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Date:  Tue, 19 Aug 2003 00:12:07 +0900
From:  U Okumura <juok@....com>
Subject:  [XP-jp:04629] Re: [ 新刊情報 	 ]:  適応型ソフトウェア開発
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <54EAD05C-D18E-11D7-BFBC-000393D3ECA4@....com>
In-Reply-To:  <20030818213325k-hamai@....jp>
X-Mail-Count: 04629

濱井様、こんばんは。
奥村です。

横合いから失礼します。

[XP-jp:04628]濱井さん:
>> 1)operational excellence
>> は、コスト削減や画一的な品質向上など、予測可能、線形な世界での最適化ということでマスプロダクション狙い
>> これは、官僚的組織とプロセス重視で実現できる。
>
> ソフトウェア開発において、「予測可能」な部分は、ほとんどコンピュータ
> 化されて残っていないように思います。
> 予測可能ではないのに予測可能と錯覚していることが、ソフトウェア開発の
> 失敗が相次ぐ原因だと考えています。
>
> もちろん、「予測可能」と言っても相対的なものです。
> ソフトウェア開発において、予測可能性があまりに過大に見られているという
> ことです。

おっしゃることはまさしく!だと私も思うのですが、
少し違和感を感じました。

濱井さんのメールの中での「予測可能」と
山岸さんのメールの中での「予測可能」は、
少し違ったものではないか、と思いました。

濱井さんのおっしゃっておられる「予測可能性」は、
どの程度の誤差を持って製作期間・コストを予測できるか、
ということで、
多様なリスクを含むうえに製作が困難、複雑なため誤差が大きく、
有益なレベルまで誤差を押さえるには実際に製作するほど
(あるいは製作にかかる以上)のコスト/労力がかかり、
現実的ではない
というような事が「予測可能性が低い」、という事の意味だと
私は読み取りました。

山岸さんのおっしゃっている「予測可能・線形な世界」とは
開始時点で期間やコスト、完成品などを知り得る、
何らかの手法でそれらの近似を得ることが可能である、
という意味で、
複雑系の世界の「予測不可能性」とは、
たとえどのような手段を用いたとしても
どの程度の期間、コストがかかり、どのようなものができるのか
事前に知ることは(原理的にも)伺い知ることはできない、
カオスとは違い、いくつかのパターンを得ることはできても
そのうちのどれが実現するのかは事前にはわからない、
という性質をさしているものだと思います。

もし、初期に決定した通りのものを作れば良い、
完成後にソフトウェアを利用する環境は現状から予測できる
というプロジェクトがあれば
どれほど大規模で複雑な処理を行うソフトウェアでも
「予測可能、線形な世界」でのプロジェクトだといえると思います。
# ...普通はあり得ませんね

原子炉やロケットの制御、航空機の制御などは
同じソフトウェア開発でもこの世界に入るのかもしれません。

一般的なソフトウェア開発では事前に充分な予測は行えない、
にもかかわらず事前に予測をしようという誤った傾向があった、
ということは一致する事だと思いますので、枝葉なのかもしれませんが、
こだわってしまう部分だったので反応してしまいました。


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奥村 悠
mail: juok@....com
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