Date:  Wed, 17 Mar 2010 17:41:33 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2010-11号】
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                          No.319 2010/03/17

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┣【アジャイル】アジャイル・プラクティスの見つけ方 [13]
┃              〜制約の中から新たな習慣を見つける〜
┣【PF】たまには仕事に役立つコミュニケーションのヒント [32]
┃      〜ソーシャルメディアに学ぶオープンコミュニケーション〜
┗ 編集後記

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┣【アジャイル】アジャイル・プラクティスの見つけ方 [13]
┗              〜制約の中から新たな習慣を見つける〜

こんにちは。チェンジビジョンのこんぴろです。突然ですが、僕は花粉症なの
です。つらい季節の到来です。木々は春の到来を喜んでいるのに、なんでこん
なにつらいんでしょう。これは東京の排気のせいかも知れません。チェンジビ
ジョンの製品であるastah*シリーズの開発は福井で行われているので、時々そ
ちらで働けないものか、と考えることがあります。でも福井の方が東京以上に
緑が豊かなので、花粉がもっと飛んでるかもしれません。

さて、いきなり福井の話を出したのは、最近仕事で福井のメンバと一緒のチー
ムで開発を進めているからです。XP本第2版[*1]や、TAOAD本[*2]には全員同席
がプラクティスとして記述されていますが、状況によってはチームが分散した
環境で仕事をせざるをえない事もありますよね。僕がこのプロジェクトに参加
したのはつい最近なのですが、確かにとてもやり辛い面がたくさんあります。

例えば朝会。朝会はSkypeの電話会議でしています。電話会議は画面を見ながら
話せるのはいいのですが、準備だけで5分かかってしまう事もあります。マイク
をつないでから電話を取らないと、マイクからの音声を、Skypeが拾ってくれず、
他のメンバを待たせてしまいます。それから朝会の間、チームの様子が伺えな
いのはなかなか良い感じではありません。朝会ではスクラムのデイリースクラ
ムよろしく、昨日やったこと、今抱えている問題、今日やることの3項目を話す
のですが、その3項目だけに絞るため、今抱えている問題を関係者だけで話そう
としても、アイコンタクトなどが取れるわけではありません。結局その場で話
が始まります。そうなると関係していないメンバもいるので、時間がもったい
ないと感じる事もしばしばあります。

でも電話会議の良い面もあります。例えばアジャイル・プラクティスの見つけ
方の一番最初にご紹介した「ナビゲータ・ログ」[*3]ですが、ここでは形を変
えて「朝会のための作業ログ」になっています。分散環境のため、ペアプログ
ラミングをするのが難しく、個人で作業をしているのですが、朝会で報告する
ために、各メンバーはTracのブログにログを残す事が習慣になっています。ロ
グのタイトルは「日付+名前」です。僕は毎日タイトルをつけるのが面倒だっ
たので、タイトル入力を補助するBookmarkletを作成しました。すると他のメン
バからChrome Extensionだったら自動でタイトルが入ってもっといい、という
アイディアが。気づくと彼がちゃちゃっとベースを作ってコードをくれたので、
アイディアをもらいつつ少しずつ育てています。例えばログ用のテンプレート
の保存ができたりしています。Chrome Extension、結構作るの簡単です。

おっとっと。脱線しましたが、「チームが分散した環境で開発する」という制
約が、新たな行動のパターンを産みだした、ということをお伝えしたかったわ
けです。パターンを書いてみるとこんな感じ。

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● プラクティス名「3つの記ログ」
デイリースクラムには、昨日やったこと、今抱えている問題、今日やることの
3つの報告が不可欠だ。遠く離れたメンバにより正確に伝えるためには話だけで
はなく、共有できる環境に記述をしよう。

● 悪魔の囁き
「あっちのメンバはあっちのメンバでうまくやれるだろう。適当に口で報告し
ておけば、なんとかしてくれるだろう」

● 天使の言葉
「分散しているチームでは思った以上に情報の共有が難しいでしょう。できる
限り複数の手段で情報を共有することで、より情報の帯域幅を広げられます」

● こんな気分
「なるほど。彼がこの話をするのであれば、後で話をしないといけなさそうだ」

● バランスが肝心
デイリースクラムを阻害するくらい長文のログを残さないこと

▲ 見つけた背景
デイリースクラムでメンバに報告する際、口頭だけでは散らばったメンバで共
有し辛いため、1つの場所に記録を集めていた。
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今回は制約された環境から新たなプラクティスを見つけてみました。次回もお
楽しみに。最後に宣伝ですが、QConTokyo[*4]でお話をさせて頂くことになりま
した。デブサミでお話させていただいたOSGiなど、最近良く取り上げられる、
Javaを取り巻くモジュール化にまつわる話です。3月19日まで早期割引がありま
すので、ぜひご参加ください。(こんぴろ)

[*1] XPエクストリーム・プログラミング入門 第2版
     http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894716852/xpjp-22
[*2] アート・オブ・アジャイル デベロップメント
     http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873113954/xpjp-22
[*3] アジャイル・プラクティスの見つけ方 [1] -ナビゲータログ-
     /ml-arch/magazine/265.html
[*4] QCon Tokyo 2010(ぜひご参加ください。19日まで早期割引です!)
     http://qcontokyo.com/

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┣【PF】たまには仕事に役立つコミュニケーションのヒント [32]
┗      〜ソーシャルメディアに学ぶオープンコミュニケーション〜

先日参加したPMカンファレンス2010やDeveloppersSummit2010の会場で、参加者
のソーシャルメディア活用に大変刺激を受けました
というのもこんな具合です。
例えば、コミュニティーブースで著者のサイン会が始まると情報が共有され、
セッションに参加したらその後に感想をつぶやいてみたり。
多くの人たちがTwitterやFacebookやUstreamなどをきちんとモラルを遵守して
使い、会場内外と自由にコミュニケーションをとっている姿がありました。
そんなことでびっくりしている私はまだまだ序の口?

