Date:  Wed, 13 Jun 2007 17:07:54 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2007-21号】
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                          No.190 2007/06/13

■ I N D E X
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┣【Topics】オブラブ夏イベント お申し込み締め切りは明日14日までです!
┣【Topics】オブラブ予告編  「オブラブまで あと7日間」GTD+R篇
┣【イベントレポート】日本Ruby会議2007に参加しました
┣【イベントレポート】RubyKaigi2007での Dave Thomas 基調講演
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

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 〇 オブラブ夏イベント2007 お申し込み締め切りは明日までです!
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ついにイベントが来週に迫りました。お申込みは6月14日(木)の13:00まで
となっています。予定から半日延ばしました。
お申込みが未だの方は、お急ぎくださいね。どうぞお見逃し無く!

●イベントページ:http://www.ObjectClub.jp/event/2007summer

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 〇 オブラブ予告編  オブラブまで「あと7日間」GTD+R篇 
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当日イベントで講師を務めてくださるの太田憲治さんが、素敵な予告編を
作ってくれました。こちらもぜひ楽しみください!イベントではXPを体験
してみたいと思っている方、必見ですよ。

◆オブラブまで「あと7日間」GTD+R篇
 http://gadget.cre8system.jp/gtd/gtdr_1.html

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┗【イベントレポート】日本Ruby会議2007に参加しました

「2007年のRubyが見える・2007年のRubyに会える」をテーマに据えたイベント
「日本Ruby会議2007」が6月9〜10日の2日間に渡り、東京都千代田区の全電通
ホールにて開催されました。RubyKaigiは、昨年の初開催に続き、今回が2回目
の開催となるそうです。当日は約400人のRuby開発者やRuby利用者が集まり、
技術的・人的交流を深めました。

オブジェクト倶楽部メンバーからも、運営委員やスタッフ、ライトニングトー
クス発表者、スポンサー参加、一般参加とさまざまな立場から、総勢16名が参
加しました。

皆さんは、今までに何かしらの技術系イベントに参加した経験がありますか?
(ないよ、という方はオブラブイベントへ、是非!)
私は、これまでにいくつかの技術系イベントに参加したことはありましたが、
初めてRubyKaigiへ参加しました。そして、このイベントに参加して、今までに
参加したどのイベントとも違う、(いい意味で)とても異質な体験をすることが
できました。
イベント終了後には、(技術系イベントに参加したというよりも)何か心温まる
長編映画を見終えた直後のような、そんな感覚に陥りました。

当日の詳しい内容は、イベントのオフィシャルサイト[*1]の「プログラム」
ページや「速報ログ」ページをご覧ください(DRY)。

イベント全体を通して印象的だったのは、複数のスピーチを横断した有機的な
つながりが随所に盛り込まれていたことです。
また、スピーカー、観衆、IRCの一体感はなんとも素晴らしいものでした。
ステージ上のスクリーンには、プレゼンテーション資料とともに、チャットが
リアルタイムで大きく投影されていました。
例えば、午前中に卜部昌平さんから1.8系のリリースの歴史やメンテナンスに関
する話があると、午後のartonさんから「そのおかげで『仕事で使えるRuby』に
なった」との言葉があり、さらにそれを受けて観客席からその功績を讃える大
きな拍手が沸き起こる、というような展開がその一例です。
同様に、関将俊さん作のdRubyや、Rubyの更なる普及へのターニングポイントと
なったこの1年を象徴するかのようなタイミングで上梓されたFrom Java to Ruby
(邦題:JavaからRubyへ [*2])も、多くのプレゼンテーションから言及されてい
ました。

初日最後にはライトニングトークが行われ、オブラブからは、主宰の平鍋が参
戦し、RubyとAgileへの熱い思いを語りました。こちらも速報で早速公開された
ので、見逃した方はぜひこちらを![*3]

