Date:  Wed, 21 Jul 2010 17:22:11 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2010-28号】
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                          No.336 2010/07/21

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┣【Topics】「オブジェクト倶楽部2010夏イベント」終了しました!
┣【PF】たまには仕事に役立つコミュニケーションのヒント [35]
┃      〜リーダーはわかりやすい言葉で〜
┣【プログラミング】気軽に始めるiPhoneプログラミング [2]
┗ 編集後記

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 〇 「オブジェクト倶楽部2010夏イベント」終了しました!
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「オブジェクト倶楽部2010夏イベント」はおかげさまで大盛況のうちに終了し
ました。イベントにご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございまし
た!

イベントへのご意見・ご感想をお待ちしております。みなさまの声を、ぜひこ
ちらのブログまでお寄せください。お待ちしております!
→ http://d.hatena.ne.jp/objectclub/20100721

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┣【PF】たまには仕事に役立つコミュニケーションのヒント [35]
┗      〜リーダーはわかりやすい言葉で〜

読者のみなさん!今年は梅雨が長いようで、特に集中豪雨が多いようですね。
通勤や外出など、気をつけてくださいね。上田雅美です。

● 人を巻き込む
今日は思いがけず出会った素晴らしいリーダーに学んだことを思い出しながら、
「人を巻き込む」ときに大切なコミュニケーションについて考えてみたいと思
います。

オブジェクト倶楽部ではたくさんのリーダーたちに出会うことができました。
職場にプロジェクトファシリテーションを持ち込もうと頑張っている人、新し
い取り組みについて上司やメンバーの理解を得ようとする人、元気なチームに
するために取り組む人。
ライトニングトークスやそれぞれのセッションでその想いを聞き、「元気や勇
気をもらいました」という元気なコメントにもたくさん出会いました。

「人を巻き込む」という必要性に出会うことは、いまや特別の立場の方たちだ
けに訪れることでは無いようです。
今回京都で参加してきた「プライド・キャリア・ミーティング」というイベン
トでは、たった一人の金物屋の奥さんから始まった街おこしのお話を聞くこと
ができました。

舞鶴肉じゃが祭り実行委員会の会長の伊庭節子さんは、ごく普通の主婦だった
のだそうです。今となっては街おこしはそんなに珍しいことではなくなりまし
たが、舞鶴の街おこしは今のブームの火付け役なのだそうです。

商店街の金物屋のおかみさんだった伊庭さんは、お店をやるご主人の手伝いを
しながら子育てをするといった日々をすごされる一方で、どんどんと商店街か
ら人が離れ、元気が無くなってゆく様子を寂しく見守っていました。
そんななか、舞鶴は肉じゃがの発祥地だということを知ることになります。
「肉じゃがをきっかけに街が元気になることはできないだろうか?」と思った
ことから多くの人を巻き込むことにかかわるようになります。

伊庭さんは「私なんかにそんなことはできるわけがない」と思いながらも、ど
うしても「街を元気にしたい」という想いを捨て切れません。
「一人では何もできない。皆さんの力と理解が必要だ」と多くの人たちにその
想いを伝えることからスタートされたのだそうです。

そんなことは一度もやったことが無い伊庭さんは、「何を言いたいのか解らな
い」などとたくさんの門前払いにも会いました。
そんな中学んだことは、「リーダーは相手にわかりやすい言葉で想いを伝える
ことが必要だ」でした。これまでは自分の想いばかりが先行したためか、伝え
ることにいっぱいになってしまっていた自分を振り返ったのだそうです。
いまや舞鶴肉じゃが祭り実行委員会は、たくさんの自治体の街おこしのモデル
となり、伊庭さんは後援などの活動で全国を飛び回っているのだそうです。

● 伝わることを目的とすること
どうしても「話す」ことが目的となってしまいがちです。
しかし、ちょっと目線を変えて「伝わる」ということをゴールにした場合、私
たちはほかにどんなことができるのでしょうか?

プレゼンテーションの手段やビジュアルや音楽に訴えることもできますが、と
ても身近に誰もがまずできることは、その相手をよく知り相手に合わせること
からではないでしょうか

私たちの使う言葉には自分たちが思うよりも「専門用語」が多く、私も気をつ
けなければいけませんが「横文字」も多いのです。
同業者同士ではまったく問題はありませんが、そうではない人たちには何を話
しているのかさえもわかりません。
そういうことを受け止めて、さらに相手に伝わるためにできることを探すこと
を考える俯瞰の視点を持てると、コミュニケーションも実りが多いものになっ
ていくのではないでしょうか?

