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Date:  Wed, 13 Aug 2003 12:31:39 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部:2003-09号】

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                          No.09 2003/08/13
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┣【Topics】「Jude 竹 1.2」が新しくリリース!
┣【Topics】「XPアンギャ東京編資料配布会」を開催します
┣【PM】プロジェクトマネジメント入門 [2]
┗【ツール】Judeで始めるUML [3]

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 〇 「Jude 竹 1.2」が新しくリリース! 
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成長を続けるフリーのUMLモデリングツール、Judeの新バージョン Jude 竹 1.2
がリリースされました!

コンポーネント図、配置図を新たにサポートしています。
その他、サブシステム、モデルのサポート、Ctrl + マウス操作による図の拡大
縮小、図のアイテムのサイズ揃え機能など、便利な機能が追加されています。
ぜひご利用ください。
(大田)

     Jude: http://www.ObjectClub.jp/Jude/
リリースノート: http://www.ObjectClub.jp/Jude/Release_Note.html
 ダウンロード: http://www.ObjectClub.jp/Jude/download.html

〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
 〇 「XPアンギャ東京編資料配布会」を開催します 
  〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・ 

XPアンギャ東京編の資料を配布します。詳しくはこちらのURLから!
http://www.ObjectClub.jp/eXtremeProgramming/angya1_5/mate.html

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┗【PM】プロジェクトマネジメント入門 [2]

前回は、筆者が「プロジェクトマネジメント入門」を連載する動機などを取り
止めもなく書きましたが、ぼちぼち、本題に入りたいと思います。

今週号は、「プロジェクト」とは何かを考えてみたいと思います。

最近、「プロジェクト」という言葉がよく使われています。例えば、潮留シオ
サイトや六本木ヒルズなどの都市開発「プロジェクト」のような大規模のもの
から、町内会の美化「プロジェクト」のような身近なものもあります。これら
が本当に正しい使われ方をしているのか、ここでは「プロジェクト」の定義を
確認してみましょう。

「プロジェクトとは、独自の成果物またはサービスを創出するための有期的活
動である。」と定義(1996年PMI PMBOK改訂版エンジニアリング振興協会)さ
れています。ここでの「独自」とは、このプロジェクトで創出する成果物、ま
たはサービスが、多少類似していても他にないものであることを示しています。
また、有期とは、開始時期と終了時期があり、期間を限定していることを示し
ています。

このことから、多くの事務処理など通常の業務(ルーチンワーク)以外は、プ
ロジェクト活動と捉えることができます。
別の見方で、一般的にプロジェクトは何かしらの問題を解決するために発足さ
れることが多いと思います。この点から言えば、プロジェクトとは、山積みさ
れた問題を解決して、最終目標にたどり着くための活動とも言えます。

当然のことながら、この活動にはある制限(時間、リソース、スコープ、品質)
内で、決められた成果物、あるいはサービスの創出をしなければなりません。
プロジェクト運営の難しさは、この制限内で決められた成果物、あるいはサー
ビスを創出することではないかと思います。もし、この制限がなければ、私達
が日頃行っている「システム開発プロジェクト」は、もう少し「楽しい」活動
になるのではないでしょうか?

今回は、「プロジェクト」について考えましたが、次回はもうひとつの「マネ
ジメント」について考えてみたいと思います。(事務局長)
 
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┗【ツール】Judeで始めるUML [3]

こんにちは。だいぶ期間があきましたが、続けてUMLを描いていきましょう。
前回は、寿司注文システムの例で、ユースケース図を描きました。今回は、こ
の続きでクラス図を描いてみましょう。

分析の進め方やUMLの使い方はいろいろありますが、ここでは入門ということで、
分析・設計の進め方よりも、図の理解を優先して説明したいと思います。

さて、寿司注文システムの分析モデルを考えて見ましょう。
ここでは、このシステムが扱う対象、概念にどんなものがあって、どういう関
係になっているかを整理します。
前回の各ユースケースについて、分析した結果(省略)から、単語を洗い出す
と、
 「メニュー」、「寿司」、「メニュー項目」、「注文伝票」、「注文」、
 「値段」、「合計金額」
などが浮かんできたとします。これらをクラスとし、その関係をクラス図で整
理しましょう。

* クラス図とは
クラス図は、モデルの構造をあらわすために利用するUMLの図で、クラスとその
関係を表現します。処理の手順や、状態の変化などを表すのではなく、静的な
構造を表します。

今回の例で描いてみた分析のクラス図は、次です。(※これが正解というわけ
ではなく、一つの例です)
http://www.ObjectClub.jp/ml-arch/magazine/magazine09/jude_UML3.html#class

