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Date:  Wed, 12 Mar 2003 16:17:53 +0900
From:  石橋 和洋 <ishibashi.kazuhiro@....jp>
Subject:  [XP-jp:04198] Re: 記事紹介	 : ピーター・コードが語る開発プロセスの選び方
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20030311112502.D941.ISHIBASHI.KAZUHIRO@....jp>
In-Reply-To:  <iss.337e.3e6d44dc.4b00.1@....com>
References:  <20030305095635.D91B.ISHIBASHI.KAZUHIRO@....jp> <iss.337e.3e6d44dc.4b00.1@....com>
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いしばしです。
お疲れさまです。


> 
> 「与えられたもので目的を達成する」というのは、戦略的発想ではなく、
> 戦術的発想です。戦略的発想では、「目的を達成するために必要なものを得る」
> ということになるでしょう。
....そうでしょうか?
濱井さんの記述は「戦略的発想と戦術的発想」というよりも、
私には「上位コンテキストの発想と下位コンテキストの発想」と感じます。

>「目的を達成するために必要なものを得る」

という記述は、まさに私が指摘した「将棋に勝つ為に必要なのは、棋譜・定石の
勉強」という内容に合致すると感じます。

無論それも戦略なわけですが、私が指摘したいのは「どのコンテキストの戦略か」
という事であり、私はそれは「上位コンテキストの戦略」ではないかと思ってい
ます。

・与えられたもので目的を達成する  -->戦術的発想
・目的達成の為に必要なものを得る  -->戦略的発想

と定義されていますが、では、将棋盤上には戦略は存在しないという事で
間違いないのですね?

> 戦術が水が低きに流れるように状況に応じて変化することなら、戦略は土木
> 工事を行って高低差を作り水の流れを制御することです。状況そのものを
> 変化させることです。

・戦術: 状況に合わせた適応
・戦略: 状況を変える

つまり、あらゆるノード(context)が、自分自身のおかれている環境の中で自分
自身を適応させていく外部最適と、自分自身の中の構造を最適化させていく内部
最適があり、外部最適が「戦略」、内部最適が「戦術」だと....

うーむ....

> 間違った知識が掃いて捨てるほどはびこっているので、個々の細かいレベル
> から見ていると全体をきちんと見ることができません。やるべきこととされて
> いたことが、数段上のレベルから見ると無意味だったり、有害だったりする
> ことはよくあることです。
> 
> 「与えられたもの」が不適切であることや「目的」が本来の目的と異なること
> は、残念ながらよくあることです。


optimizationの過程が「最適」を導き出すのでは決してないのは当然の事だと思
うのですが....無論それが誤りのこともある訳でして...(TT)

------------------------------------------------------

我々の意見が異なるのは、コンテキストに対する戦略・戦術の位置づけの違いの
ためであると感じます。

私は、コンテキスト間の関連視点で

|context|-----|node|
 <戦略>        <戦術>

といっている一方、濱井さんはnode視点で

?---|context|---?
<戦略>      <戦術>

と呼んでおられるように感じます。
確認ですが、上記が明らかであれば、以下のように言えると思います。

----------------------------

ある一局の将棋というコンテキストにおいて、

<私の案>
・駒の動きが戦術である。
・一局の方針が戦略である。
(局の前の情報収集、棋力UPの修行は、上位コンテキストに属する)

<濱井さんの案>
・一局の方針は戦術である。
・局の前の情報収集、棋力UPの修行が戦略である。

つまり、「ゼロ知識のシステム」には戦略は存在しない
(戦略はシステム外にのみ存在し、外部とのIOがないシステムには戦略はない。)
というご意見であると思いますが、間違いありませんか?