相手の立場や目線に合わせることはなかなか大変なことでもありますが、常に
チャレンジし続けることこそリーダーの思いやりなのではないかと考えます。
伊庭さんを見習って、一緒に頑張りましょう!(ID:@anegokikaku)

・プライドキャリアミーティング http://pride-career.com/
・まいづる肉じゃが祭り実行委員会 http://www.nikujyaga.info/index.html

● アネゴ企画
  http://www.anego.biz/
● アネゴの日記
  http://blog.goo.ne.jp/cs_jenniffer/

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┗【プログラミング】気軽に始めるiPhoneプログラミング [2]

こんにちは。dotです。ついにiPhone4が発売されましたね。皆さまのなかでも
すでに入手された方もいらっしゃると思います。私もつい先日購入することが
できました。新しいディスプレイはクッキリしてキレイですし、いろいろと追
加された新機能をわくわくしながら試している最中です。

さて、今回は前回の続きでInterfaceBuilderで配置したボタンに何か動きを追
加していきます。その際に重要な役割を担うのがViewControllerと呼ばれるモ
ノです。iPhoneアプリケーション開発では基本中の基本となる仕組みですので、
ここでViewControllerについて簡単に解説しましょう。
ViewControllerはMVCパターンにおけるコントローラを担うもので、iPhoneでは
複数のViewコンポーネントから構成される大まかな一つの画面に対応するコン
トローラとして実装することができます。ほとんどの場合InterfaceBuilderで
構築したxibファイルによって構成される画面単位がViewControllerの単位とな
るでしょう。
つまりInterfaceBuilderで配置した各々のViewコンポーネントのとXCodeのソー
スコードとの相関性やこれらのイベント処理など実装を記述する場所は、この
ViewControllerになります。こうやって画面単位でイベントの処理やViewに関
係した共通した基本的な機能をViewControllerに集約したり、SDKが提供する画
面に関する共通的な処理をViewControllerに用意されたAPIを通じて記述するこ
とで、様々な機能を簡単かつ構造的に実現することができるようになっていま
す。

では実際に前回作ったプロジェクトのテンプレートのViewControllerを見てみ
ましょう。
XCodeの左ペインのClassesフォルダの中に(プロジェクト名)ViewController.h
と.mというファイルがあるかと思います(以降プロジェクト名はobloveとします)。
これらが前回InterfaceBuilderで見たxibに対応するViewControllerとなります
[*1]。前回付けたボタンを押した際の処理をViewControllerに記述していきま
しょう。

まずは、ViewControllerに対応するボタンをアウトレット宣言します。XCode上
でアウトレット(IBOutelet)宣言をすることでInterfaceBuilderから変数を参照
できるようになります。以下のコードをobloveViewController.hに実装してコ
ンパイルしてみてください。

[obloveViewController.h]
#import <UIKit/UIKit.h>
@interface obloveViewController : UIViewController {
IBOutlet UIButton* button;
}
@end

InterfaceBuilderでViewController(File's Owner)を右クリックすることで
buttonという変数が見えるようになったと思います。buttonの右にある丸(マウ
スオーバーすると+が表示される場所)からInterfaceBuilderで設置したボタン
(UIButton)にマウスをドラッグすることでInteffaceBuilder上のボタンと、XCode
で記述したViewControllerのUIButtonのインスタンスが関連づけされます。
/ml-arch/magazine/magazine334/image2-1.png

きちんと関連づけされたかどうか確認するためにボタンのラベル名を書き換え
てみましょう。obloveViewController.mにloadViewというメソッドを実装しま
す。おそらくテンプレートではコメントされた状態で用意されていますので、
コメントアウトしてください。loadViewメソッドはUIViewControllerで用意さ
れているメソッドで、ViewControllerの初期処理はこのメソッドに記述する、
と憶えておいて下さい。

[obloveViewController.m]
- (void)loadView {
[super loadView];
[button setTitle:@"love!" forState:UIControlStateNormal];
}

