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Date:  Mon, 2 Jul 2001 13:10:12 +0900
From:  "hasegawa" <hasegawa@....jp>
Subject:  [XP-jp:02055] Re: ObjectDay2001 ... XP related sessions
To:  <extremeprogramming-jp@....jp>
Message-Id:  <006501c102ac$ed751bb0$640aa8c0@g6x400m>
References:  <20010622094730V.hiranabe@....jp>
X-Mail-Count: 02055

長谷川@テクノポートです。

平鍋さん、以下のレポートを読ませてもらいました。
お忙しい毎日を送られているようですね(^^。

#また、しばらく忙しくなるかもしれないので、
#今とばかり、ポストさせてもらいます(^^;。

> オージスさん主催の,ObjectDay2001 での,XP がらみの報告です.
> ・XP談義 - その有効性を問う -
> http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/specials/oday2001/report/A3.html
> ・体験XPレポート    -嗚呼、人生即二人組実装哉
> http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/specials/oday2001/report/W3.html

> 6/28,ソフトウェア工学研究会で,XPの発表をしました.
> 内容は,簡単な XP の導入と,XP-jp ML でのアンケートの報告を
> 含めた日本に置ける XP の現状です.
    ...
> その時の参加者の方(SRA近藤さん)のレポートです.
>   http://www26.freeweb.ne.jp/diary/kondo_hi/2001/06/ipsj.html

                                ☆ ☆ ☆
最初の「XP談義 - その有効性を問う -」は、楽しく読ませてもらいました。
擁護派の人も懐疑派の人も、全体をしっかり踏まえて、討論しているので、
読んでいても、気持ちがよかったです。藤野さんも、あれじゃ懐疑派か
擁護派かよくわからないですね(^^。

ひとつ疑問に思ったのは、Fowlerさんが50人規模のプロジェクトでXPを
運用していると言ったことでしょうか。もし、本当に50人の人がいるなら、
やはりそれは10人から構成されるXPプロジェクトとは、構造も質も違って
いると思いました。いくらできる人でも、10人から20人規模までが、仕様、
設計、実装を把握できる限界だと思います。50人規模だと半分以上が、
推論で考えなければなりません(ひとつの根拠に過ぎませんが)。

最後にかかれている懐疑派の人の危惧、つまり、個々のプラクティスだけに
目が向けられて、XPに挑むことは危険性は、私自身も同じです。とはいえ、
ここのようなMLがあれば、それもカバーできるのではないかと思っています。

                                ☆ ☆ ☆
「体験XPレポート    -嗚呼、人生即二人組実装哉」に関しては、
何ともいえそうにありません(^^!。ちょっと問題の趣旨がわかりませんでしたし、
果たして一時的に構築されたToy空間での実践が、どこまで通常の場合に
有効なのか難しいところです。継続したチームで、リズムの波がある場合とは
別物になったりしないのでしょうか?確かに、XPの実践がどういうものか、
まったくイメージできない人には役に立ったかとは思いますが。
#パートナー同士の会話は面白く拝聴させてもらいました。

                                ☆ ☆ ☆
「ソフトウェア工学研究会」は、太田さんのレポートを読んで、
全体の輪郭がわかってきました。ただ、やはりこの討論には、
ちょっとがっかりしました。全体性を視野を入れていないというか、
最後には、憤慨の一歩手前まできました。

なにがと言うと、やたら既に提唱していたとか、やっていたとか、
アメリカが追いついてきたといった発言です。思わず、それなのに
誰もついてこなかったのは、何は恨まれることでもしたんですか、
と突っ込みたくなりました。
#だめですね、こういう否定的反応しかできないのは(^^;。

要は、全体性を見ないで、要素的に一致していれば同じものと判断する
その辺りですね。そのせいで、XPの評価も何か間違っているように思えてきます。
「一人でやった時のプラクティス」とは、違います。XPからチーム性や
コミュニティ性をとれば、XPではなくなります。プラクティスは、全体の光のあたる
一部に過ぎません。それを支える地の領域、構造が大切だと考えています。

XPを全体性として見ようとすれば、何らかの外部からの力、たとえば
仕様変更でも、期間変更でもが通達された場合の、その組織の反応を見れば、
通常のリアクションと違ってくると想像しています。たとえば、通常なら、その部分が
自分の担当範囲かどうかを判断し、ほっとする人としかめっ面をする人に分かれます。
しかし、XPでは、どうもそういうイメージが絵になりません。これは、組織、チームの
構造が、他と違っているひとつの徴だと思います。

プラクティスの見方を逆にすると面白いかもしれません。
まず、これらのプラクティスを実践できるような集団を構築すること。
そうすれば、その地となる構造も次第に構築されていくだろう、と。
言いたいことは、プラクティスそのものではなく、そのプラクティスを通して、
ソフトウェア開発として必要な人間の構造的基盤といったものを構築して
いけるんじゃないかということです。

#そしてコミュニケーションの大切さも、基本的にはこのことに
#根ざしていると思っています。組織化というと、個を無視したり、
#制約したりする印象がありますが、そういった組織ばかりじゃない
#でしょう。ただ、コミュニケーションがないと、この状態が確実に
#発生してきそうです。

                                ☆ ☆ ☆
最近こもりがちな状態でもあり、平鍋さんの案内のおかげで、
いろいろと今回りで起こっていることについて考えることできました。
#単なる反応に過ぎないのかもしれませんが(^^!。

ありがとうございました。

-- 長谷川(hasegawa@....jp)