初日のイベント終了後には、秋葉原の東京フードシアター5+1で懇親会が開かれ、
イベント本編同様、大いに盛り上がりました。

ステージ上のIRCは、あるときはスピーチに対して絶妙なボケやツッコミをした
り、またあるときは技術的な解説、反論や補足を添えていたりという具合に効
果を発揮していました。そのタイミングや内容がとても絶妙で、会場の盛り上
げに貢献していました。
AP4R(Rubyのための非同期メッセージングライブラリ)のスピーチでは、マスコッ
トキャラ「まじろう」の登場にIRCが盛り上がり、プロダクト自体とのギャップ
も相まって、会場の爆笑を誘っていました。
JRubyでは、irb上でライブプログラミングを行い、SwingのGUIによるデモを披
露していました。このあたりは、スクリプト言語の本領発揮で、他にもいくつ
かのスピーチでライブプログラミングを行い、会場を沸かせました。
なお、JRubyの発表など、いくつかのスピーチは英語によるものだったのですが、
そのようなときにはIRC(の中の人)は同時通訳として活躍していました。

今回のRuby会議では、「JavaからRubyへ」という言葉はとてもメッセージ性が
あり、象徴的な言葉だと思いました。
私には、「管理的手法から創発的手法へ」また「先人の成功、失敗から学べ」
というように聞こえます。
また、個人的にはXMLの父がRubyの父と出会ったことも感慨深い思いでした。
私にはTim Brayさんのスピーチは「XMLからRubyへ(の提言、要望)」という
文脈に聞こえました。これは、Rubyの未来をあれこれと妄想させるに充分な内
容でした。

最後に、当日あったエピソードで印象的だったことを2点ほど紹介して、このレ
ポートを終えたいと思います。

・Daveさんから会場への「道具(ツール)を愛してるかい?」との問いに対して、
  客席にいたTimさんが「もちろん」と即答していました。

・ライトニングトークを終えた平鍋、「『10.times ...』って書きたいな〜っ
 て思って、あのネタにしましたっ!」。
(小野良)

[*1] : http://jp.rubyist.net/RubyKaigi2007/
[*2] : オブラブの主要キャラであり、日本のアジャイルとRubyのブリッジでも
       ある角谷信太郎さんが翻訳。
       http://www.amazon.co.jp/ASIN/dp/4873113202/xpjp-22
[*3] : http://www.youtube.com/watch?v=sufSoCEhp5E
       笹田さんの書画カメラを巧みに使いつつのトークスを速報で公開!
       (撮影:水越明哉)
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┗【イベントレポート】RubyKaigi2007での Dave Thomas 基調講演

ぼくは、Rubyistではありませんが、このコミュニティにはたくさん知り合いが
います。1998年にDDJ記事のためにオブジェクト指向スクリプティング言語を調
べているときに、前田修吾さんの demi(RubyのJavaブリッジ)を見ましたし、
256倍極道編の助田雅紀さんや、日本にオブジェクト指向の原理やパターンを紹
介し、神戸の列車事故で亡くなられた石井勝さんとも、2000年くらいからXPを
通して出会っており、長いSocialなお付き合いがありました。

また、今回のRubyKaigi2007の基調講演のDaveはAgileとRubyをつなぐ役割を果
たしており、1999年に彼は『達人プログラマー』(Pragmatic Programmers)を書
き、その後すぐに『プログラミングRuby 達人プログラマーガイド』
(Programming Ruby : The Pragmatic Programmer's Guide)を書いています。[*1]

私は、RubyKaigi2007へはLT(ライトニングトークス)の「色物」として参加しま
したが、でも久しぶりに「コミュニティ」というものの意味ついて真剣に考え
ることができた、という収穫がありました。

