Date:  Wed, 26 Oct 2005 12:30:18 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2005-39号】
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                          No.114 2005/10/26

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┣【Topics】「オブLOVE夜会」参加者募集
┣【UML入門】デザイン理論とUML図 - レイアウト(2)
┣【キーワード】知ってるようで分からないビジネスワード勉強会[22]
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

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〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
 〇  「オブLOVE夜会」参加者募集
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オブジェクト倶楽部主催の勉強会を開催いたします。つきましては、参加者を
募集いたします。秋の夜長を、オブLOVEメンバーと楽しみたい方はいらっしゃ
いませんか?

    テーマ:「Agile2005の資料(英語)をダラダラ見る会」
            http://www.agile2005.org  
      内容:平鍋健児と一緒に、Agile2005のホームページ及び資料を一緒に
            ダラダラ見て、好き勝手に盛り上がってしまおうという企画です。
            勉強会とうたっていますが、その具体的な内容がどうなるかは、
            まだ誰もわかりません。
      日時:11月8日(火)、17日(木) 19:00〜20:30  その後、懇親会
            どちらの日もテーマは一緒ですが、具体的な内容は不明
      場所:永和システムマネジメント 東京支社 会議室
            http://www.esm.co.jp/us/maptky.html
      定員:10名(申し込み多数の場合は抽選)
    参加費:無料
  申込方法:editors@ObjectClub.jp宛に、タイトルを「勉強会参加希望」とし、
              お名前、参加希望日、懇親会参加/不参加、今回の勉強会に期待
              することを書いてお送りください。
              ※いただいた情報は、今回の勉強会にのみに使用いたします。

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┗【UML入門】デザイン理論とUML図 - レイアウト(2)

今回はレイアウトの2回目、3つ目のキーワード「コントラストとアクセント」
についてお話します。

・シンメトリー(ア・シンメトリー)=> 110号
・リズム=> 110号
>コントラスト/アクセント
・ゾーニング
・白銀比

前回はリズムを重視することで、クラスの関係が一定の法則に従っていること
を一目でわかるようにしました。

ドキュメントには作ったものをまとめる意味もありますが、設計段階で、関連
する人に自分の意思を伝えたり確認したりする役割もあります。そしてドキュ
メント全体の中で特に見て欲しい重要な場所があるはずです。ドキュメントが
単調(同じリズムの繰り返し)であれば少し変調して(変えて)みるといった工夫
が大切です。

例えば、文章の中で強調したい部分があったときどうしますか?カラーの文章
であれば色を付けるだろうし、白黒の文書であれば文字を大きくしたり太字に
したりします。

これが今回のテーマであるコントラストとアクセントです。要素の持つ意味が
異なる場合は、視覚的に違いを持たせると情報の構造化をしやすくなります。
この2つの単語の違いは大きくなく、どちらも強調を表しています。アクセント
が色の組み合わせを含む場合もありますが、本稿ではコントラストを色の組み
合わせ、アクセントを大きさや太さなどの変化と分類することにします。色の
組み合わせには色彩調和論という難しい概念があり、色による心理的効果を考
えて配色したりするのですが、この核心に迫ると話題がかなりそれるので、色
は好みで使おう!というぐらいにしておきます。

今回のテーマは、コントラストとアクセントを取り入れることで単調なリズム
を「くずし」てみようということです。

「くずし」の単純な例は色を付けて変化させることです。あなたの目の前に本
はありますか?本の背表紙を見ると、背景色と文字色が識別しやすい色になっ
ていますね。これらはコントラストとアクセントが良く考えられている例です。
背表紙は本棚(似たようなリズムの中)から目的のものを探しやすくする重要な
意味を持っています。

同じような形(クラス)の集合であるクラス図の中から、より目的のものを探し
やすくする手段を与えるために決め事を作ってみましょう。通常背景色は白で
すね。白に対して目立つ色、例えばインターフェースは赤色、抽象クラスは青
色といった具合です。すると全体的な統一感の中に美しいくずしを実現できま
す。

