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Date:  Thu, 30 Mar 2000 16:56:09 +0900
From:  Yutaka Kamite <y-kamite@....jp>
Subject:  [XP-jp:00071] Re: options[Re: Chapter 3 Economics of Software Development の解説 ]
To:  extremeprogramming-jp@....jp (extremeprogramming-jp ML)
Message-Id:  <4.0.2-J.20000330163132.02b41b10@....jp>
In-Reply-To:  <4.2.0.58.J.20000330144211.00b37850@....jp>
References:  <B5027E71.9B9%khosokawa@....com>
Posted:  Thu, 30 Mar 2000 16:58:31 +0900
X-Mail-Count: 00071

はだ@日本ユニシス さん、こんにちは。
上手@データ通信システム です。

金融のプロに解説いただいて有り難いです。

At 16:18 00/03/30 +0900, you wrote:
> はじめまして、はだ@日本ユニシスです。
> 
> 上手さんのコメントに、コメントしようとしましたが、断念し、
> 元のメールにそって、意見を書きます。
> 
> ここでの、オプションは、明らかに金融派生商品である、オプションにかけていま
す 
> から、
> オプションと訳すのが、いいと思います。
> # オプションが何ものかは、Fowler の Analysis Pattern も参照してください。
> オプションは、「金融商品の売買権利」を売買する、取り引きです。
> 金融派生商品は、皆、リスクを回避する(他人にまわす?)のが目的です。
> 
> リスクは、ボラティリティに依存します、これが”不確実性”に相当するでしょう。
> # 
> ボラティリティは、収益率の標準偏差の関数です。つまり、儲けが大きくなる、小
さ 
> くなる
> # その不確実性の幅です。
> 
> オプションには、オプションスタイルと言うのがあって、普通は、call(買う)/put 
> (売る)ですが、
> ここでは、abandon,switch,defer,grow 
> をする、しないを、オプションスタイルとして、設定している
> のでしょう。
> # kinds of options が、オプションスタイルに相当するのでしょう。
> 
> five factor は、通常の金融オプションでの計算モデルのファクターです。
> 実は、オプションには、アメリカン・スタイルと、ヨーロピアン・タイプがあり、
ア 
> メリカン・タイプの
> 計算公式は、決まっていないようです。
> # 
> ヨーロピアン・タイプのプレミアム計算公式の代表が、今話題のブラック・ショー
ル 
> ズ・モデルです。
> # 権利行使日が、満期日のみが、ヨーロピアン・タイプです。
> ちなみに、"exercise" は、"行使する"、がその分野での訳として定着しています。
> 
> この辺については、(手前?味噌ですが)例えば、
> < http://www.unisys.co.jp/tec_info/tr61/61abs.htm#6104 >
> をご覧ください。
> 
> で、five factor 以降の展開ですが、
> five factors のうち、不確実性が、オプションの価格を決めます。
> # そうでなければ、無リスク利子である、普通の貯金をすればいいわけです。
> 
> リスクがあるから儲かる、というのが、オプションで儲ける方法です。
> ソフトウェアにおける、リスク=不確実性を列挙しているのが、その下の4点です。
> 
> 結局、不確実性が高まると、危なくなる、従来の手法にくらべ、
> xp は、不確実性が高まると、より力を発揮する、と言っている、と思います。
> # ちょうど、オプション取引のように。
もう一度読み直して見ました。
説明いただいた通りの流れになっています。
読み違えました。

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>> 「From this we can make a concrete prediction.」を訳したのですが、「this」は、
> >「不確実性」のことですよね?]仮に選択枠の分析を行って、プロジェクトの価値を
>thisは「オプションの(現在)価値」を指すと思います。
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上記のコメントを下記に訂正します。
「thisは、前の文全体、オプションの価値はほとんどが不確実性で占められている、
ということを指すと思います。」

> 
> さて、計算方法ですが、変動する確率を積み重ねるため、先ほどの five factors 
> を含む、
> 偏微分方程式を、解かなければなりません。
> 
> 解き方を知るには、本屋に積まれている、金融工学本のいずれかを読むことになり
ま 
> す。:-)
> 
> ボラティリティが無いときは、上手さんがおっしゃるように、いわゆる現在価値への
> 割り戻し、でいいでしょう。
> 
> で、Kent Beck 氏も、おそらく自分で計算したのではないのでは?と思えるのが、
> p.11 の注: Thanks to John Favaro for the analysis of XP with options 
> pricing です。
> 
> それでは。
> ---
> Akihiro Hada
> Akihiro.Hada@....jp
> ---
> 

(以下、略)
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y-kamite@....jp
上手 裕(Yutaka Kamite)
(株)データ通信システム 品質推進部
tel:03-3437-7524  fax:03-3437-7521
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