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Date:  Tue, 16 Apr 2002 01:15:57 +0900
From:  Hidehiko AKASAKA <akasaka@....jp>
Subject:  [XP-jp:03354] Re: ソフトウェア職人気質
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20020416004643.8F37.AKASAKA@....jp>
In-Reply-To:  <200204151336.AA00369@....jp>
References:  <20020415160831.37B6.ANC04864@....COM> <200204151336.AA00369@....jp>
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村上さん、ごうぎさん、みなさん、こんにちは。
赤坂です。

やっと話題の9章を読み終えました(^^;;
それにしてもこの本、職“人気”質ですね(山田君、座布団とってしまいなさい!!)

On Tue, 16 Apr 2002 01:36:14 +1200
Masaaki Murakami <mmura@....jp> wrote:

> 村上です。

> 私は,現状の体制において管理者が行っている管理作業を大きく分類す
> ると以下の3種類になるのではないかと考えています。
> 
> 1.ボスとしての役割
>   (現場担当者に対する指示系統のトップとなる。)
> 2.インタフェースとしての役割
>   (チーム内外の人間関係を調整したり他システムとのインタフェー
>    スを調整する。)
> 3.庶務としての役割
>   (チームメンバの労務管理等)
> 
> McBreen 氏の考えを推察すると,管理者は「2」の役割が主であるべき
> で「1」の役割については熟練職人に譲るべきであると主張しているよ
> うに思えます。

なるほど、そういうことなのですね。

> 実際,管理者がボス然として開発の意志決定に介入すると,熟練職人に
> とっては迷惑であるだけでなく,自らに課せられた責任を全うできなく
> なります。

それもそうかも知れませんね。

> それに「2」の役割を担うというのは,実はものすごいスキルが必要と
> なるはずです。 (「人間関係」の扱いというものは,枯れたテクノロ
> ジではあるものの,ものすごく大変なことですよね?)
> こういったスキルを磨く以上,その管理者がいくら開発者上がりであっ
> たとしても,彼の技術知識やノウハウは開発者を辞めた時点で凍って,
> 「時代遅れ」のものになっているはずです。

これも確かによく言われることですが、
開発者(職人)側も積極的にコミュニケーションを取るという姿勢が
あっても良いのではないでしょうか?
# XPなどは開発者と顧客が積極的にコミュニケーションを取る方針ですよね。

この本でMcBreen 氏が明示的に書いてない理由はわかりませんが、

私は、熟練職人(≒リーダー)がプロジェクトの技術的なリーダーシップを発揮
し、つまり、プロジェクトの推進力となり、1人〜数人の弟子(≒メンバー)を
グイグイ引っ張っていく役割あるいはスキルを担い、
# もちろん、意気込みのある弟子の方も負けてばかりではない筈ですが・・(^^;;)
一方の管理者は顧客との約束事に関する責任と、プロジェクトが失敗するリスク
をコントロールして、プロジェクトの舵を取る役割を担うのかなと思っています。

どちらも、スキルは異なれど、「プロ」としてのプライドと責任を持っているの
だと思います。管理者も熟練職人もプロジェクトメンバーのモチベーションに関
しては細心の注意を払うのではないでしょうか?


> つまり餅は餅屋,開発に関する技術上の意志決定は熟練職人に任せる
> (つまり「1」の役割を放棄する)のが一番でしょう。
> ということで,技術知識やノウハウを知っていることで「物分かりの良
> い管理者」にはなれますが,それは必須では無いと思います。

そうですね・・・。

私は管理者はリスクを管理してプロジェクトの舵取りを行えることが必要条件だ
と思うので、やはり技術的なポイントについて全く無知でよいのかどうかについ
てはちょっと No Idea です。
# 技術あがりの管理者の場合には、少し問題点の共有という面で有利な気もしま
# すし、反面、技術を知らない管理者の場合、(ソフトの業界の未成熟さなどの)
# 問題を知らないことから妥協を許さない良い管理ができるかも知れませんし。

> 管理者の仕事がそれだけなのであれば「親方」の下に従属させても良い
> と思いますが,「2」の仕事が主であることを考えた場合,McBreen 氏
> の主張するように「管理者は職人と対等の立場である」とするのが,し
> っくりきそうに思っています。

管理者と開発者は別の次元でそれぞれ初級から上級のレベルが
存在するのでしょうね。
次元が違うという意味で「対等」なのかも知れませんね。

プロスポーツ(サッカー)の世界でも、監督より選手の方が給料が良いケースも多
々ありますが、それでもゲーム(の戦術や、出場選手の決定)は監督が行います。
でも、ゲーム中にトップ選手のいわゆる閃きにより試合の結果が左右されること
も良くあることですよね。
その点でも、役割の違いと報酬は必ずしも上下関係にある必要はないと思います。

> ところで,星野監督をプレーの参加者(開発者)と見るか,傍観者(管
> 理者)と見るかについては様々な意見があると思いますが,,,
> プロ野球監督は先発投手,打順の決定権を持っていたり,代打,代走等,
> 試合の流れを左右する戦略への直接介入権限を持っている点から言って
> プレーの参加者であると捉えて良いのではないでしょうか。
> (実際,乱闘時には蹴りも入れていますし。^o^;)
> そういった意味で,彼はプレーヤであり,親方であると思っています。

僕が小学生の野球少年だった時(?)、星野さんは中日のエースでした。自分が投
げた試合で降板させられたときなど、ベンチに戻るなりグローブを叩きつけて悔
しがるシーンが今でも焼きついています。それだけ、責任感をもって試合に臨ん
でいたのだと思います。その辺の野球への愛情というか、熱意に阪神の選手も目
を覚ましたのではないかと思います(勝手な想像ですが・・)。

僕も星野さんは、根っからの親方だと思います。

ではでは。

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Hidehiko AKASAKA (akasaka@....jp)
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