● オブラブにもユーザー多数
「ソーシャルメディアになんぞ、手を出すもんかい!」と斜にかまえていた私
も、いまやなかなかのユーザーへと転身。
主な利用用途は単純な書き込みが殆どですが、本やネット記事の紹介をしたり
Twitterを使ったイベントなどにもチャレンジしてみました。
オブラブのスタッフにもユーザーは多数。
海外のエンジニアや本の著者とつながっているひととか、イベント情報を流し
たり、育児やペットのことを書いている人もいます。
いろんなきっかけでその人のパーソナリティーを知る機会はありますが、ソー
シャルメディアという仕組みを使うと、オンタイムにしかも短いメッセージで
簡潔にその瞬間が伝わってくるところがよいのかもしれませんね。
まだまだいろんな利用のスタイルが生まれてきそうです。

● オープンコミュニケーションの鉄則は「発信」から
ここまでご紹介してきたソーシャルメディアの一番の魅力は、オープンコミュ
ニケーションであること。
つまり、オープン、フラット、トランスペアレント(透明性)のどの観点からみ
ても、バランスよくコミュニケーションされています。
仕事の情報をオープンコミュニケーションにするのは難しいことが多いと思い
ますが、パーソナルな部分でしたら可能性はあると思います。

  ・最近読んだ本からなにを学んだか?
  ・個人的に勉強していること
  ・やってみたいと思っていること
  ・チームや組織のために自分がやっていること(個人的なプラクティスなど)
  ・参加してみたイベントの学びや感想
  ・仕事に取り組む姿勢など

そう考えると、文字からはじまるコミュニケーションというのも自分にあって
いれば楽しく無理なく(しかも無料で!)世界を広げてくれますね。
まだこれからという方は、いかがでしょうか?

● 広がりゆくコミュニケーション
先日とある方と名刺交換をさせていただいたとき、「あ!Twitterでフォローし
てますよ」というところから会話がスタートし、初対面ながら初対面ではない
といった不思議なできごとがありました。
インターネットの普及が第一次だとすると、iPhoneなどのスマートフォンの登
場は、また新しいきっかけを作ってくれました。
どうしてもいつも同じ顔同士、同じ業界同士で集まってしまいがちです。たま
には勇気を出して新しいつながりを作ってみること。
そこでまた、いろいろな成長や学びが起きるはずです。(上田雅美)

私のTwitterアカウント: @Anegokikaku

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┗編集後記

こんにちは、編集人のナガタユウコです。今回のメルマガを編集するまで気づ
いていなかったのですが、3月もあと2週間なんですね。早いなぁ・・・。4月に
は社会人1年目となる方、そして逆に新入社員を迎え教育担当となる方も多いの
ではないでしょうか。お互いに刺激しあって成長していく、そんな先輩後輩関
係を築けるといいいですよね。私も入社1年目の4月を思い出し、気持ちも新た
にがんばろうと思います!

*** オブラブスタッフ自己紹介 ***
No.06 畠山
( @htkymtks, http://d.hatena.ne.jp/thata/ )
こんにちは。オブジェクト倶楽部の外角低め担当、畠山です。なぜか「ちくわ
の人」と呼ばれることもあります。オブラブでは主に裏方っぽい仕事をしてい
ます。普段の仕事はRubyでアジャイルなシステム開発を、最近ではiPhone開発
をやってたりもしています。
自己紹介を書けと言われているのですが、今日はこの場をお借りして私オスス
メの万年筆を紹介させてください。その名を「ペリカントラディショナルM200
マーブルブルー」といいます。ペリカンM200シリーズはペリカン社の万年筆シ
リーズの中では普及版の製品ラインなためにペン先はちょっと安っぽいですし
書き味も少し固めで決して私好みではないのですが、小振りでかわいらしいこ
とと、見ていて吸い込まれるようなペン軸のマーブルブルーがいいんだよなぁ
(うっとり)。あとキャップの先に描かれたペリカン社のシンボルマークである
ペリカンの親子がとてもかわいらしくて見ているだけで癒されちゃいます(ぽわ
わわーん)。ペンのたたずまいの重厚さや書き味を重視する上級者にはすこし物
足りないかもしれませんが、かわいらしい文具を愛する入門者〜中級者にオス
スメの一本です。
そんな私が愛してやまないペリカントラディショナルM200マーブルブルーです
が現在は製造中止で絶版となっており店頭にある在庫が残るのみとなっている
そうです。既に持っている私も予備としてもう一本欲しくなっちゃいますね。
お値段は8000円程度と少しお高めなので(万年筆にしては安いのですが)ぜひ店
頭で実物をご覧ください。ペン軸のマーブルブルーにうっとりしちゃうことう
けあいです。あなたもかわいいペリカンの里親になってみませんか?(畠山)

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