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Date:  Thu, 10 Oct 2002 10:45:05 +0900
From:  HAMAI Kyoichi <k-hamai@....com>
Subject:  [XP-jp:03810] Re: 皆様に質問
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <iss.4ec2.3da4dba1.bd613.1@....com>
In-Reply-To:  <006a01c25eab$94d76d80$df067a85@YAMAGUTI>
References:  <006a01c25eab$94d76d80$df067a85@YAMAGUTI>
X-Mail-Count: 03810

濱井です。
2002/09/18 09:37:34 +0900にy-yamaguchi2@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。

>> >・組織のプロセス成熟度(CMMレベル)が高くないと
>> >XPは成功・定着しないと聞いたが、これに対する意見。
>>
>> そんなことはないと思います。むしろ逆でしょう。
>> CMMは、ウォーターフォール型の重量級プロセスを高く評価しがちなモデル
>> であり、XPは、繰り返し型の軽量級プロセスですからCMM的には低く評価され
>> やすいことになります。
>
>上記のような回答をいただいたのですが
>具体的にはどのような評価の部分で
>ウォーターフォール型開発が評価され
>XPは低く評価されるのでしょうか?

具体的にどこがということはないです。
全体的にXPが想定しているようなソフトウェア開発とCMMが想定している
ソフトウェア開発が大きくずれているということです。

私がCMMをどう認識しているかは、[XP-jp:02865]、[XP-jp:02895]、
[XP-jp:02902]などを参照ください。

[XP-jp:02865]
>少し違うと思います。CMMは、ソフトウェア開発プロセスではなく
>工場の製造プロセスをモデルにしているのだと思います。
>
>仕事のばらつきが予想の範囲以内に収まり、改善を積み重ねて生産性を
>向上させていく。それは、優れたソフトウェア開発組織よりも優れた
>工場の方がピッタリきます。
>
>工場の製造プロセスをモデルにしていると判断した根拠は、CMMの
>レベル2が反復可能な(Repeatable)レベルとなっていることです。
                   (中略)
>CMMが工場の製造プロセスをモデルにしているから、ベルトコンベアなど
>による工場の流れ作業をモデルしたウォータフォール型モデルに合う
>のでしょう。

[XP-jp:02895]
>CMMとXPとを端的にあらわすと。
>
>    CMM: (顧客の要求等が)変化*しない*ことを前提にした開発モデル
>    XP : (顧客の要求等が)変化*する*ことを前提にした開発手法
>
>ということになると、私は認識しています。

[XP-jp:02902]
>CMMでは、充分なデータを蓄積して正確な予測をたてることを重視します
>が、事業環境の変化が激しいため、蓄積したデータはすぐ陳腐化して
>使い物にならなくなってしまいます。
>また、データの蓄積を待っていたのでは、新しい分野での事業活動など
>できません。
>
>発注元が詳細で正確な要求仕様を書いて発注するようなケースならCMMが
>有効かもしれませんが、XPが前提としているような要求仕様があいまいで
>変化しやすいケースでは、CMMに拘ると足をひっぱられることが多い
>でしょう。


こうした認識の下で、「CMM と XP」のスレッドにおけるようなCMM批判を
しています。