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Date:  Tue, 15 Oct 2002 01:28:07 +0900
From:  Toshihiko Honma <t-honma@....jp>
Subject:  [XP-jp:03816] Re: 無意味なソフトウェア開発生産性の計測
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20021015003417.0537.T-HONMA@....jp>
In-Reply-To:  <iss.437b.3da69116.c2999.1@....com>
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本間です。

> CMMなどの最大の問題は、ソフトウェアの開発だけを取り出して議論している
> ことにあります。

ソフトウェア開発だけを取り上げて、全体の生産性を図るのは片手落ちだと
思います。ですが、開発の生産性計測がまったくの無駄、というのは乱暴す
ぎる気がします。
開発コスト低減が重要視される場合もありますよね。そんなケースではどう
なるんでしょう?

> 生産性については、全体を見なければなりません。組込装置用のソフトウェア
> の開発なら、ハードウェアの製造、販売なども含めて生産性を考える必要が
> あります。パッケージソフトでも、開発だけではなく、販売も含めて生産性を
> 考える必要があります。

ソフトウェア開発手法だけで、生産活動全体をカバーするのは無理があります
よね。XPやCMMは、ソフトウェア開発にフォーカスを当てた手法なりフレーム
ワークですから、全体の生産性については別のスコープとして分析すべきであ
り、ことソフト開発の生産性向上については、CMMもそれなりに役に立つのかな、
と思うのですが。

> 開発部門にとっては売上の増加であっても、製造部門や販売部門にとっては
> コストの増加です。したがって全体から見れば、±0ということになり、
> その値が増えようと減ろうとそれ自体に意味はありません。

これだと、「生産性」=「売上げ」という図式に見えるのですが?
生産性とは、投入コストに対する生産量を向上することだと認識しています。
開発部門で、コストを増加させずに生産量を増やせば、全体はプラスになり
ます。また、「生産量」=「コードの量」ではありません。ここでの生産量
とは、実現できた機能数を言っています。
#この時、品質を犠牲にしたり次工程へのしわ寄せがあったりすると、±0、
#もしくは、マイナスになりますよね。

生産活動全体の中で特にソフトウェア開発に注目し、品質を維持しつつ生産
性を向上させる、というのがXPやCMMの目的だと思いますし、その効果を評
価するためには、純粋にソフトウェア開発だけの生産性を測定することも、
時として必要になると思います。

#CMMが提唱する測定方法・手法が無意味、というなら分からなくもない。
#ソフトの生産性測定方法で、なんかいいものないですかね?
#XP導入前と導入後で、生産性がこう変わった!なんて一目で分かるような
#指標があると、マネージャ説得するのも楽になるかな、なんて。

-- 
Toshihiko Honma <t-honma@....jp>