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Date:  Wed, 03 Sep 2003 11:44:08 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部:2003-12号】

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                          No.12 2003/09/03

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┣【XP】XP実践家への道 [2] 第二道標 - 「反復」と「回顧」
┗【PM】プロジェクトマネジメント入門 [3]

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┗【XP】XP実践家への道 [2] 第二道標 - 「反復」と「回顧」

こんにちは、天野勝です。
今回から具体的に、プラクティスの説明をしていきます。今回から読まれる方
もいらっしゃると思いますので、簡単にこの連載の概要を説明します。この連
載はRoy W. Miller(*1)の提案しているXPのプラクティス(*2)を、筆者の解釈に
もとづいて皆様に紹介していくものです。

   ☆   ☆   ☆

■反復しましょう
「反復」とは後ろも振り返らずに突っ走るのではなく、途中で立ち止まり、周
りを見て、後ろを見て、前を見て自分の位置を確認しながら進むということで
す。
Scott Adams(*3)も言っているように「人は愚か」な生き物ですが、Blaise 
Pascal(*4)は「人は考える葦」と言っています。
愚かであることを認識した上で、どこかで見つめなおし、新しく学習するタイ
ミングを反復というプラクティスを実践することで得られます。
また、日本の諺に「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」というのがありますとお
り、人は忘れやすい生き物です。反復する期間が長くなると、大事なことすら
忘れてしまいます。なるべく短い期間で反復を行いましょう。1週間から2週間
ぐらいがお勧めです。

■振り返って形にしましょう
反復のタイミングで反省会をすることは、未来への大事な一歩です。筆者の今
があるのも、小学生の時に学期の終わりに「2学期の反省」などと作文を書かさ
れた(せていただいた)おかげだと思っております。
ただ、筆者自身たいした人じゃないような気もするわけですが、これは反省の
仕方に問題があったのだと思います。
せっかくの反省会なので、会議の仕方を工夫すると良いでしょう。筆者がよく
やる方法は、ホワイトボードを3つに区切り「続けたいこと」「問題点」「試し
てみたいこと」をプロジェクトメンバーに挙げてもらうというものです。
┌───────┬───────┐
│・続けたいこと│・試したいこと│
│       │       │
├───────┤       │
│・問題点   │       │
│       │       │
└───────┴───────┘
まずは、「続けたいこと」に着目し、みんなで今やっている活動を確認します。
次に、「問題点」を確認し、その問題点が何に起因するのか検討し、最後に問
題点を解決するための「試したいこと」を挙げてもらい、最後にこれから試し
たいことについて「本当にやってみる」という合意を得ます。
筆者も小学生のころからこのように反省をしていたら、もうちょっとましな人
になれた気がします。

   ☆   ☆   ☆

今回は共通のプラクティスから「反復」と「回顧」を説明しました。次回は、
今回と同じく共通のプラクティスの「共通の語彙」と「オープンな作業空間」
について説明いたします。この連載に対するご意見お待ちしています。(天野勝)

*1: 「XP エクストリーム・プログラミング 適用編」の著者です

*2: http://www-6.ibm.com/jp/developerworks/java/021018/j_j-xp0813.html

*3: アメリカで有名な風刺漫画「ディルバート」の著者です。

*4: 関係がないわけではないですが、決してプログラミング言語ではありませ
  ん。フランスの哲学者・数学者・物理学者です。

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┗【PM】プロジェクトマネジメント入門 [3]

「プロジェクト・マネジメント入門」の連載は、今回で3回目になりました。
前回は「プロジェクト」の用語について話をしましたが、今回は用語「マネジ
メント」についてです。
この業界に籍を置いているとマネジメントという言葉をよく耳にします。筆者
も、会社名、タイトル、業務にとこの言葉をよく耳にします。

この「マネジメント」、これだけ多く使っているのに、筆者も含めて正しく意
味を理解しているかどうか。正しい意味で使っているかどうか。
このことについて考えてみたいと思います。

筆者は、プロジェクト・マネジメントの勉強をする前は、「マネジメント」の
和訳を「管理」と訳し、何ら違和感がありませんでしたし、誰も異議を唱える
人はいませんでした。しかし、「管理」と本来意味する「マメジメント」には
大きな違いがあることを教えられました。

「管理」という言葉には、あまり良いイメージはないような気がします。進捗
率や出来高率などの何かしらの指標でプロジェクトや社員を評価し、問題があ
れば画一的な方法で対応する。このようなイメージで極端に受けとられる方が
多いと思います。

一方、「マネジメント」の本来の意味は全く異なります。語源は「家畜の育成」
にあると聞いています。家畜はこの当時、財産であり、どのように財産を増や
すかにマネジメントの根底があるようです。
家畜は、生き物ですから性格や体質などがあり、画一的な方法では増やせませ
ん。今、家畜達がどのような状況にあるかを認識し、それぞれの状況に応じた
対応方法を取る、この対応が適切だと家畜が病気をすることもなく、増えてい
きます。

これこそ、「マメジメント」が上手いということになるのでしょう。マネジメ
ントには、管理的な要素が当然含まれますが、それ以外の要素が多くを占めて
います。この要素を理解することで、よいマネジメントが出来るのでは、と筆
者は思っています。

今後、これら要素を紐解いていければと思います。(事務局長)

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┗編集後記

こんにちは、編集人です。
今週はなんと!オブジェクト倶楽部のトップページがアクセスランクトップに
なりました!(メルマガ10号でもお話しましたが、通常はXPが1位)
先週から今週にかけて、内容的に劇的な変化は思いつかないのです。。
強いて言うならアジャイルカンファレンスページの公開くらいなのですが。。
何が原因でこうなったんでしょうか。嬉しいけど、「バグがよくわかんないう
ちに直っちゃった」みたいで気持ち悪いですね(なおってないって、それ。)
#あとで気付いたんですが、TDDでテストがしっかりしているとこんなケースも
少なくなっているんでしょうね。

(いりさ)

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