このようにクラス図は、主にクラス、関連、汎化などで構成されます。

** 集約について
関連の線の端が菱形になっているものがありますが、これは「集約」を表して
います。
特に、全体と構成要素といった関係になっていることを明示する場合に、この
ような集約で表現します。例えば、「メニュー項目」は、「メニュー」の構成
要素になっているので、「メニュー」クラスと「メニュー項目」クラスは集約
の関係です。

** 多重度について
多重度は、関連するインスタンスの数を表現するものです。
関連の多重度を描くことで、クラス間の関係をより明確に表現できます。
「メニュー項目」クラスの近くに描かれている”1..*”は、「メニュー」イン
スタンスが1つ以上の「メニュー項目」インスタンスと関連することを表して
います。

このクラス図から、「メニュー」は、複数の「メニュー項目」で構成されるこ
とや、ここでは「注文」を一つのメニュー項目単位で捉えていることなどがわ
かりますね。

* Judeで描いてみる
ユースケース図を描いたときと同様に描いてみましょう。
1)ツリーに表示された「Default Class Diagram」をダブルクリックし、
 図を開きます。
2)図の上側にあるボタンを使って、クラスや関連、汎化を配置します。
3)属性の追加
 クラスのポップアップメニューから[属性の追加]とし、編集後Enterで確定し
 ます。クラスや属性を選択したときに表示される画面の左下の部分(プロパ
 ティビュー)からも追加でき、詳細な設定が可能です。
4)集約や多重度の設定
 関連のポップアップメニューまたは、プロパティビューで設定可能です。
 ポップアップメニューの「集約」や「多重度」のメニューで適当なものを選
 択します。
 このとき、メニューを表示させる位置によってどちらの端点の設定になるか
 が変わるので、注意してください。

* 補足
** 分析モデル
分析段階で描くクラス図と、詳細設計段階で描くクラス図は結構違ってきます。
特に分析段階でのモデルでは、以下を主眼として、実現の詳細などは考えませ
ん。
・用語を統一して、コミュニケーションをスムーズにする
・システムの概要や、システムが扱う対象の概要を理解・共有する

** 派生
一部の属性の前に”派生”を表す"/"が付いていますが、説明を省略します。

** オブジェクト図
具体的なイメージを掴むために、オブジェクト図を描くことがありますが、参
考のためにオブジェクト図の例をここに置きました。
http://www.ObjectClub.jp/ml-arch/magazine/magazine09/jude_UML3.html#obj

今回は、今まで以上に大雑把な説明になってしまいました。ぜひ、入門書を見
ながら、Judeを使って実際に手を動かすことで、理解を深めていただければと
思います。(岡村)

○今日のUMLクイズ
クラス図について説明した以下の文のうち、正しいものを選びなさい。(複数
可)(正解は下のほう)
ア. クラス図は、システムでのデータのやりとりを表現する図である。
イ. クラス図は、システムを構成するクラス同士でどのように処理が流れる
  かを表現する図である。
ウ. クラス図は、クラス間の関係を含む構造を表現する場合に利用される。
エ. オブジェクト図では、ある時点のインスタンスの状況を表現できる。

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┗編集後記

こんにちは、編集人です。
お盆休みに入ったはずなのに、電車がちっとも空きません。もう世の中からお
盆休みは絶滅したんでしょうか。

先週は、大盛況のうちに、XPアンギャ東京編を終了しました。
セミナー、懇親会とも、皆さんお忙しい中参加いただいて、本当にありがとう
ございました。皆さん、有意義な時間を過ごすことができたでしょうか。
編集人も、参加者に紛れ込ませてもらいました。
会場の雰囲気も良く、講師陣曰く、浜松に次ぐ「参加者のノリの良さ」だった
そうです。
一番驚いたのは、質問の多さでした。いつまでたっても質問が途切れなくて、
その後の懇親会の予約の時間に間に合わないんじゃないかと、やきもきしてし
まったくらいです。

今月の27日にはアンギャの資料配布があります。詳細はTopicsのリンクから。
19時からですので、日中の参加が難しい方も、是非どうぞ。

6月の掲載以来止まってしまっている平鍋さんの書籍紹介ですが、ご要望が多い
ので、復活したいと思います。(#平鍋さんがんばれ!)
取り上げて欲しい書籍などありましたら、オブジェクト倶楽部編集室
(editors@ObjectClub.esm.co.jp)までメールください。
その他、「いいかげんXPの記事載せろよ!」など(笑)、記事に関するご意見、
ご感想を頂ければ、希望の多いテーマなどは、編集人権限で(笑)即座に取り上
げますので、同じく、編集室までメールください。

(いりさ)

今日のUMLクイズの答え:ウ、エ

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■ 編集代表:平鍋 健児
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