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Date:  Thu, 24 Jan 2002 04:42:39 +0900
From:  "M.Horiuchi" <horiuchi@....jp>
Subject:  [XP-jp:03099] Re: 生産量  (was CMM    と  XP)
To:  <extremeprogramming-jp@....jp>
Message-Id:  <005201c1a446$1dd7c330$96424e9d@....jp>
In-Reply-To:  <ulmepb2o0.fsf@....jp>
X-Mail-Count: 03099


いままでと違う観点から述べれば…

> 濱井さんの「ソフトウェアの価値=売上げ説」はそれと似たような種類の
> 発想の転換のことを言ってるように感じます。

それはそのとおりだと思います。

> ソフトウェアの価値とは何かということについて、
> 顧客がいったい何に対して金をはらってるんだということについて、
> 我々(誰?)はおそろかにしていたかもしれません。
>
> 生産性の論議はありうるでしょう。有用でしょう。プロセスもそうでしょ
> う。ソフトウェア工学、良くがんばってるでしょう。
>
> でも、それは、2の次、3の次、の要素です。2の次、3の次の要素が、自己
> 目的化して本当の目的を阻害することになってはいませんか、
> そうなってたら、駄目ですよ、というのが濱井さんの主張でしょう。(違うか
> も)
>
> ほんとに重要なのは売上げ(顧客が得る金銭的利益)であり、そちらに直結
> するような、十分な努力がなされてないのと違いますか? それに必要なの
> は例えば、見積もりを提出するだけじゃなく、顧客により利益をもたらすよ
> うな、
> 創造的提案、顧客ビジネスを見据えた機能(価値)を提案していくことかもし
> れません。
>
> その種のことが「定量的ではないから」といって、
> 軽視されてやいやしませんか? そっちが重要なんですよ実は本当は。
> みなさんは「ソフトウェア開発オタク」になってませんか?
> やるべきことはビジネスですよビジネス。
>
> というようなことではないかと。

ソフトを量で測ることは冒涜である、車輪の再発明をどう防ぐか、
など、これまでの濱井さんの発言を振り返れば、根底の主張は、
自分はもちろんすべての開発者のプログラムはエレガントであっ
てほしい、開発プロセスは創造的要素に満ちていてほしい、そし
てそれが正当に評価されてほしい、といったものではないかと思
います。

あるいは上原さんが挙げたようなことかもしれません。「ソフト
の価値=機能」に対して「機能=コスト」であると反論し、顧客に
無用な機能による肥大化を戒めている点などがそれに相当するか
と思います。

どれも開発者として実に自然な考えだと思います。しかしその延
長から導き出された「売り上げ=生産量=ソフトウェアの価値」は
穴だらけな論法であり、効果も逆になることを予感させました。

崇高な主張部分のみを評価&賛同し、論法の不備を大目に見るか、
崇高な主張であるからこそ根拠も感覚的なものではなく正攻法の
理論であってほしいと考えるか、人それぞれですが、私は後者を
選び、より強固な考えを確立してほしいと願ったわけです。また
は帰納的な表現を多用する文面の傾向から、本人も正面からの反
論を望んでいるのではないか、と。

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Michitaro Horiuchi / Access Co.,Ltd.
horiuchi@....jp / horiuti@....jp