Index: [Article Count Order] [Thread]

Date:  Wed, 15 May 2002 02:03:00 +0900
From:  Matoba Tatsunori <matoba@....jp>
Subject:  [XP-jp:03452] Re: FYI: [NOS] 仕様変更に打ち勝つ
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20020515012631.3824.MATOBA@....jp>
In-Reply-To:  <20020514224518.ABC9.AKASAKA@....jp>
References:  <200205140424.NAA10079@....jp> <20020514224518.ABC9.AKASAKA@....jp>
X-Mail-Count: 03452

的場と申します。

On Tue, 14 May 2002 22:47:52 +0900
Hidehiko AKASAKA <akasaka@....jp> wrote:
> 紹介した当初、濱井さんが指摘された点についてはあまり意識していなかったの
> ですが、「仕事の流れを変えたがらないユーザーに対して、いかに中抜きできる
> かを考える」(記事p.97)については、ユーザー要求に対するソリューション(作
> 業を効率化した結果)として"中抜き"を行うものだと読んでいました。
> 読み直してみると、どうやら短期開発を前提に、例えば使用頻度の低さからシス
> テム化しなくても済むところは対象から外す(拒否する)とも読めてしまいますね。
> # もちろん、優先度を下げて後続のイテレーションでの開発に"後回し"すると
> # 読むことも出来ると思いますが…。
// 記事自体は読んでいないので、もしかしたら内容を履き違えているかもしれません。
// その場合はご容赦ください。

このやり取りを読んで思ったのは、私が最近読んだ「ライト、ついてますか-問
題発見の人間学」(ISBN:4-320-02368-4)という本のことです。
この本は様々な問題を例にあげてそれを解決しようとするときの教訓なんかが書
かれています。この本の第6部に「われわれはそれを本当に解きたいか?」とい
うのがあります。ここでいう「それ」というのは問題のことです。
この中で2つの教訓というものがあり、要旨としては
 ・問題の答えを出してみるまで本当にそれが欲しかったものかどうかわからない。
 ・その問題を本当に解いて欲しいと思っている人はいないかもしれない。
というものでした。(私が思った解釈です)

実際のシステムを作っていても、「作ってみたらあまり使われなかった」とか、
「使っていたとしてもごく小数の人だけだった」とかって、たまに(よく?)あり
ませんか。そういった要望としては確かにあるけど、「実際にそれが必要なのか」
「それは費用と時間に見合うだけのものなのか」というのはちゃんと考える必要
があるように思います。もちろんこれは顧客本位立場に立ったものであるべきで、
無闇に要求を減らすためのものにしてはいけないと思います。

結局何が言いたかったか言うと、「本当に顧客の要求をかなえるためには表面的
な要求を実現するのではなく、顧客の要求の裏にある問題を解決してあげなけれ
ばいけない」ということです。
それをするのは難しいことなんでしょうけど…。

それでは。

----
的場 辰徳
株式会社トスコ 東京支社
ITソリューション部 eソリューション課
  Email: matoba@....jp
  Tel  : 03-3498-5925
  Fax  : 03-3498-5928