でも、カラーはちょっとセンスに自信がないな・・・という場合は、図形の大
をきさ変化させたり、罫線や文字を太くしたりしててみましょう。このように
メリハリをつけることでレイアウトに強弱をもたせ、ブロックを目立たせ、そ
れが一定のリズムになっていると理解が深まり読みやすくなります。

前回同様のクラス図の例で、多角形インターフェースと三角形と四角形を使い
ます。

       多
       │
 ┌──┴──┐
 三          四

が

     多多多
     多多多
     多多多
       │
 ┌──┴──┐
 三          四
     ※1つのクラスの外枠の大きさを文字の集合で表現しています。

のように大きさを変化させていた場合、多角形インターフェースが強調されて
いるのがわかります。

例えば、本の表紙にはタイトルが大きい文字で書かれていて、副題は小さい文
字で書かれるという暗黙の決まりがあります。これがもし逆だったら、小さい
文字がタイトルであるとは認識されないはずですね。色で言えば白黒のモノトー
ンで絵が書いてある場合、黒を模様と認識しやすいトリックアートを学生の時
に美術の時間とかに見ましたよね?(天使と悪魔や、後ろ姿と魔女など)。

このように、人の目は全体の調和から少し崩れたものに注目しやすく、暗黙の
了解の上に判断するようにできていますので、それを利用した強調をすれば良
いことがわかります。

UMLでクラス図を描くとき標準で備わっている強調の1つが、インターフェース
を○で表記できることです。このようにステレオタイプをアイコン表示にした
結果、そのものとしては強調されています。しかしメソッド名が隠れてしまう
など伝えたい情報が全て伝わらないこともありますので利用には注意が必要で
す。今日J2EEでシステムを構築した場合などは、様々な情報を発信(強調)し
たいはずですね。

逆にその強調の種類を分類することは、自分が何を伝えたいか整理する材料に
もなります。

もしかして、クラス図にノートで説明を書いて読んで欲しいところを強調して
ませんか?

それよりもコントラストとアクセントを利用することで、美しく読みやすく、
かつ理解しやすい図を目指してみてみましょう。

※お詫びと訂正
前回「まず最初のキーワードがシンメトリーです。これは左右対称を意味しま
す。それに対してアンシンメトリーとは非対称を意味します・・・」と書いた
のですが、「アンシンメトリー」は間違いで正確には「ア・シンメトリー」で
した。ここで訂正させていただき、お詫びいたします。(きしだ)
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┗【キーワード】知ってるようで分からないビジネスワード勉強会[22]
               「ZigBee」

hiroshiです。10月もそろそろ終わりに近づいてきて、すっかり寒くなってきま
した。皆さんどのようにお過ごしでしょうか。家の近くで、大型ショッピング
モールと高層マンションが建設中ということもあり、冷かし半分でモデルルー
ムを見に行ってきました。その時の、最近のマンションの装備に驚いた事も含
めて、今回は「ZigBee」についてご紹介します。

それでは「ZigBee」とはいったい何者でしょうか。「ZigBee」とは無線通信規
格の1つで、コストがかからず消費電力も少ない近距離の無線通信規格として期
待されています。無線LANよりももっと狭い範囲(数m〜数十m)で使う無線ネッ
トワークはWPAN(Wireless Personal Area Network)と呼ばれますが、ZigBeeは
このWPANの標準規格の1つです。他のWPANの規格と比べるていると、その特徴が
よくわかります。

  規格名   : 通信速度 :          通信距離       :消費電力: 商品化 
======================================================================
 BlueTooth :   1Mb/s  :10m〜100m                :  120mW :済み
 UWB       : 480Mb/s  :10m(110Mbps)、4m(200Mbps):  100mW :サンプル
 ZigBee    : 250kb/s  :10m〜75m                 :   60mW :サンプル

ZigBeeは他の規格と比べると、数進速度も低く、通信距離もBlueToothとさほど
変わらないという地味な雰囲気を受けますが、消費電力が他の約半分というと
ころが特徴的です。その他、この表には出ていませんが、低コスト、小型、使
いやすいなどの特徴を持っています。

