Index: [Article Count Order] [Thread]

Date:  Mon, 23 Feb 2004 01:24:29 +0900
From:  <hasegawa@....jp>
Subject:  [XP-jp:04929] Re: XP 導入法 (was   【記事紹介】みんなのリファクタリング)
To:  <extremeprogramming-jp@....jp>
Message-Id:  <004601c3f960$593d1da0$bc00a8c0@JHP0057>
References:  <DAC3F5EA01C665f_kojima@....jp> <.2004119319.304294793.26500328.82288@....jp>
X-Mail-Count: 04929

長谷川です.
#久しぶりにメールを出させてもらいます.

----- Original Message ----- 
From: "Shimizukawa Takayuki" <shimi-ta@....jp>
Sent: Thursday, February 19, 2004 5:37 PM

> 清水川です。
> 
> 社内に「新しいアイデアを導入」しようとして挫折しかけてます(--;;
> と言っても、Wikiなんですけどね。
> 
> こういうツールの使用が浸透しない理由って、
> 
>   1. 面倒そう
>   2. 忙しくて見てる暇がない
>   3. 自分には関係ない
> 
> と、色々ありそうですが、そのあたりを「石のスープ式」になんとか出来ると良い
> んですけど‥‥。これまでに各自のやり方が確立されていると、なかなか難しいで
> すね。

私は昨年,Wikiが自分の求めていたものだったことに気付きました.
それまでも Portland Pattern Repository でWikiの存在は知っていましたが,
その時までリアリティは持てませんでした.Wikiが私の道具のひとつになってから,
ずっとWikiについて考え続けています.

今のプロジェクトでは,まずPimとして使っています.
ネットの設定(ドメイン,共有フォルダやメール),
作業報告など,メモ帳代わりに使っています.
もうひとつは私の公開用サイトとしてで,
私の記述やプロジェクトに関係するものを集めています.

目を通して欲しい場合は,関係者にメールを送ります.
また正式ドキュメントの下書きとしても使おうと思います.
レビューはこれで済まし,スナップショットしてWordなどで
ドキュメント化しようと思っています.

プロジェクトに導入する意図というのは持っていません.
今のプロジェクトでは,プロジェクト関連のサイトがありますが,
1週間に1度くらい更新されればよいといったようなものです.
ですので,プロジェクトの要求としては,Webサイトでも,
グループウェアでもよく,特にWikiを必要とする文脈ではありません.

こういう状況では,Wikiを勧めても余り意味がないように思います.
まさに,「面倒そう」で「忙しくて見てる暇がない」で
「自分には関係ない」です.従って,たとえ導入されたとして,
導入で意図されたことにはつながらない確率が高いと思います.
#別のメールで「 Wiki導入(知識共有・IssueTrackerで問題点共有)」
#とありました.

ツールはそれを必要としない人には,それこそ何の意味もないと思います.
言い換えれば「ツールはそれを真に必要としている人にのみ,真の姿を見せる」
とでもいいましょうか.かなづちを必要としていない人にかなづちを
与えても使われないか,使われても別の用途に使われるでしょう.

私が必要性を認識できたのは,あるプロジェクトの経験からでした.
プロセスは形式的に分類すればウォータフォール型になりますが,
私の経験上,これほどアジャイルなプロジェクトはありませんでした.
コミュニケーションは飽和状態に近くなり,作り出される情報も
半端ではありません.そして,パーソナルワーキングではなく,
チームワーキング中心のプロセスでした.

何か欠けていると感じていましたが,よくわかりませんした.
私たちの作成した物を公開する必要がありましたが,
グループウェアと共有フォルダという手段しかありませんでした.
実装フェーズに近づき,グローバルな情報とローカルな情報を整理するため,
チームでWebサイトを構築しましたが,管理するのは新人一人でした.

その直後,私はプロジェクトから離れましたが,
その時の欠如感がずっと残っており,そしてWikiに出会いました.
Wiki Way を読みました.このときのリアリティは鮮明でした.
しかし,通常,そのようなリアリティを感じることはないでしょうし,
ましてそういう状況が存在しない現場では不必要であるのかも知れません.

アジャイルな状況が自分に付きまとうだろうという予感の元,
そのような状況に対処できるよう,できる限りWikiの利用について考え,
実際に使っていくよう,心がけています.
えらく,前置きが長くなってしまいました.

清水川さんが,Wiki利用の目的として,「知識共有・IssueTrackerで
問題点共有」を挙げられていますが,それを遂行するためために,
Wikiが本当に必要なのでしょうか?
私自身は,コミュニケーションの必要性とそのバックアップのための
整理が必要と認識されていない場所でWikiを選択する根拠はそれほど
ないように感じています.

あくまでWikiはツールであり導入されたとしても,
それを必要とする環境でないと有効に働くとは限りません.
たとえば,もし今現場に必要なのがコミュニケーションなら,
Wikiに拘らず真正面からそのことにトライされることのほうが
意義あることに思います.