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Date:  23 Jan 2002 22:46:39 +0900
From:  UEHARA Junji <uehara@....jp>
Subject:  [XP-jp:03093] Re: 生産量  (was CMM   と  XP)
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <ulmepb2o0.fsf@....jp>
In-Reply-To:  <000601c19f1c$8ca68af0$4813fea9@....jp> ("M.Horiuchi"'s message of "Thu, 17 Jan 2002 15:02:00 +0900")
References:  <ubsftzrbs.fsf@....jp> <000601c19f1c$8ca68af0$4813fea9@....jp>
X-Mail-Count: 03093

上原です。

"M.Horiuchi" <horiuchi@....jp> writes:
> ソフトウェア工学が扱うのはソフトウェアとその開発プロセスの
> うち定量化できる側面だけです。価値を丸ごと定量化するもので
> あると幻想を抱いているのは、主としてソフトウェア工学を否定
> する方々ではないかと。ソフトウェア工学が「定量化できないも
> のは扱わない」ということを被害妄想的に「定量化できないもの
> は切り捨てる」と勘違いしている方が多いように思います。ソフ
> トウェア工学が扱わないものはその外側で(主観的に定性的に)処
> 理すればよいだけです。

XPの核心はいままでのソフトウェア工学が扱わなかった領域に立脚していると
思います。既存のソフトウェア工学が、軽視し、結果的に踏みにじってきた領
域です。

というのは例えば、作る喜び、共同作業を通じてのミックスアップ(相互の高
めあい)、ゆとりのある作業、顧客から一方的に押し付けられるのではない作
業の勧めかた、etc...。いずれも定量化が難しいもんです。

  [それはともかく]

濱井さんの「ソフトウェアの価値=売上げ説」はそれと似たような種類の
発想の転換のことを言ってるように感じます。

ソフトウェアの価値とは何かということについて、
顧客がいったい何に対して金をはらってるんだということについて、
我々(誰?)はおそろかにしていたかもしれません。

生産性の論議はありうるでしょう。有用でしょう。プロセスもそうでしょう。
ソフトウェア工学、良くがんばってるでしょう。

でも、それは、2の次、3の次、の要素です。2の次、3の次の要素が、自己
目的化して本当の目的を阻害することになってはいませんか、
そうなってたら、駄目ですよ、というのが濱井さんの主張でしょう。(違うかも)

ほんとに重要なのは売上げ(顧客が得る金銭的利益)であり、そちらに直結す
るような、十分な努力がなされてないのと違いますか? それに必要なのは
例えば、見積もりを提出するだけじゃなく、顧客により利益をもたらすような、
創造的提案、顧客ビジネスを見据えた機能(価値)を提案していくことかもし
れません。

その種のことが「定量的ではないから」といって、
軽視されてやいやしませんか? そっちが重要なんですよ実は本当は。
みなさんは「ソフトウェア開発オタク」になってませんか?
やるべきことはビジネスですよビジネス。

というようなことではないかと。
違ってたらすみません。

--
§NTTS○FT 技術開発部エレクトロニックコマース技術センター 上原 潤二 §
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