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Date:  Wed, 12 Nov 2003 14:11:44 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2003-22 号】

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                           No.22 2003/11/12
 
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 ┣【Topics】「オブジェクト倶楽部クリスマス会」ワークショップ決定!
 ┣【キーワード】知ってるようで分からないビジネスワード勉強会「ROI」
 ┗【XP】XP実践家への道 [7] 第七道標 - 「ミラー」と「最適ペース」
 
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  〇  「オブジェクト倶楽部クリスマス会」ワークショップ決定!
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 オブジェクト倶楽部クリスマス会「オブジェクト指向実践者の集い」のワーク
 ショップ詳細が決まりました。(一般募集セッションはまだ募集中です)
 是非ご参加ください。
 http://www.ObjectClub.jp/event/2003christmas/
 
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 ┗【キーワード】知ってるようで分からないビジネスワード勉強会「ROI」
 
 今週からとうとう東京も冬らしくなってきています。僕の家の最寄りの駅は都
 内から30分圏内というのに無人駅という非常にマイナーなところにあります。
 無人駅ということもあり、こんなに寒くなると駅全体が死んだようになりさむー
 い気持ちになりました。電車の中は暖房が効いてて暖かいんですけどね。皆さ
 ん、いかがお過ごしでしょうか。
 
 さて、皆さんはどの様にして、会社がIT投資の決定をしていくのか疑問に思っ
 たことはありませんか。今回は、ROI(Return Of Investment)に注目して、どの
 様にIT投資に企業が踏み込んでいくのかを紹介していこうと思っています。
 
 まずはROIの紹介です。ROIとは一般的な投資を含めた、投資対効果の値をパーセ
 ンテージで表しています。IT投資に関しては、以下の式を用いることによって算
 出することができます。
 「ROI」(%) = 「利益」 ÷ 「IT投資」
 
 当たり前ですが、少ないIT投資で多くの利益が生まれれば、その投資のROIは異
 常に高いものとなります。また、式は単純ですがその要素を算出するのは大変
 です。利益として加算されるものには
 ・	売り上げの拡大予想
 ・	原価の削減分
 ・	販売費の削減分
 ・	一般管理費の削減分
 等が当てはめられます。IT投資には
 ・	システム開発費(パッケージ製品の場合導入費、カスタマイズ費)
 ・	インフラ導入費
 ・	関わった要員の人件費
 等が加算されていきます。ROIとは投資によって改善された又は生み出されたビ
 ジネスがもたらす将来の利益と、これにかかるコストの割合を表したものとい
 えます。
  
 企業内では、IT投資による、様々な業務改善案が計画され業務フローの見直し
 が進められています。その改善案の優先順位や、最適化の指標の1つとしてROI
 は考えられています。しかし、ROIだけでは単純に評価できずに、ROIとリスク
 の関係や、事業戦略などとの連携具合などを考慮に入れて投資の最終決定まで
 持っていくようです。このような作業は各種のコンサルタントの業務ノウハウ
 によるものが多いようです。
  このようにROIが注目されているのも、無駄な投資を避け、より有効な投資案
 件を選び抜くことが必要とされているのが理由です。しかし、そのIT投資に対
 する評価プロセス(計画から総合的な評価の算出までの工程)はまだまだ自社
 で開発している企業は少ないのが現状なようです。これって難しいですよね。
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 ┗【XP】XP実践家への道 [7] 第七道標 - 「ミラー」と「最適ペース」
 
 こんにちは、天野勝です。
 今回から読まれる方もいらっしゃると思いますので、簡単にこの連載の概要を
 説明します。この連載はRoy W. Miller(*1)の提案しているXPのプラクティス(*2)
 を、筆者の解釈にもとづき皆様に紹介していくというものです。
 
    ☆   ☆   ☆
 
 今回は管理者のプラクティスである「ミラー」と「最適ペース」を説明します。
 
 ■プロジェクトが見えてますか?
 最近のシステム開発は、期間が短いものが増えてきているようです。しかし、
 短いといっても2、3日というわけではありませんので、その開発期間中には予
 想だにしない様々な出来事が起こります。体調不良を訴えて休む人もいれば、
 開発機がウィルスに感染して作業が出来ないなんて事もあります。不確定要素
 が現実化してしまう確率が、期間が延びることで高くなっていくのです。この
 ような場合、進捗が遅れてしまうのが一般的です。
 
