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Date:  Mon, 2 Jul 2001 17:30:28 +0900
From:  "hasegawa" <hasegawa@....jp>
Subject:  [XP-jp:02064] Re: ObjectDay2001 ... XP related sessions
To:  <extremeprogramming-jp@....jp>
Message-Id:  <020f01c102d1$4a09c820$640aa8c0@g6x400m>
References:  <20010622094730V.hiranabe@....jp> <006501c102ac$ed751bb0$640aa8c0@g6x400m> <3B401BB6.B5D97331@....jp>
X-Mail-Count: 02064

長谷川@テクノポートです。

----- Original Message ----- 
From: "Gunji Tsukuda" <tsukuda@....jp>
Sent: Monday, July 02, 2001 3:59 PM

> 佃です。
> 
> hasegawa wrote:
> > 
> > 長谷川@テクノポートです。
> > 
> > 「ソフトウェア工学研究会」は、太田さんのレポートを読んで、
> > 全体の輪郭がわかってきました。ただ、やはりこの討論には、
> > ちょっとがっかりしました。全体性を視野を入れていないというか、
> > 最後には、憤慨の一歩手前まできました。
> > 
> > なにがと言うと、やたら既に提唱していたとか、やっていたとか、
> > アメリカが追いついてきたといった発言です。思わず、それなのに
> > 誰もついてこなかったのは、何は恨まれることでもしたんですか、
> > と突っ込みたくなりました。
> > #だめですね、こういう否定的反応しかできないのは(^^;。
> > 
> 
> 私も「アメリカが追いついてきたといった発言」には素直に同意で
> きません。
> 何をもってそのように言っているのか、それは本当にアメリカでは
> 行われてこなかったことなのか?
> 
> 参加者の誰かに解説して頂けると、とってもうれしいなあ。。。

私は参加者じゃありませんが、少しばかり。

既に藤野さんも豪語されているように(^^!、個々のプラクティスに関しては、
どこででも行われていたことと思います。それを自分だけの発明と思うのは、
やはりいきすぎと思います。

引用すると、この部分ですね。
    また某先生から「結局、XPは20年前に自分が1人でミドルウェアを作って
    きたときにやっていたことだ。そして我々はこの20年間、建前はともかく
    決して『ウォーターフォール』でなど開発をしてこなかった。直前まで顧客の
    要求修正が入ってまた直して、というのは誰しもが本来はよくないと思いつつ
    ずっと行われてきたことだ。つまりXPというのはやっと日本のやり方にアメリカが
    追い付いてきたということではないか」と名言をものして爆笑と拍手。
???です。特に、「誰しもが本来はよくないと思いつつずっと行われてきたことだ」
が圧巻かと。ということは、XPは「本来よくないと思いつつずっと行ってきたこと」を
正当化してくれる、大変重宝なものにでもなるんでしょうか。何か、読みが違っている
という感じです。これらのことは自分たちのことなんだから、もう少し誠実に立ちあう
べきと思います。

あ、それといい忘れたことがありました。「On-Site Customer」です。
#佃さんすみません、別の話題まで持ち込んで。

私はてっきり、そこでの抵抗は、Customer側にあると思っていました。
でも読んでいると開発側なんですね。でも、もしそうなら、あの指摘は
示唆に富んでいるんだろうか?

顧客に対してすべてをオープンにすることに抵抗があるというのは、
単に泳いだことがないので、水が怖いというのと似ていると思います。
あの文章にある「メーリングリスト」は別のことでしょう。あれは単に
必要のない情報を流さないということに尽きます。

失敗したとき、とか、かっこ悪いというものは、お互い様です。
自由度という観点からすると、開発側の方が自由度が高いケースが
多いと思います。顧客側の方が、ずっと束縛された状態で、
括弧の悪さとか、連絡の不備など顧客側の方が多いと感じています。

それに、失敗そのものには意味はありません(致命的な失敗は除外しますが)。
手を抜いた失敗については、しかめっ面を見せるかもしれませんが、
周到に計画を立て、失敗したときは、それは顧客の身代わりのようなもので、
むしろ顧客にも重要な情報となるのではないでしょうか。
それに、そういう場合は、たいてい仕様やシステム環境と関係していて、
顧客側の方にとってこそ重要なケースもありますし。

そもそも、顧客との信頼関係がなければどうしようもないことなのですが、
この信頼関係というのは、私の経験の範囲ですが、技術的に優れている
というよりも、どれだけ顧客の身になって、ついてきてくれるかに掛かっている
ように思います。実際、その点だけで、発注先を変えた事例をいくつか見ています。

よほど問題がない限り、誠実に対応する発注先を顧客は選ぶと思います。
#といいつつ、よほど問題があるケースが多すぎるようですが。

個人的には、「On-Site Customer」に関しては、必須項目の先頭グループに
あると思っているので、これがなければ、まあXPプロジェクトは継続していけない
と思っています。

-- 長谷川(hasegawa@....jp)