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Date:  Tue, 15 Oct 2002 18:45:34 +0900
From:  HAMAI Kyoichi <k-hamai@....com>
Subject:  [XP-jp:03828] Re: 無意味なソフトウェア開発生産性の計測
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <iss.1d6a.3dabe428.b6dff.1@....com>
In-Reply-To:  <20021015173035P.mika@....jp>
References:  <20021015173035P.mika@....jp>
X-Mail-Count: 03828

濱井です。
2002/10/15 17:30:35 +0900にmika@....comさんが送られた
メールに関する返信です。

>みかまま、こと大月@佐賀大学です。
>で、本題、ソフトウェア開発の生産性をどう定義するかですが、たとえばソフ
>トウェア工学のファンクションポイント法では、「仕様に基づくソフトウェア
>の複雑さ」をファンクションポイント(FP)とし、これをどのくらいの人月で処
>理できたかを生産性とみます。

「ザ・ゴール」の54ページ目にこのようなセリフがあります。

    「君に言いたいのは、生産性なんてものは目標がはっきりわかって
  いなければ、まったく意味を持たないっていうことだ」

ソフトウェアの開発そのものは、「在庫」を増大させるだけで「スループット」
を増大させません。企業の目標である「お金を儲けること」に直接貢献する
わけではありません。
また、115ページ目にこういう会話が載っています。

    「あれは何かね」
    「倉庫です」彼が答えた。
    「何のための」
    「完成品をしまっておくためのです」
    「もし、あの倉庫をいっぱいすることが目的で物を作っているとしたら、
     会社は生き延びることができると思うかね」

ソフトウェアの開発もハードウェアの製造もそれ自体がお金を産み出すわけ
ではありません。TOCにおける増やすべき指標は、「スループット」であって、
「ボトルネックの通過量」ではありません。


>「在庫が減る!利益が上がる!会社が変わる! 会社たて直しの究極の改善手
>法TOC」ISBN4-8061-1595-9

この本の19ページ目から20ページ目にかけてこう書かれています。

 「正しい仕事は何かが正しく定義され、評価されなければ、誰も正しい仕事
 などするはずがない。会社に損失を与えてきたのは、人間が正しい仕事を
 行わない『仕組み』をつくりあげた会社組織そのものである」という考え方
 がTOCの根底にあるのです。