全て保存してコンパイル後にiPhone
Simulatorで起動するとボタンのラベルが"love!"になっていることと思います。
うまく行かない場合はInterfaceBuilderでアウトレットの接続がうまくできて
いるか再度確認してみてください。

では次はボタン押下時の処理を書いてみましょう。ViewControllerにイベント
を記述するには、IBActionというアクションを定義するとこで、XCodeと
InterfaceBuilderを連携させることができます。まずはViewControllerのヘッ
ダにボタンクリック時のイベントとしてonClickメソッドを定義しましょう。

[obloveViewController.h]
#import <UIKit/UIKit.h>
@interface obloveViewController : UIViewController {
IBOutlet UIButton* button;
}
- (IBAction) onClick:(id)sender;
@end

ここでもう一度ビルドします。おそらくワーニングがでますが今は気にしない
でください。
今度はInterfaceBuilderでViewController(File's Owner)を右クリックするこ
とで"Recieved Actions"の中に"onClick"というアクションが見えるようになり
ました。勘がよい人はお察しの通り、今度はこの"onClick"の右にある丸(マウ
スオーバーすると+が表示される場所)から、またInterfaceBuilderで設置した
ボタン(UIButton)に向けてマウスをドラッグをします。そしてドラッグが終わ
ると出るUIButtonのイベント一覧から"Touch Up Inside"を選びます。これはボ
タンの内側をタッチして指を離した瞬間にトリガーされるイベント、という意
味になります。
/ml-arch/magazine/magazine334/image2-2.png

これでイベントのアクションを書く準備が終わりましたので、アクションの中
身をXCodeで記述しましょう。

[obloeveViewController.m]
- (IBAction) onClick:(id)sender {
   UIAlertView *alert = [[UIAlertView alloc] initWithTitle:@"oblove"
                                                   message:@"love! oblove!"
                                                  delegate:nil
                                         cancelButtonTitle:@"OK"
                                         otherButtonTitles:nil, nil];
   [alert show];
   [alert release];
}

このコードを実装すると、ボタンを押すことで"love! oblove!"のアラートウィ
ンドウがあがるようになります。

今回のソースコードをこちらに置いておきます。
/ml-arch/magazine/magazine334/oblove.zip

さて、前回と今回で一通りiPhoneSDKでの開発の一連の流れを勉強しましたが、
来週からはもう少し実践的な内容としてiPhoneのUIKitが持つコンポーネントに
ついてご紹介する予定です。(dot)

[*1] InterfaceBuilder上でFile's Ownerとして対応するViewControllerを確認
     することができます。

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┗編集後記

こんにちは、編集人のナガタユウコです。夏イベントが終わって、三連休が終
わって・・・なんだか抜け殻です。毎日暑いし、やる気もダウン気味・・・な
んて言ってないでがんばらないと、夏に負けてしまう!この暑さも楽しんでし
まえるぐらい、前向きにポジティブにいたいものですね☆ (ナガタユウコ)

*** オブラブスタッフ自己紹介 ***
No.19 Hiroshi
こんにちは、Hiroshiです。
オブジェクト倶楽部とHiroshiはかなりの黎明期から関わっていて、最近は後進
にお任せしています。
メルマガでは、僕の営業日記やら、日々の仕事の中で感じたこと等を書き綴っ
ています。皆さまのお役に立っているかどうか分かりませんが、実はメルマガ
が始まってから欠かさず書き続けているのは、Hiroshiだけみたいです。何事も
継続は力なりですね。あまり継続できていない自分を見ると、なぜ続けていら
れるのか不思議です。振り返ってメルマガを書き貯めているフォルダを見てみ
ると、たくさんの記事が残っていてました。見返してみると2003年6月が最初の
メルマガ記事でした。感慨深いものです。
オブラブイベントでは、初期の頃には懇親会の司会をよくやらせてもらいまし
た。乾杯の時にお酒が入っていなくて、○橋さんにはよくお酌をしてもらった
ものです。ついこないだの夏イベントに参加しましたが、参加者は様変わりし
ていていい雰囲気でした。
今後も、長い歴史のあるオブジェクト倶楽部を支えていければと考えています。
皆さまも温かい目で見てもらえれば幸いです。
今後ともよろしくお願いします。(Hiroshi)

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