ってません。
      http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+14+3
   持ってません。
      http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+14+4
   持ちたくもありません。
      http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+14+5
   それは秘密です。
      http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+14+6
   ちょっと語らせて!
      editors@ObjectClub.jp まで詳細を!!
 
 アンケート結果はオブジェクト倶楽部HP上にて公開します。お楽しみに。
 なお、前号「休日はアウトドア派?インドア派?」の結果は公開中。是非ご覧
 下さい。
 ⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru
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 ┗編集後記
 
 こんにちは、編集人です。
 今度の日曜は父の日です。母の日と比べて認知度が低い気がするのは私だけで
 しょうか。実際、「母の日=カーネーション」というイメージが強いですが、
 「父の日=???」というのが正直なところですよね。認知度が低い理由はこ
 こにあるのでしょうか。みなさんはどう思いますか。表には出さなくても、お
 父さんはきっと家族からの感謝の言葉を待っていると思いますよ。
 まだ父の日には少し早いですが、これを読んでくださっている、全国のがんば
 るお父さん達、毎日のお仕事、お疲れさまです。
 
 今週の強引な一言
 *** できると信じてまず一歩(松下幸之助)***
 なんだか怪しいなー、無理じゃないの?と足を止めず、まずは自分や仲間を信
 じて踏み出してみましょう。(めぐみ)
 
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 〇 配信中止、アドレス変更は ⇒http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml_help/
 〇 免責事項、過去の記事は   ⇒http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/
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 ■ 編集代表:平鍋  健児
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