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Date:  Tue, 18 Feb 2003 11:20:37 +0900
From:  HAMAI Kyoichi <k-hamai@....com>
Subject:  [XP-jp:04080] Re: 記事紹介 	 : ピーター・コードが語る開発プロセスの選び方
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <iss.131c.3e519875.79b6c.1@....com>
In-Reply-To:  <20030206124837.2DEC.FIRO@....jp>
References:  <20030206124837.2DEC.FIRO@....jp>
X-Mail-Count: 04080

濱井です。
2003/02/06 13:14:57 +0900にHirohide Yazakiさんが送られた
メールに関する返信です。

>だから、私は
>「そんなことはないだろう。戦略だって常にどのような状況でも正しいといえる
>ものはないので、状況や環境にあわせて変えなければならないんじゃないか。」
>と思い、そのように意見を申し上げたという次第です。

戦略は永久不変であると言ったつもりではなく、ほとんど変化しない、
ましてや「水のように」は変化しないという意味で言ったつもりでした。
変化しない極端な例として基本戦略をあげたつもりでした。


>さて、次の話ですが、
>k-hamai> >k-hamai> 例えば、XPにおいて「変化ヲ抱擁セヨ」という言葉どおりあらゆる変化を
>k-hamai> >k-hamai> 受け入れるというわけではありません。XPにおいて想定している「変化」は、
>k-hamai> >k-hamai> 仕様の変化や納期の延長、短縮のような変化であり、開発メンバが大幅に
>k-hamai> >k-hamai> 入れ替わるような「変化」に対してはXPは不向きです。このような変化に
>k-hamai> >k-hamai> 対しては、むしろ、従来の重量級プロセスの方が適切です。
>k-hamai> >
>k-hamai> >開発メンバが大幅に入れ替わるというような話は出ていないと思いますが、どう
>k-hamai> >でしょう。
>k-hamai> 
>k-hamai> 「例えば」という言葉の通り、戦略を変化させるべきでない一例として挙げた
>k-hamai> だけです。
>
>開発メンバを大幅に入れ替える、というのは戦略の例の1つである、ということ
>ですね。

戦略ではなく、トラブルなんですが、特にXPにとっては。
開発メンバが大幅に入れ替わるようなトラブルに対しては、XPより従来型の
重量級プロセスの方が対応し易いということです。


>k-hamai> 戦略を変更するのは、戦闘が始まる前、開発が始まる前でなければならず、
>k-hamai> 成開始後、開発開始後に戦略を変更しなければならなくなるのは、それ自体
>k-hamai> が戦略的失敗です。
>
>は、
>戦略的失敗が起きると、後は手をこまねいて失敗するのを眺めているしかない 
>又は もう開発をやめるしかない、あるいは、戦略が間違っていても、その間違っ
>た戦略のもとで、ソフトランディングを試みろ のいずれかの解釈になるわけで
>しょうか。これらのうちのどれでしょう(あるいは別の解釈がありますでしょう
>か?)。

ケースバイケースで、どうする方がいいとは言えないと思います。


>でも、もしそうだとすると、成前に選択した戦略が間違っていたら、後はどう
>にもリカバリできないということになりますね。高々戦術レベルでどうにか被害
>を最低限に押さえるとか、そういうことしかできない。

はい。


>私は、失敗しない戦略を立案することと、戦略的失敗があった場合に、どのよう
>に対処すべきかは、別問題であり、どちらも重要だと思います。また、その対処
>の中には戦略を変える、という選択肢が絶対有りえないとは思いません。これに
>ついて、そうだ(私の意見)、そうじゃない(濱井さんのご意見)、という場合、
>どちらかが根拠をきちんと示して相手を納得させない限り、結局は意見の相違と
>して平行線で終わってしまいますね。それが悪いわけではありませんが。。

「戦略を変える」という選択肢を全面的に否定しているつもりはないです。
ただ、それは戦略的失敗の善後策に過ぎないということです。
戦略を変えたりせずにすむようにすることが第一であり、戦略を変えることを
前提にしてはならないということです。


>ただ、人間は常に将来を、あるいは現在を的確に予測できないわけですから、結
>局のところ、事前に立てられる戦略はある種の不確実性をもっていると思えるの
>です。慎重に慎重を期してそれでも結果として、間違った戦略を立案してしまう
>ことを100%避けるというのは無理ではないでしょうか。だから、最初に間違っ
>た戦略を立案してしまったら、後はなす術がないというのは、どうにも知恵がな
>いように(あるいはあきらめが早すぎるように)思いますが、濱井さんは仕方が
>ないということなのでしょうね。

戦略的失敗を回復をするだけの時間的余裕はないということです。時間的余裕
があるのなら、そもそも、戦略、戦術の区別など必要ないはずです。YAGNI
原則の通り、その場、その場で判断するだけでいいはずです。

事前の充分な準備がないと役立たない場合があるから、戦略というものが必要
になるわけです。