ちなみに「ZigBee」の名前の由来は、Zig + Beeです。Zigはジグザグに動く、
Beeはミツバチのことをさしています。ミツバチは蜜を求めて飛び回ることで、
どこに美味しいミツがあるのかをお互い情報交換しあっています。ZigBeeのノー
ドどうしが連携しあって情報交換をしあうことがミツバチの行動に似ているこ
とから、この名前が付けられました。なお、現在ZigBeeは、Koninklijke 
Philips Electronics N.V.の商標になっています。

それでは、なぜこの「ZigBee」が注目を浴びているのでしょうか。これまで、
ネットワークといえばその最大通信速度で良し悪しが決まってきました。それ
から考えると、通信速度の低い「ZigBee」は全く必要のないもののように感じ
ます。しかし、通信速度の高いものは、データ量の多いもの(画像転送、動画再
生)を対象としており、「ZigBee」も必要とされる対象を変えてやれば非常に魅
力的な規格となるのです。その対象とは、情報家電をコントロールするような
ホームオートメーション、ホームセキュリティ、インテリジェントビル管理と
いった分野です。この分野では、温度、湿度、音、光、圧力といったセンサー
とのやりとり(これをセンサーネットワークといいます)が中心になり、通信す
るデータ量が少なくて済む代わりに非常に多くの接続数が求められます。
「ZigBee」では、こうしたセンサー中心のネットワーク需要に応えるための無
線通信として規格化が進められています。
 
ここでやっとモデルルームを見に行った話と繋がってきます。最近売られてい
る部屋では、入り口や窓にセンサーが取り付けてあり、外出するときに鍵を掛
けると防犯モードになり、その間に不審者に侵入されると警備会社に通報され
ます。また、外出先から携帯電話を使って、エアコンの制御ができたり、冷蔵
庫の中身をチェックできたり、電子レンジを操作して料理ができたり、情報家
電をコントロールする端末が標準装備になっています。しかし、冷蔵庫の中に
は、何があるかを事前に入力しなければいけませんし、料理は事前に下ごしら
えをして電子レンジに入れておかなければいけませんが・・・・。だいぶ前に
展示会で情報家電を連携させた、「未来の住宅」をドラマ風にやっていました
が、モデルルームを見て時代は進んでいるんだなーと実感しました。まだ
「ZigBee」は採用されておらず、僕が見に行ったモデルルームにも搭載されて
いませんが、これからさらに情報住宅化が進むにつれて「ZigBee」などを使っ
たさらに新しいサービスが生まれてくることを期待しつつ、この記事を終えた
いと思います。

実は、一番感動したのは台所につけられたディスポーザ(生ごみ粉砕機)だった
ことは、ここでは触れないでおきます。(hiroshi)
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「通勤時間は何をしていますか?」のホントのところ。前回の気になる
アンケートでは、みなさんの通勤時間をお聞きしました。今回は、その通勤時
間に何をされてるかの質問です。みなさん、通勤時間は何をしていますか?
  本を読んでいる。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=80&choice=0
  音楽を聴いている。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=80&choice=1
  運転に集中している。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=80&choice=2
  周りの人・景色を観察している。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=80&choice=3
  寝る。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=80&choice=4
  ぼーっとしている。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=80&choice=5
  それ以外。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=80&choice=6
  それは秘密です。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=80&choice=7
  ちょっと語らせて!
     editors@ObjectClub.jp まで詳細を!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「通勤時間はどのくらい」の結果は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol79/PlonePopoll_results2
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┗編集後記

こんにちは、編集人です。日本シリーズの真っただ中ですね。予想できなかっ
た展開に、動揺を隠せないファンもいらっしゃるのではないでしょうか。日本
一をかけた大一番で、自分たちの力を信じて、地に足が着いた闘いができるか
否か。きっと野球に限ったことではないのでしょうね。自分の姿を投影しつつ、
戦いに臨む姿勢を見習わなくては、と思います。

今週の強引な一言
*** 神は細部に宿る(ミース・ファンデルローエ)***
アーキテクチャというものを、おおまかな絵と方針だけで表現して満足してい
ませんか?実装や利用、運用の細かいところまで気を配って初めて、実践的な
アーキテクチャが完成します。絵に描いた餅に終わらないようにしましょう。 
(さとみ)

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■ 編集代表:平鍋  健児
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