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Date:  Thu, 25 Oct 2001 12:51:20 +0900
From:  hamai@....jp
Subject:  [XP-jp:02722] Re: XP と科学的管理法 (Re: XP 	と Taylorism)
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <200110250351.MAA13585@....jp>
In-Reply-To:  <200110240850.RAA11293@....jp>
References:  <200110240850.RAA11293@....jp>
X-Mail-Count: 02722

濱井です。
2001/10/24 17:50:23 +0900にwashi@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。

>しかしながら、そのような基本活動そのもの、あるいは、基本活動を
>含む活動全体が "同じ生産物を作る、同じプロセスで遂行される" ものと
>認知されているとは限らないと考えます。
>
>[Taylor57] 中の "時間研究の適用範囲わ広い" の節から、
>テイラー自身による上記に関連する記述を以下に引用します。
>
>[Taylor57]
>> 私わかつて優秀児と普通児が数学の問題を解く速さについて時間研究を
>> したのを見たことさえある。事務もまたこれを時間研究に附することが
>> できる。事務わ一見してその性質が極めて雑駁なように思われるけれど
>> も、やはり時間研究によって日日の過程をきめることができる。

これは、「正解」という同じ生産物を複数の人間が各々作るケース
にあたると思います。


>"その性質が極めて雑駁なように" 思われるため、同じ生産物を作るとも
>同じプロセスを経るとも認知されていない社会活動について、その管理に
>科学的管理法の一部(例えば時間研究)を適用し、得られた結果から推論
>することで、元の社会活動全体(または一部分)が、同じ生産物を作る、
>あるいは、同じプロセスを経るものと認知されるようになる可能性がある
>と思います。

そういうケースもあるだろうことは否定しません。


>[XP-jp:02697]
>> 同じ生産物でも同じプロセスでもないのに管理できるとしたら、
>> 作曲したり、小説を書いたり、学術研究したりすることもテイラリズム
>> で管理できるということになりませんか?
>
>従いまして、作曲したり小説を書いたりするような、同じ生産物を作る、
>あるいは、同じプロセスを経ると現段階では認知されていない社会活動に
>ついても、科学的管理法が有効な可能性を否定できないものと考えます。

これらやソフトウェア開発では、何をするのか不明確なんですが。
曲や小説やソフトウェアの内容は、最初に決まっているのではなく、
徐々に決まっていくのです。生産物を明確にしていくプロセスである
と言えます。
喩えて言うなら、走るということはわかっているが、走る距離は
わからないようなものです。走る距離が100mか、1,000mか、10,000m
かわからないのにタイムが予想できますか?
それどころか、ソフトウェア開発では、水の上を走るような無理なこと
を最初に要求されることすらあります。


>[XP-jp:02657]
>> 「Coding Standars」などの文書標準や時間の見積もりって、XPに
>> 限らず、ソフトウェア開発のプロジェクトでは、ごく普通のことでは?
>> 無用の混乱を防ぐための標準化は、現在のほとんどのビジネスで普通の
>> ことだと思いますし、時間の見積りを行わないビジネスなど想像するのも
>> 困難です。
>[XP-jp:02697]
>> コーディング標準や時間の見積りは、ソフトウェア開発においてXP*だけ*
>> の特徴ではない、と言っているつもりですが。
>
>[XP-jp:02657] では "ソフトウェア開発のプロジェクトでは" と記述されて
>いましたが、[XP-jp:02697] 中では "ソフトウェア開発において" と記述
>されています。

個人の趣味での開発を除いて、ソフトウェア開発はほとんどプロジェクト
として実行されると認識しているので、特に区別は意識しませんでした。