Date:  Wed, 03 Mar 2010 17:16:27 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2010-09号】
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                          No.317 2010/03/03

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┣【要件定義】要求とか要件についての四方山話 [1]
┃            〜「要求」と「要件」〜
┣【プログラミング】Flex 3 SDKとPapervision3Dで三次元を遊ぶ [10]
┗編集後記

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┣【要件定義】要求とか要件についての四方山話 [1]
┗            〜「要求」と「要件」〜

こんにちは、平田です。
今回から、要求とか要件に関してよくある問題についてメルマガの中で取り上
げて話を進めていくという連載を始めます。
おそらく大半は、私自身も悩んでいることの問題提起にとどまるのではないか
という予感もありつつ(汗)、いろんなことを議論していければと思います。

第1回目となる今回は、「そもそも要求とか要件の区別って?」です。システム
開発の最初に行うのは、要求定義?要件定義?要求開発なんて言葉も存在して
いますね。
その中でも、取り扱う対象のものの名前が「要求」なのか「要件」なのかはよ
く議論が分かれるところです。

おそらく意見は次の2種類に大きく分かれると思います。

(1)両方とも英語ではrequirementsなのだから、区別する方がおかしい![*1]
(2)要求は顧客が欲しいもの、要件は要求をシステムとして実現する方法。これ
   を区別しないからシステム開発がうまくいかないんだ!

それぞれもっともだとは思いますが、私は(1)の意見が好きです。[*2]
要求と要件という2つの言葉を分けたところで、どうせその示しているだろう領
域の全体をカバーしきれないと考えているのが、その最大の理由です。
requirementsを要求と要件と分割してもそれぞれが示すものを周囲の人と即座
に共有できないのであれば、要求と呼ぶか要件と呼ぶかを決めてしまった上で、
その中の用語を分割して使い分けた方がよいと考えるからです。

仮にシステムに求められるものを「要件」と呼びたいのであれば、それは「シ
ステム要求(要件)」と明確に呼んでしまった方がよいのではないでしょうか。

ちなみに個人的なイメージですが、要求工学などのアカデミックな世界では要
求、産業界では要件と呼ぶ傾向が強いように感じています。
これまでに出版、翻訳された書籍で、要求と要件という言葉がそれぞれ使われ
てしまっているので、もうこの用語の統一は難しいのかもしれませんね。

ということでこの連載のタイトルは「要求とか要件についての四方山話」とし
ます。名称をどうするかという問題は無視してよい問題ではないけれど、議論
の進展の中で、おいおい考えていきましょう。連載の中では「要求」と「要件」
は特に区別しないこととします。[*3]

次回は「要求(要件)」とは何かということを中心に話を進めたいと思います。
要求と要件を分割しないということについても掘り下げてみたいです。
お楽しみに!(平田)

[*1] 要求は英語に訳すとrequestの方が自然かもしれませんが、ここでは区別
     しないという意見の紹介です。
[*2] オブラブメンバーによるレビューでも、意見が分かれてしまうので、異論
     はきっとあるかと思います。ご意見ください!
[*3] と、言いつつ今後の連載の中でなんらか無意識に使い分けるシーンが出て
     くるのではないかとドキドキしているのも、この問題の根の深さかもしれ
     ません。

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┗【プログラミング】Flex 3 SDKとPapervision3Dで三次元を遊ぶ [10]

★ 今回のサンプル
http://wonderfl.net/code/d53364f465a0ac09555d273fb7132f98b8b3e01b
前回のサンプルをwonderflに載せました。

こんにちは、オブジェクト倶楽部の水越です。前回から、卒業製作でどうぶつ
しょうぎを作り始めて、今回はコマが動くようにする予定でしたが、ちょっと
より道をすることにしました。今後も気分次第でふらふらとより道しますので
卒業製作がいつ完成するかまだまだ未定です。

★ wonderfl build flash online
今までは、この連載で作成したサンプルコードはDropbox[*1]のパブリックフォ
ルダに入れて公開していたのですが、もっといい方法があることに気がつきま
した。それはwonderfl[*2]です。wonderflはFlashのソースコードをビルドして
公開してくれるサービスです。以前から知ってはいたのですが、最近たまたま
チェックしたところ、この連載で使用しているライブラリ(Papervision3D、
Box2DFlashAS3、Tweener)が使えるようになっていたので乗り換えを決心しちゃ
いました。

