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Date:  Tue, 12 Aug 2003 20:42:33 +0900
From:  Yamagishi <Koji.Yamagishi@....jp>
Subject:  [XP-jp:04577] Re: [ 新刊情報 ]:    適応型ソフトウェア開発
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <200308121142.AA00236@....jp>
X-Mail-Count: 04577

Hidehiko AKASAKA wrote on Tue, 12 Aug 2003 18:01:42 +0900
In-Reply-To: <20030812180125.DE27.AKASAKA@....jp>
References: <20030812180125.DE27.AKASAKA@....jp>
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X-Mailer: AL-Mail32 Version 1.11
Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp

山岸です。

訳書の話が出てたのでちょっとご挨拶するだけのつもりでしたが、何となく引き込まれていく予感が・・・

>平鍋さん、ご無沙汰してます。
>赤坂です。
>
>Kenji HIRANABE <hiranabe@....jp> san wrote:
>
>> > ># (翻訳中... 山岸さんファイトー)
>> > の山岸です。
>> 
>> 呼ばれた気がして,今書籍のページ,
>> 
>>   http://ObjectClub.esm.co.jp/eXtremeProgramming/
>> 
>> を更新し,訳書の「適応型ソフトウェア開発」を入れておきました.
>
>ありがとうございます。
># 藤井さんにはもう少しがんばっていてもらいますか?(爆)
>
>> トヨタ生産方式の考え方をソフトウェア開発に導入する,
>> 
>>    Lean Software Development: An Agile Toolkit 
>>    Mary Poppendieck/Tom Poppendieck
>>    Foreword: Jim Highsmith/Ken Schwaber 
>
>これ!すごく興味があります。これも翻訳待ちです(^^;;
>
>> 話題は変わって,Highsmith 本の感想ですが,特に
>> "Disipline of Market Leader, 1995, Treacy"
>> からの引用として,
>> 
>>     生き残れる会社は,3つの価値のうち,どれか一つを決めて,それに注力しないといけない
>> 
>>    1)operational excellence
>>    2)product leadership
>>    3)customer intimacy
>> 
>> というのが,印象に残っています.
>
>悔しい、あと9ページで到達するところだったのに…
># まだ核心の(?)第3部に入ったばかりなのです(^^;;。
>
>以下については、きっと山岸さんがコメントして下さるでしょう。
># 私はまだここら辺を読んでないので、後で考えることにします。
>
>> このうち,1)には「コマンド・コントロール」型のプロセス最適化,ISOやCMMが合い
>> ますが,2はこの方向ではダメで,「リーダシップ・コラボレーション」型の
>> プロセス適応が必要とのことです.(AgilityとFacilitationですな)

1)operational excellence
は、コスト削減や画一的な品質向上など、予測可能、線形な世界での最適化ということでマスプロダクション狙い
これは、官僚的組織とプロセス重視で実現できる。

2)product leadership
は、まさに競合とプロダクトの優位を争う環境で、市場の変化が激しく、自らも市場を形成しているため、新たなコンセプ
トの製品を出すと、それによって市場の構造(生態系)が変わり、争うルールも変化するといった複雑系特有の世界です。
この世界では、誰もどこへ向かうのが正しいということができません。
変わり行く地形の中で、向かうべきゴールも刻々変わっていくので、地形や環境に合わせて自らが適応していくしかありま
せん。それぞれが自律的に活動し、みなが多様性を出し合う中で、しかも豊かなコラボレーションによって向かうべきとこ
ろを探っていくことで優位に立つことが可能です。

これは、現在のビジネスシステムの構築プロジェクトにも適用できます。
変わり行くビジネス環境の中で、システムの要求仕様が刻々変化し、それにアメーバー的に対応していかないと求めるビジ
ネスゴールに達することができないことが多くなっています。およそ、予測可能で変化のないプロジェクトなど想像しがた
いです。
そのときにはこわいプロマネとそれに従順な軍隊的組織、予測可能な世界を前提に引いた線表とそれからのズレを極端に恐
れるマインドでは、立ち向かえないということです。
ミッションを明確に出せるリーダーシップ、と多様性がありコラボレーションが活発な組織、の組合せこそが適応可能とい
うことになります。よってアジャイルの精神。

てなわけです。かなり短絡的な表現しましたが、本文はもうちょっと内容が深いので、ここでなあんだとか言わないでくだ
さい。

>
>あまり知識のない私としては、
>ここで大好きなワインバーグ(スーバーエンジニアへの道)を連想してしまいます。
>
>> 私自身,経営にXPをどう売りこむか,ということに思いをめぐらしていますが,
>> 「守りの企業,効率化のみ求める企業」に対しては,やはりXPは無理なのかな,
>> と思っています.そうではなく,戦略的な攻めの経営にこそ,XPが必要だと.
>
>この辺の話になると、(悔しいけど)やっぱりウルさんでしょうか。
>
>UMLaut(UML-based AUtomation Technology)はUPの方向付けの前に、(というか
>RUPでは簡単に済ませてしまっていた)ビジネス戦略の部分をきちんとフェーズと
>して捉えている開発プロセスですよね。
>http://www.ulsystems.co.jp/opinion/umlaut.html
>
># どこかのサイトで、UMLautのフェーズが概観できるところがあったのですが、
># URLを失念してしまいました。
>
>でも下記を見るとふつーなんですよね。
>http://www.ulsystems.co.jp/press_release/archive/20030416.html

この場であまりビジネスの話してもなんですが、マイクロソフトさんからの依頼は、UMLをベースにシステム構築をする部分
ということでしたので、RUPと重なるところだけ提供させてもらいました。
UMLautの7つのプロセスステップのうち、後半4つに該当します。
なので、ふつーです。あえて言えば、.NETアーキテクチャに特化している部分があります。

立場上、少しフォローでした。宣伝のつもりはありません。

>
># やばい、別の宣伝部長になってしまった(爆)。
>
>> そういう意味で,
>> 
>> ・リアルオプション理論を使った経営意思決定を伴う開発にXPを使う
>> ・戦略投資に対する KPI (Key Performance Index)測定で,XPの有効性を説く
>> 
>> というのは,どうか,と最近考えているところです.
>
>今の私には、まだ難しいです(^^;;。
>
>ではでは。仕事、仕事。

はい、地上の星を目指してください。(何かダサいとかいってました?)

>
>--
>(株)オージス総研
>赤坂 英彦 (Hidehiko AKASAKA)
>akasaka@....jp

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   Koji Yamagishi
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