Date:  Wed, 04 Mar 2009 17:32:44 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2009-07号】
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                          No.272 2009/03/04

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┣【Topics】オブラブ春イベントはいよいよ明日!
┣【Topics】「アジャイルジャパン2009」を後援します!
┣【アジャイル】アジャイル・プラクティスの見つけ方 [4]
┃              〜箱根でゆったり合宿の中で気がついたプラクティス〜
┣【コラム】僕の営業日記 [5] −みんな分かっているけど動けない−
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
 〇 オブラブ2009春イベントはいよいよ明日!
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『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』刊行記念トークセッション、
および、オブラブ2009春イベントは、いよいよ明日開催です。みなさまぜひご
参加ください!

<トークセッション>
アート・オブ・アジャイル デベロップメントへの道 〜XPと歩んだ10年〜
平鍋健児(監訳者) × 木下史彦(監訳者) + 岡島幸男(友情出演)
● 開催日 :2009年3月5日(木) 19:00〜
● 場  所 :ジュンク堂池袋本店
● イベント詳細はコチラ
  → http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk.html#20090305ikebukuro

<懇親会>
オブラブ2009春イベント 〜ケンジとフミヒコと、時々、ユキオ〜
トークセッション終了後、場所を移し、懇親会を開催します。
● イベント詳細およびお申込みはコチラから!
   → http://atnd.org/events/374

〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
 〇 「アジャイルジャパン2009」を後援します!
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オブジェクト倶楽部は、アジャイルジャパン2009を後援します。
"アジャイルは、人だ。"をキーワードに、アジャイルのなかでも、特に"人のチ
カラ"、"チームのチカラ"を引き出すことに焦点をあて、日本のモノづくりの良
さを活かしながら、いかに現場力を高めて組織変革を推進するか、チームから
モチベーションを引き出し「いきいきと」仕事をするか、といったことを追究
します。ぜひご参加ください。

『アジャイルジャパン2009 ―次世代のリーダーをつくる―』
【詳細】http://agilejapan.org/

 開催日時:2009年4月22日(水) 9:30-17:30
 開催場所:千代田放送会館(永田町) 2Fホールスタジオ
【地図】http://www.chiyodaku-town.com/map/cy044749

主催:アジャイルジャパン2009 実行委員会
共催:Agile Alliance

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┣【アジャイル】アジャイル・プラクティスの見つけ方 [4]
┗              〜箱根でゆったり合宿の中で気がついたプラクティス〜

こんにちは。こんぴろです。先日僕もオブジェクト倶楽部の冬合宿にスタッフ
として参加してきました。参加者の皆様に好評のようでよかったです。個人的
に今回一番学んだ事は、開発側のチーフプログラマのかくたにが、顧客(プロダ
クト・オーナー)役の森田との間で信頼関係を築くためにしっかりと仕切ってい
るところを目の前で見れたという点です。他のチームでどういう風に計画して
いるのか見る機会はあまりなく新鮮でした。プロジェクトメンバーの皆様が安
心して進められるように見えたのは、かくたにのチーム推進力のおかげです。

さて、かくたにがプロジェクトのリリース計画をする上で使ったツールがプラ
ンニング・ポーカーです。プランニング・ポーカーは開発する機能の規模を見
積もるための手法で、顧客とチームのメンバーの間の信頼関係を築くための手
段として有効だと改めて感じました。顧客の立場に立って考えると、実際にソ
フトウェアがどれだけ出来ていて、後どれくらいかかりそうなのか、素人目に
は全く分かりません。プランニングポーカーのおかげで、Railsを使ったことの
ないプロジェクトメンバーの間でも機能の規模について認識でき、円滑にプロ
ジェクトを進めることができました。

プランニング・ポーカーについての詳細はオブラブメンバーのやっとむ&かく
たに訳「アジャイルな見積りと計画づくり〜価値あるソフトウェアを育てる概
念と技法〜」[*1]をご参照ください。プランニング・ポーカー以外にも計画づ
くりに役立つ手法や、見積りに対する心構えなどがかかれており、アジャイル
開発以外の現場でも参考になることがたくさん書かれています。