★ wonderflのいいところ
wonderflで公開しておけば、左側にソースコード、右側に動いているオブジェ
クトが表示されるので、並べて見せることができます。wonderflがビルドを自
動的にしてくれるので、ソースコードを公開し忘れたとか、ビルドしたものと
バージョンが違うといったミスが起こりません。そして気になった実装があれ
ば、"fork"してコピーをもらい、そのままブラウザ上で変更して動作を確かめ
ることができます。開発環境を準備したり、依存ライブラリをダウンロードす
ることなしにすぐにコードを触ることができるのは、サンプルコードを探すと
きにとても快適です。

★ wonderflのクセ
そんなwonderflにも少しクセというか気をつける点があります。
まず、ソースコードは1ファイルにする必要があります。この制約のために前回
クラスごとにバラバラにしたソースコードを再び1つにまとめました。
次に画像ファイルの扱いです。いろいろ検索した結果wonderflに画像をアップ
ロードする方法があることがわかりました。wonderflの編集画面で『タイトル,
タグ,ライセンスを編集』を選び、その中でさらに『+more』をクリックすると
画像アップロードボタンが出てきてアップロードができます。こうしてアップ
ロードした画像はローカル環境でのビルドとは違ってswfファイルに直接埋め込
むことはできないので、画像のURLをコピーしてソースコードに貼るという一手
間が必要になります。
最後にブラウザ内での編集に関してです。ブラウザの中でソースコードを編集
できるのは、ちょっとなら良いのですが、本気で編集する時にはイライラして
しまいます。wonderflは公開と調査のときと割り切って、バリバリ編集したり
動作確認するのはローカルのエディタや開発環境を使う方がおすすめです。ち
なみに私はFlashDevelop[*3]を使っています。

★ まとめ
今回はより道でwonderflというサービスを紹介しました。次回はもどって、コ
マを動かせるようにしましょう。(水越)

★ 参考
[*1] Dropbox
     https://www.getdropbox.com/
[*2] wonderfl build flash online
     http://wonderfl.net/
[*3] FlashDevelop
     http://www.flashdevelop.org

★ これまでの記事
1) /ml-arch/magazine/278.html
2) /ml-arch/magazine/283.html
3) /ml-arch/magazine/289.html
4) /ml-arch/magazine/295.html
5) /ml-arch/magazine/300.html
6) /ml-arch/magazine/305.html
7) /ml-arch/magazine/311.html
8) /ml-arch/magazine/317.html
9) /ml-arch/magazine/322.html

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┗編集後記

こんにちは、編集人のナガタユウコです。今日は3月3日、桃の節句ですね!さ
すがにもうお雛様を飾る年齢ではないのですが、お雛祭りはやはりなんだかウ
キウキします。
男性に比べ女性が少ないIT業界ですが、その中で頑張っていらっしゃる女性の
方を見ると、同じ女性として、私も頑張ろうと思えてきます。IT業界に興味を
持って飛び込んできてくれる女性が、今以上にもっともっと増えると嬉しいな
と思います☆(ナガタユウコ)

*** オブラブスタッフ自己紹介 ***
No.04 森田(良)
( @ryhmrt )
こんにちは、森田(良)です。オブジェクト倶楽部のイベントでは、たまに設営
の仕事をお手伝いしています。その他は、ボット職人としてプレゼント応募の
受付のスクリプトを書いたりもしました。
私がオブジェクト倶楽部に関わったのは永和システムマネジメントに入社して
からのことで、入社前は、イベントを開催するなんて元気な人がいる会社なん
だな、といったくらいの認識でした。そんなわけで、私はオブジェクト倶楽部
のイベントにはスタッフとしてしか参加したことがないのですが、イベントに
行くと会場の雰囲気や講演内容に触発され、自分も頑張らなければなと、いつ
も元気をもらっています。
これからもスタッフとして、参加される皆さんから元気をもらいながら、こち
らからも色々なものを提供できるようにお手伝いさせて頂きたいと思います。
と優等生ぶってみましたが、基本的に酒さえ飲めれば幸せな刹那主義者です。
システム開発を大いに盛り上げるオブジェクト倶楽部をどうぞよろしく!
(森田(良))

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