Dave Thomas の基調講演。これは、僕が今まで聞いた中でもっともメッセージ
性に富み、かつ、正直に、真剣に、Rubyへの愛を語ったものでした。彼の真剣
な表情と内容の練りこみには、気迫さえ感じました。また、彼は「素足」で演
壇を歩きながら、身体的フィードバックを得ていたようです。まさに、このと
きのために、WestからEastへメッセージを伝えに来たのです。

彼のメッセージを簡単に要約してみます。(実にプロットの明確な話でした)

・言語を愛することは重要。「やらなければならない」という態度でなく
 「やりたい」という態度で仕事にのぞむために。 
・ぼくはRubyを愛している。Ruby は、自分の子供のようだ。 
・Rubyは人間で言うと思春期に入った。もう子供ではない。 
・彼は、日に日に変化している。 
・デートもはじめた。JRuby, IronRuby, ... 
・親としては心配だ。 
・(聞かれたら)アドバイスをする親の気分。 
・今後も、Matzが言うRubyが持っている価値観を大切にしてほしい。
   Be nice to developers(開発者にやさしく) 
   Be clear and readable(わかりやすく読みやすく) 
   Be flexible and agile(柔軟でアジャイルに) 
   Be open(オープンに)
・もっとも大切なのは、このコミュニティだ。私はここに参加できてうれしい。 
・このコミュニティがRubyを支えている。

この後、Daveのスライドは、会期中に撮影した写真、望遠レンズで取った参加
者の生き生きとした顔、顔、顔を、スライドで流していく。それは、まるで
『ニューシネマパラダイス』のラストシーンにカットされたキスシーンのラッ
シュが流れるがごとく、「コミュニティ」に参加する人(笑顔、議論、また疲れ
て居眠りするスタッフ)、が映し出される。そして、

ぼくは、日本に、ありがとう、といいに来た。at home に迎えてくれてありが
とう。

という結末に、ぼくらは惜しみないスタンディングオベーションを贈った。し
かし、その間、かれも、両手を大きく上にあげ、観客に拍手で返したのだ。つ
まり、ぼくらはスタンディングオベーションをシェアした。

詳しくは、以下のログを。
http://jp.rubyist.net/RubyKaigi2007/Log0610-S5.html


実はぼくは泣いてしまって、前が見えなかった。(平鍋)

[*1] : http://www.atmarkit.co.jp/im/carc/serial/ruby_agile01/ruby_agile01.html
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「Rubyやってる?」のホントのところ。今回はRubyKaigiのイベントレ
ポートが記事になりました。さて、皆さんの現場ではどのような浸透度でしょ
うか?教えてください。

  すっかり使っています。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=156&choice=0
  まだまだ勉強のレベル。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=156&choice=1
  気にはなっている。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=156&choice=2
  知ったばかりで、まだ解らない。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=156&choice=3
  当分仕事では使うことがなさそうな気配。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=156&choice=4
  宝石の種類ですか?
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=156&choice=5
  それは秘密です。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=156&choice=6
  ちょっと語らせて!
     詳細をこのメールに返信ください!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「社内での情報共有どうしてますか?」の結果は公開中。ぜひご
覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol155/PlonePopoll_results2
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┗編集後記

こんにちは、編集人です。イベントを控えてんやわんやの編集人。地味に頑張っ
ておりまする!さて、先日「MYお箸」を持参している方にお目にかかりました。
環境問題はとても大切な問題ですね。こうやって自分が生活に取り入れること
が大切だなぁ〜って、つくづく感じました。それから私はレジ袋をお断りする
ことを始めてみました。始めてみるとちょっと気分がいいですね。皆さんはど
んなことを実践していますか?

今週の強引な一言
***忠言は耳に逆らう(ことわざ)***
忠告やフィードバックは、聞く側の感情を害すものだから、素直に聞き入れら
れ難いという意味。しかし、忠告する側にだって結構勇気が要りますよね。伝
え方は色々ありますが、まずはお互いの目的の確認をしてみるのはいかがでしょ
うか?(上田雅美)

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■ 編集代表:平鍋  健児
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