 しかし遅れているといっても、どれだけ遅れているのか分からないと対処の仕
 方も分かりません。そこで管理者は開発者に遅れていることを知らしめなくて
 はならないのですが、開発者自身が自発的に問題を解決するというのがXPの信
 条ですから、管理者が仕切って「遅れているぞ」と直接的に言うのではなく、
 開発チームの自己解決能力を活かしていくのが肝要です。
 「ミラー」というプラクティスでは鏡に映し出すかのようにプロジェクトの状
 況を開発者に伝えなくてはなりません。受け入れテストを壁に貼り出し、その
 パスした数で進捗状況を把握し易くしたり、未解決の問題を壁に貼り出したり
 します(*3)。タスクの実装が終了したらチャイムを鳴らすというのも、プロジェ
 クトが進んでいることを知らしめるのに役に立ちます。
 
 マラソン選手は走っているとき、自分のことがあまり分かりませんから、コー
 チから「身体がぶれてるぞ」とか「後続が10m後ろにせまってきたぞ」などと教
 えてあげているようです。これも一種の「ミラー」ですね。 
 
 ■持続可能な最高速
 「ミラー」のプラクティスを実践することで自分たちのペースがわかるように
 なります。ペースを早くするためには1日に多くの時間を仕事に費やすことにな
 りますが、時間をかけすぎて体調を崩してしまっては本末転倒です。仕事を最
 高のコンディションですることが高い生産性を引き出すポイントです。
 長時間作業をしている開発者を見つけたら、管理者は休ませたり、早く帰るよ
 うに働きかけます。このように開発者のコンディションを良い状態に保つこと
 が「最適ペース」の勘所です。
 30分の昼寝タイムを設けることで、生産性を向上させるということが各種研究
 機関で実証されています。これにより最適なペースが保ちやすくなるんですか
 ら、ぜひとも実施したいですね。
 
 マラソンも、初めからスパートをかけていては体力は持ちませんし、やたら遅
 いペースで走っては余計に疲れてしまいますね。ゴールするためには自分の最
 適なペースで駆け抜けるのが一番です。
 
    ☆   ☆   ☆
 
 今回は管理者のプラクティスから「ミラー」と「最適ペース」を説明しました。
 次回は、今回と同じく管理者のプラクティスの「四半期ごとのレビュー」と、
 プラクティスというわけではないのですが「4つの価値」について説明いたしま
 す。この連載に対するご意見お待ちしています。(天野勝)
 
 *1: 「XP エクストリーム・プログラミング 適用編」の著者です
 
 *2: http://www-6.ibm.com/jp/developerworks/java/021018/j_j-xp0813.html
 
 *3: 壁に貼り出すことで、チーム以外の人の目にも触れる機会が多くなり、意
     外なアドバイスがもらえるという副次的な効果もあります
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 イマイチ:
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 ┗編集後記
 
 こんにちは、編集人です。
 
 オブジェクト倶楽部のクリスマス会のワークショップ詳細が決まってきました。
 (まだワークショップの一般オーガナイザは継続募集中です)やはり、という
 か、XP色が強くなっていますが、ボスが平鍋さんなので仕方がないですね。
 
 ワークショップの枠については、スタッフも、オーガナイザ担当のスタッフも、
 自分が「参加者」として参加したい気満々で、運営側は頭の痛い毎日です(^^ゞ
 私自身も覗いて見たいセッションが複数(^^ゞトラックが分かれるということは、
 悩ましいものですね。
 
 皆さんのご協力でなかなか面白いセッションが構成できました。有料ですが、終
 日参加のセミナーとしてはかなり格安だと思います。(別料金の交流会は予算の
 都合上安くできませんでした^_^;ごめんなさい。いっぱいいっぱいです(^^ゞ)
 是非告知ページをご覧のうえご参加ください。
 http://www.ObjectClub.jp/event/2003christmas/
 
 (いりさ)
 
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 ■ 編集代表:平鍋  健児
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