ところで実はうちのチームではここ半年くらい前にプランニング・ポーカーを
やめています。それはチームに合わなくなったためです。リリース計画の最初
で、顧客(製品開発なので上司)と大体実装する機能を決めています。そして、
ストーリーと呼んでいる単位で機能を実装し、テストを行います。そうしてテ
ストが完了したストーリーをプロダクトの中に受け入れた後や、毎週プロダク
ト・オーナーに行っているデモで次に行う作業を決めています。これだけ上司
を巻き込んでいると、上司もこのチームでこの機能を実装するのに後どれくら
いかかりそうなのか、という部分も感覚的に共有できます。規模を見積もるこ
とは大切なのですが、如何せん、実際は実現したことの無い難しい仕事という
のも往々にしてあるプロジェクトで仕事しているので、規模と時間が相関しな
い事が多いのです。そのため見積もる時間がもったいない、という事になり、
現在はプランニング・ポーカーをやめています。その代わり毎週、計画の見直
しを行うことを続けています。

今回のプラクティスですが、合宿の終わりのふりかえりの最中にふと思いつい
て付箋に書いた事を元にしました。

● プラクティス名「飛び込め!」

プラクティスを実践することには勇気が要りますが、世の中実践してみないと
わからないことだらけですよね。自分がXPを始めたのは本当にTRICHORDチーム
に入ってから、なのですが、その時は簡単な説明があったくらいで、すぐに
チームで仕事を始めていました。チームの中に「飛び込んだ」わけです。元の
ネタはAgile 2007 Conference の時のSalesforce.comの事例セッション[*2]か
らです。全社に一斉にアジャイルプロセスを導入することで成果を上げた事例
の話がありました。そこでは「drop it!」という一言と共に一斉に海に飛び込
む写真で説明されてたそうです。全社一斉、というのは難しいかもしれません
が、合宿のような機会に参加してみる、というのはとてもいいプラクティスで
はないでしょうか。

● 悪魔の囁き
今までのやり方のままでもいいだろ?ちょっと残業しちゃったりしちゃうかも
しれないけど、その方が懷も暖かいだろ?

● 天使の言葉
自分が納得したやり方を試してみるべきでしょう。もしかするとあなたのチーム
に合わないかもしれませんが、やってみないと分からない事だらけでしょう?

● こんな気分
ちょっと試してみたけど、ここはうちのチームでも使えるかも。持ち帰って有
効に使おう。

さて、飛び込んで試してみていいと思い、現場に持ち帰ってやってみた!その
結果、合わない、と感じた物は続けない方がよいでしょう。プラクティスを実
践する事は手段であって、達成したい目的は別にあるはずです。今回はオブラ
ブ合宿から考えたプラクティスを紹介してみました。普段実践していることを
パターン言語に当てはめることでふりかえるといつもとは違った視点でみるこ
とができるのでおすすめです。もし何か新しいプラクティスを見つけられた方
はぜひメルマガへ返信ください。

[*1] http://www.amazon.co.jp/dp/4839924023/xpjp-22
[*2] http://tinyurl.com/2lfpku のプレゼンの33枚目のスライドから
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┗【コラム】僕の営業日記 [5] −みんな分かっているけど動けない−

こんにちは。Hiroshiです。今回も僕が営業をしている中で、いろいろ体感した
ことを皆様と共有できればと思っています。今回は、お客様先で現場改善のお
手伝いをしている中で感じたことをご紹介できればと考えてます。

あるお客様から現場カイゼンの支援をしてほしい、という依頼を受け推進部門
の方と計画立案し、現場へのセミナー、フォローアップをやっていく中で、最
初はカイゼンに対して後ろ向きだった人達が徐々に変わっていきます。今回ご
紹介するお客様では、タスクかんばんを運用しての作業の見える化や、組織的
なカイゼンへの風土作り、それによるコミュニケーションアップを狙っていま
した。第1弾のセミナーを開催してから4ヶ月くらい経ったときに、やっと現場
でぽつぽつタスクかんばんを使い始めたようです。責任者の方からは、自分の
フロアにかんばんボードが立っていく事で風土が出来始めたなと満足されてい
ます。ですが、この4ヶ月で何があったのでしょうか。

