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Date:  Fri, 23 May 2003 11:50:36 +0900
From:  小島@福井コンピュータ <f_kojima@....jp>
Subject:  [XP-jp:04376] Re: XP 伝導テクニック
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <EEC320D6161CDDf_kojima@....jp>
In-Reply-To:  <20030522100719.3A0F.4ML@....com>
References:  <20030522100719.3A0F.4ML@....com>
X-Mail-Count: 04376

小島@福井コンピュータです.

コメント頂き,有難うございます.

仰りたいことは判ります.

勿論仰る通りで,簡単ではないと思います.
顧客を説得するのは難しいと思います.

でも,顧客の説得の容易さではウォーターフォールに軍配が上がるかも
知れませんけれど,池田 さん の言われた「顧客側のメリット」と云う
ことで言えば,これは矢張り XP が優位でしょう.


>私が言いたかったのは現状は形の上だけでもそれをFIXしたことにし
>てしまっている受注形態がほとんどだということです。
>実際は仕様に矛盾が生じて品質が落ちたり納期が守られなかったり
>するわけですが、それは開発側が責任を負うことになります。
>多少の仕様変更でさえ開発側が吸収してしまうことさえ良くあるのでは
>ないでしょうか?
>つまり最初にFIXした時点で、長期的な成果物に対する責任を開発側が
>負っているんですね。

>この点も同意するのですが、現状は(不確かな仕様でも)期間・費用をFIXして、
>長期的成果物に対する責任を負っているソフト屋さんがほとんどですので、

良くこういう話を聞きます.XP の云っている事は良く判る.「しかし現状
は」とか… 「現実的には」そううまくは行かない理由があるとか…

しかし,「現状」を見据えて「現実的に」対処しようとしているのは,
ウォーターフォールでなく XP でしょう.これはもう明らかに.
私はそう考えております.

新規システム開発や新たな IT 技術の導入のような事例で言えば,
ウォーターフォールでは,顧客側は中々満足の行くものを満足の行く
期間とコストで手に入れられていない.其れが「現実」であると思います.


>たとえ話になりますが、大手小売業の会社が通販サイトを構築することに
>なったとします。さらに社長から「Amazonに負けないものを作れ」という
>命令(?)がでたとします。そしてソフト屋さんに発注するわけですが、
>見積もりを依頼して、
>
>A社「Xヶ月でXXXX円で出来ます」
>B社「XPなので最終的な期間・コストは出せませんが、仕様変更できてしかも
>品質も向上します。開発スピードも通常より早くなります」
>
>っていう2社があると、よほどB社のチームを信用していないかぎり
>A社に頼むのではないでしょうか?

それはそうでしょう.池田さんの仰るように,A社が「(不確かな仕様でも)
期間・費用をFIXして、長期的成果物に対する責任を負」い「多少の仕様
変更でさえ開発側が吸収してしまう」のであれば…

例えば,もっとずっと単純化した以下のような比較の場合,

A社 (ウォーターフォール方式): リスクは全て開発側が負うものとする
B社 (XP 方式): リスクは開発側と顧客側の双方が負うものとする
※ 他の条件は同等だとするか考慮しない

A社が優位なのは誰が見ても明白です.誰だってA社に頼むでしょう.

併し,これらの例は意図的にアンフェアです.A社だけが自社に不利な
条件を飲んでいます.
A社とB社が同じレベルのビジネスをするとし,A社がそれだけ大きな条件を
飲むのであればB社もコスト面や期間面等で条件を受け入れるとしなけれ
ば,例としては不適当でしょう.


>たった今思いついたのですが、やはりXPを知ってもらうのと、
>信用を得るのが大事だと思いますので、
>”XP導入キャンペーン! 今ならXイテレーション無料!”
>なんてのはどうでしょうか?(冗談です)

仰る通り信用を得て行くことが重要なのだと思います.
今後も顧客側と開発側が共に XP でビジネスを成功させて行く例が増えて
行くと良いと思います.

# 前倒しで悩むより,少しずつやってみてその結果から学び,
# それをまた次のチャレンジへの勇気としたいですね.