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Date:  Wed, 16 Oct 2002 02:18:08 +0900
From:  "araki" <JBD01464@....com>
Subject:  [XP-jp:03831] Re: 無意味なソフトウェア開発生産性の計測
To:  <extremeprogramming-jp@....jp>
Message-Id:  <007101c2746e$d4efb8e0$0201a8c0@masterplan>
References:  <20021015143133.15EA.T-HONMA@....jp> <20021015172308.6A06.KUGIMOTO@....jp> <20021015174412.6A0C.KUGIMOTO@....jp>
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はじめまして、荒木と申します。

>
> 生産性の上昇のための方法には一般的に
> (売上高−コスト)/従業員数
> の公式から、
> > 1.売上高を増やす
> > 2.コストを減らす
> > 3.従業員数を減らす
> が3つの方法が考えられますが、それぞれの対処方法を具体的な手順に落としてみ
た時、必ず確率の問題やリスクの問題が発生すると思います。
> いちばん簡単な「従業員の削減」でも、本当に人を減らして売上高もコストも不変
かどうか、あるいは予想している範囲内に収まるかどうかなどは「やってみないとわ
からない」というリスクを含んでいると思います。
>
> 経営学の初級教科書ならば
> 「投資案1での売上高は50%増の実現確率が30%、10%減の確率が70%。案2での売上高
は・・・さてどの投資案を採用すべきでしょうか」
> などという問題があります。
> しかし、現実の経済活動ではこれらの発生確率や結果値の測定方法が判っていませ
んのでそのような判定方法は意味がありません。
> 現実の企業活動での問題はAHPや線形計画法のようなOR手法など
> http://majesty.umds.ac.jp/study/system/or/ORjava/Operations_research.html
> に馴染むものばかりではないだろうと思います。
>
> ソフトウェア開発とは、実はその「ORに馴染まない」代表的な活動ではないでしょ
うか。
>
> #「ソフトウェアそのもの」にはよくOR手法が劇的な効果を上げるので、
> #これらを教育された方々が「ソフトウェア開発」に対してもOR的な
> #スマートな解決をしようとしてやや見当ハズレの努力をされたのが
> #ソフトウェア工学の歴史の半分以上なのではないかと私は思っています。
> #ソフトウェア開発に適用すべきはもっと泥臭い心理学や社会学の範囲に思えま
す。
>
全く、同感です。
結局、人がすべての生産手段になるので。。。。。

経営的な視点でいうと、パッケージ製品のようなものであれば「売上」、受託開発の
ような場合、「顧客満足度」がソフトウェア製品の価値(成果?)に該当するのでは
ないかと思います。

「経営革命大全」 日本経済新聞社 ISBN4-532-14716-6
の「ギルバートによる第一定理」で

W =価値ある業績、すなわちヒューマン・コンピタンス
f =関数記号
A = 成果
B = 行動

       A
W = f(−−)
             B

のような式が載っていました。

ORとは程遠いものですが、行動の時間を最小化するか、「売上」「顧客満足度」を最
大化することが経営的な視点でいう”生産性”(=知識労働者の創造的生産性?)を
高める方法かと考えます。

>
> 昔は経験さえあれば何とか大体のリスクは予測できたので左程問題にならなかった
が、最近は外部環境変化の激化とか要素技術の不連続的進化とかなんだーかんだーと
か色々とあって「リスクが予測できない」事が一番重要なポイントになってきている
のではないでしょうか。
>
> XPは主にこのリスク管理についての手法のように感じます。
> ソフトウェア開発は*常に*リスクを伴う賭けなので、賭け事としての必勝法「小さ
く何度も賭けろ」と言っているのではないでしょうか。
> (大雑把過ぎる表現ごめんなさい)

私は、XPは、顧客が最も優先する要求から順に実装していくという点で、顧客満足度
(経済的な生産性)を高めるのに有効な手法ではないかと興味をもっています。