推進部門の方と話をしている中で、みんな現場では苦労している事は分かって
いてもなかなか動けない、という声をいただきました。それは以下のような状
況が起きているからです。皆様もなじみのある事柄が多いのではないでしょう
か。

・打つ手が分からない
・上司・メンバーをどう説得しようか
・言いだしっぺが損をするような気がする
・すぐ終わってしまったらどうしよう
・すぐ効果を出したい
・時間が無い
・タイミングを見計らっている
・計画しすぎ

始める時は、上司・部下に対してどう説得しよう・・・効果が出なかったらど
うしよう・・・と誰もが不安ですから、周囲をひきつけるような計画作りにこ
だわるあまり、タイミングを逸してしまい、ずるずると時間が経ち、最終的に
は時間も無くなる、という悪循環です。

その時、我々からは以下の働きかけを行いました。

・動機付け(危機感をあおる、早い小さな成功体験、雰囲気を作る)
・雰囲気の醸成(周りに貼り物をする、ふりかえり、朝会の実施)
・キーマンへの勇気付け(一緒に成功を味わう、課題・解決策を一緒に見つめる
  考える)
・ラインで攻める(キーマンの周囲に報告する、結果を数値化する)
・やることに対するリスクがないということを認識してもらう

どれも、文字にすると普通のことですが、やはり他人に影響を及ぼす事は並大
抵の事ではなく時間もかかります。それは、植物を育てるように、水をあげた
り、風に倒されないように囲いを作ったり、陽の当たる場所に移動させたりす
ることと似ているのかもしれません。

今回は、ひとつの成功事例から改めて感じたこと、どのような働きかけをした
か、を紹介しました。これを読んだ人が何か始めてみるきっかけになればと思
います。(Hiroshi)
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「新卒就職活動の思い出は?」のホントのところ。
学生から社会人への第一歩である、新卒就職活動。100年に一度と言われる不況
の中、内定獲得へ向け頑張っている学生の方を見ると、応援したくなると同時
に、自分の就職活動をなつかしく思い出します。みなさまは就職活動にどんな
思い出を持たれていますか?

  とっても楽しかった。またやってもいい!
     /special/kininaru/vote?vol=237&choice=0
  当時はつらかったけど、今思うといい経験だなぁ
     /special/kininaru/vote?vol=237&choice=1
  できるならやり直したい・・・
     /special/kininaru/vote?vol=237&choice=2
  二度とやりたくない!
     /special/kininaru/vote?vol=237&choice=3
  新卒就職活動をしていない
     /special/kininaru/vote?vol=237&choice=4
  それは秘密です。
     /special/kininaru/vote?vol=237&choice=5
  ちょっと語らせて!
     詳細をこのメールに返信ください!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「デブサミに参加した?」の結果は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒/special/kininaru/vol236/PlonePopoll_results2

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┗編集後記

こんにちは、編集人のナガタユウコです。明日はオブラブ春イベント!オブラ
ブログでも書きましたが、私からのステキサプライズを計画中です☆みなさま
盛り上がっていただけるといいなぁ・・・(サプライズを計画中と言っている
時点でもうサプライズではないかもしれませんが・・・)。
まだお申込みでない方、当日の飛び入り参加も先着順で可能ですので、ぜひ、
明日のトークセッション時にお声かけください。みなさまとお会いできますこ
とを楽しみにしています♪

今週の強引な一言
*** 荒神の火傷(ことわざ) ***
他人のことに奔走して、自分の身を守ることはお留守になるたとえ。
メンバのミスや遅れをカバーしようと頑張った結果、自分の仕事に影響が出て
上司から注意されてしまったり・・・。そんな時にはきっと、今度はメンバが
あなたをカバーしてくれるかもしれません。
出典参考:故事ことわざ辞典 東京堂出版
(ナガタユウコ)

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