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Date:  Fri, 15 Feb 2002 10:39:55 +0900
From:  HAMAI Kyoichi <k-hamai@....com>
Subject:  [XP-jp:03218] Re: トヨタ生産方式と XP
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <200202150139.KAA09931@....jp>
In-Reply-To:  <000001c1b208$273baf70$4813fea9@....jp>
References:  <000001c1b208$273baf70$4813fea9@....jp>
X-Mail-Count: 03218

濱井です。
2002/02/10 16:53:56 +0900にhoriuchi@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。

>> > > ベルトコンベア方式には大きな弱点があります。ベルトコンベア方式で
>> > > は、各工程の時間が均一でなければならないので、最も時間のかかる工
>> > > 程と同じ時間を他の工程にも割り当てる必要があります。工程数が20で、
>> > > ある工程が20秒、他の工程が10秒かかるとすると、ベルトコンベア方式
>> > > では400秒かかることになります。一人屋台生産方式では、各工程に5割
>> > > 増しの時間がかかったとしても315秒ですみます。
>> >
>> > なんかずれてますね…わざわざ20のうち19もの工程の稼働率が半
>> > 分にしかならないようなものを考えるなら、それだけで効率が悪
>> > いことは明らかでしょう。わざわざターンアラウンドタイム云々
>> > をいわなくても。
>> >
>> > ある方式を批判するのにその方式を適用するのがもっとも不適切
>> > であることが自明なものを例に挙げる、といった意味の薄い論法
>> > はいい加減卒業したいものです。

考えやすいように、極端なケースや理想化したケースを基に考えるというのは、
普通の手法ですが?

それに、ベルトコンベア方式を批判しているつもりはなく、ベルトコンベア
方式は万能ではなく弱点があるというごく当たり前のことを述べているに
すぎません。


>> >> ・アーキテクト,プログラマ,テスタという区別がない
>>
>> 区別がある場合、各人員の比率と必要となる工数の比率が一致することは
>> まずありません。むしろ、アーキテクトは足りないがプログラマは余って
>> いる、プログラマは足りないがテスタは余っている、というような状態が
>> 発生する方が普通です。こうなると、全体から見ると効率がいいとはかぎ
>> りません。
>
>「一般には」各人員の比率と必要となる工数の比率が一致するこ
>とはないのですから、上記はむろん間違いではないわけですが、
>一致する(させることができる)場合に有効な方式を、前提条件の
>論理をそのまま裏返して、そうでない場合に有効でない、と主張
>することに、どのような意味があるのでしょう。

単なる具体例の記述であり、主張などしていません。
これも上記のも、分業により「ムダ」が発生する具体例です。
[XP-jp:03193]の。

>生産性を議論する場合、全体としての生産性を考えなければなりません。

へと続くものです。

分業は、部分的な生産性を向上させても、別のムダを発生させることがあり、
全体的な生産性を向上させるとは限りません。そういう例として挙げたもの
です。

こうした部分的な生産性の向上が必ずしも全体的な生産性向上につながらない
例を挙げて、部分的な生産性について考えるのではなく全体的な生産性に
ついて考えるべきだと言っているのです。

多くのトヨタ生産方式に関する本には、「見かけの能率」といった言葉で、
部分的な生産性の向上を目指すことに対する戒めが書かれています。